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日経平均は小幅続伸、一段の株高には米国株のけん引必要か


 日経平均は小幅続伸。24.82円高の21754.79円(出来高概算4億7000万株)で前場の取引を終えている。

 週明け1日の米株式市場でNYダウは117ドル高と続伸した。6月29日の米中首脳会談で通商協議の再開で合意し、トランプ政権が中国からの輸入品への追加関税発動を見送ったことから買いが先行。しかし、今週4日には独立記念日の祝日が控えており、買いが一巡すると閑散取引のなか上げ幅を縮小する展開となった。日経平均は前日に454円高と令和に入り最大の上げ幅を記録しており、本日は米国株の伸び悩みなどを背景に利益確定の売りが先行し、30円安からスタート。寄り付き後は押し目買いが入りプラスに切り返す一方、米通商代表部(USTR)が欧州連合(EU)に対する追加関税のリストを発表したなどと伝わったことから上値も重かった。東証1部の値上がり銘柄は全体の6割弱、対して値下がり銘柄は4割弱となっている。

 個別では、東エレク<8035>が5日続伸し、3%近い上昇。米中摩擦の緩和期待が続くほか、半導体製造装置メーカーのM&A(合併・買収)が伝わり、業界再編の動きをポジティブ視した買いも入ったようだ。その他売買代金上位では任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>などが小じっかり。日立<6501>は2%高と堅調ぶりが目立った。業績上方修正のSI<3826>や第1四半期決算が良好だったダイセキS<1712>が買われ、業績下方修正を発表した象印マホービン<7965>も悪材料出尽くし感から急伸。また、東証2部への指定替え猶予期間から解除された鋳鉄管<5612>はストップ高を付けた。一方、ソニー<6758>や村田製<6981>が小幅に下落し、ファーストリテ<9983>はさえない。前日上げの目立ったZOZO<3092>や太陽誘電<6976>だが、本日は利益確定売りに押され、揃って3%超の下落。
また、アジア投資<8518>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、海運業、保険業、卸売業などが上昇率上位。反面、鉱業、石油・石炭製品、化学などが下落率上位だった。

 前日の日経平均は米中首脳会談の結果を好感し、日足チャート上では窓を開けての急伸となった。21600円台に位置する200日移動平均線を5月7日以来、およそ2カ月ぶりに上回り、市場のムードの好転に期待する向きは多い。会談前は手控えムードが強かっただけに、この上昇に乗り遅れた投資家は多いとみられ、下値では押し目買いが入りやすいだろう。ただ上値が重いところを見ると、やはり一段の株高には米国株のけん引が必要といったところか。

 市場では米中摩擦の激化懸念が後退し、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ期待が後退するとの見方もある。金融政策の行方を占ううえで、今週5日に発表予定の米6月雇用統計の内容を見極めたいなどとの思惑も出てきそうだ。米欧の貿易摩擦懸念が再浮上してきたことも気掛かりとなる。日経平均は目先、節目の22000円手前で一進一退の展開となる可能性がある。
(小林大純)


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