国際ロボット連盟(IFR)が「ワールドロボティクス研究開発プログラム(World Robotics R&D Programs)」をリリース
フランクフルト--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- パンデミックからの経済活動再開につれて、アジア、欧州、米国はロボティクス研究助成プログラム(R&D)を調整しています。現在、公式に推進されている政府プログラムの目標は何でしょうか?IFRはその内容を調査し、「ワールドロボティクス研究開発プログラム(World Robotics R&D Programs)」2021年更新版として発表しました。
IFR研究委員会副委員長で理事のJong-Oh Park博士は次のように述べています。「ワールドロボティクス研究開発プログラム(World Robotics R&D Programs)の初版が昨年6月に発表されましたが、それ以降多くの国がロボティクスの研究開発プログラムを改訂しました。韓国、日本、ドイツ、米国、中国の5つのロボット先進国は、非常に異なる戦略をとっています。」
ロボティクス研究開発プログラム(Robotics R&D programs) - 政府が公式に推進
中国製造2025の戦略計画は、中国産業の製造能力を向上させるための青写真を描いています。インテリジェントロボット技術の急速な発展を促進するために、「インテリジェントロボット」の重要な特別プロジェクトが「イノベーションチェーン」の要件に従って展開されています。インテリジェントロボット、新世代ロボット、主要な共通技術、産業用ロボット、サービスロボット、特殊ロボットの基礎先端技術に重点が置かれています。開発目標は、産業規模の継続的な成長を生み出すことです。中国は、国際競争力のある少なくとも3つの大手企業を育成し、5つ以上のロボット関係の産業クラスターを構築するとしています。IFRによる統計年鑑「World Robotics」は、中国が製造業の労働者10,000人あたり187台のロボット密度に達したことを示しており、同国は世界で15位にランクされています。
日本における「ロボット新戦略」は、日本を世界一のロボットイノベーションハブにすることを目指しています。製造業におけるロボット化率を向上させ、大企業で25%、中小企業で10%を目指しています。KPI(重要業績評価指標)は、システムインテグレータ市場の拡張でもあり、システムインテグレータはユーザとメーカの橋渡しをしています。アクションプランには、農業、インフラストラクチャ、ヘルスケアなどの重要なサービス部門が含まれています。介護・医療分野だけでも9億9,730万米ドルの予算が組まれており、ロボットの実用的応用と人工知能の活用を推進することで、データヘルス改革を支援します。IFRの統計年鑑「World Robotics」によると、日本は世界一の産業用ロボット生産国であり、2019年には世界のロボット設置台数の47%を生産しました。
韓国のインテリジェントロボット開発供給促進法は、第4次産業革命のコア産業として韓国のロボット産業の発展を推進しています。重点分野は、製造業(中小企業製造拠点の競争力を強化するための特別プログラム付き)、特定のサービスロボット分野(ヘルスケアおよび物流を含む)、次世代の主要コンポーネントおよび主要ロボットソフトウェアです。
政府の枠を越えたフルサイクル医療機器開発プロジェクトのために、政府は2020年から2025年まで10億7000万米ドル(1兆2000億ウォン)の予算を組むことを計画しています。統計年鑑「World Robotics」によると、2019年の韓国の産業用ロボット稼働台数は前年比13%増の約319,000台となり、新記録を達成しました。この5年で、韓国では産業用ロボット稼働台数が2倍になりました。日本と中国に続いて、韓国は、2019年に3位になりました。
新しい欧州フレームワークプログラムホライズン・ヨーロッパが始まり、2021年から2027年の期間にわたって研究とイノベーションが行われます。ホライズン2020の成果と成功に基づいたホライズン・ヨーロッパにより、一流の研究者、イノベータ、一般市民は支援を受け、環境に配慮したデジタル化の進む健康的な未来を確保するのに必要な知識を伸ばし、ソリューションを開発することができます。
ロボティクス関連の作業プログラムは、クラスター4(デジタル、産業、宇宙)に組み込まれています。ロボティクス関連の研究・開発・イノベーション(R&D&I) プロジェクトは、製造および建設セクターのデジタル移行、労働者をサポートする自律型ソリューション、認知力の向上、およびヒューマン・ロボット・コラボレーションに焦点を当てています。クラスター4のロボティクス関連の作業プログラム2021-2022は、2億4,000万米ドル(1億9,870万ユーロ)の総資金を提供します。
ドイツのハイテク戦略2025は、ドイツの研究開発およびイノベーションプログラムの第4版です。目標は、優れたアイデアを革新的な製品やサービスにすばやく変換することです。ハイテク戦略のフレームワークの大半は、企業、大学、および研究機関間のパートナーシップを促進して、機関の研究と起業家の専門知識を統合します。2025年までに研究開発投資を年間GDP比3.5%に引き上げるという目標が設定されています。ミッション「Shape Technology for the People」のいくつかのプログラムラインでは、ロボット関連プログラム「Together Through Innovation」が2020年に開始されました。この研究プログラムラインにより、連邦教育研究省(BMBF)は、2026年まで年間約8,400万米ドル(7,000万ユーロ)を提供します。
米国では、政府支援のもとに、ロボティクスの基礎研究開発のため、国家ロボティクスイニシアティブ(NRI:National Robotics Initiative)が発足しました。NRI-2.0では、基礎科学、工学、技術開発、展開、および使用の間のより良い繋がりを実現するために、学界、産業界、非営利団体、およびその他の組織の連携が奨励されています。 重要なセクターの1つが「宇宙ロボット」であり、NASAは「アルテミス」という名前の月面着陸プログラムを開始しました。アルテミス月面着陸プログラムの目的は、2024年までに宇宙飛行士を月面に再び送り込み、2024年以降の火星でのミッション実行に期待できる可能性や強みを構築することです。アルテミス月面プログラムは、NASA、米国の民間航空宇宙機関、およびESA(22か国で構成)、カナダ、日本、ロシアなどの国際的なパートナーによる共同宇宙飛行プログラムです。米国政府は2020年から2024年までに350億米ドルの予算を導入することを計画しています。米国国防総省(DOD)は、無人システム技術へ最大の投資を行っており、2020年と2021年には73億米ドルの予算が見込まれています。IFRの統計年鑑「World Robotics」によると、製造業のロボット密度は2014年から2019年にかけて年平均成長率(CAGR)が7%増加し、従業員10,000人あたり228台のロボット密度に達し、世界で9位にランクされています。産業用ロボットの年間設置台数では、米国は3位を占めています。
ダウンロード用ファイル
IFRによるインフォメーションペーパー「ワールドロボティクス研究開発プログラム(World Robotics R&D Programs)」はこちらからご確認ください。
その他のIFRポジションペーパーはこちらから入手できます。
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