業界有数の「NICE(インテリジェント・カメラ・エコシステムのネットワーク)アライアンス」が最終版の提供に先立ち、公開レビュー用のV0.9仕様と機能を発表
米カリフォルニア州パロアルト--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)--
消費者向け電子機器を手掛ける一流メーカー/ブランドのフォックスコン、ニコン、Scenera、ソニーセミコンダクタソリューションズ、ウィストロンは昨年、スマートカメラ市場のための革新的なエコシステム標準を創出するため正式に協業を開始しました。ビデオ/画像とAIに基づいたオープンなデータ共有プラットフォームを提供し、複数のブランド、カメラ、サービスおよびアプリケーションにおける相乗効果を強化することを目指しています。コンソーシアムの設立以来、アリオン、Augentix(多方科技)、モビリコム、TnM
Techがコントリビューターとして、NICEアライアンスに参加しました。NICEアライアンスは1年間に及ぶ協業と共同開発を経て本日、当アライアンスの詳細計画と技術を規定した仕様と詳細な機能を公表し、初めて公開レビューに供します。正式な導入に向けた最終版は、2019年下半期の公表を目指しています。
NICEアライアンスは、高度なリアルタイムのビデオ画像分析を推進・発展せ、次世代スマートカメラを消費者・エンタープライズ市場に投入するというビジョンに基づいて設立されました。当アライアンスは、広く業界における導入を促進するために、センサー、カメラモジュール、クラウドシステムのソリューションなどを手掛ける大手のメーカーおよびサプライヤーと足並みをそろえています。
現在、人工知能(AI)処理の管理は、大量の計算能力と深層学習モデルの集中的なトレーニングが必要なため、クラウドベースのデータセンターに限られています。NICEは、セキュリティー、データ機密性、帯域幅、遅延の要件、コスト制約を取り巻く課題に解決策を提供するには、AI処理をカメラや高度なイメージセンサーなどのエッジデバイスで行えるよう、分散型アーキテクチャーを開発する必要性を突き止めました。最終的にこの新しいプロセスにより、AI機能の分散状況をもたらし、クラウド、カメラ、IoTデバイス、イメージセンサーで効率的かつ正式に共有できるようになります。
市場で高解像度カメラ製品が急増し、実用的なストリーミングを行うには多すぎる生ビデオデータが生成されるようになりました。ビデオ画像の特性を予測したり、関連情報が少ししか付加されていない大量のビデオデータを管理したりすることは困難であり、既存の標準的な圧縮技術はまだこの問題に対応できていません。NICEのエッジAI機能は、具体的なソリューションを提供して、効率を高めるものであり、エッジで画像を分類して、関連のあるビデオ情報しかクラウドに送信しないようにします。
エッジとクラウドでバランスを取る必要があるのは明白であり、そのために必要な分散型AIネットワークを構築するには、エッジとクラウドでAIタスクを共有するという課題に、業界で取り組まなければいけません。NICEアライアンスを結成した主な理由の1つは、AIコンピューティングを効率的に分散する上で理想的なソリューションとなるよう、パイプラインとデータアーキテクチャーを規定する標準を提供することにあります。
NICEアライアンスはそのエコシステムの導入を後押しするために、画像フレーム、オーディオ、メタデータなど、具体的情報を豊富に含むシーンベースの画像/ビデオストリームをカメラにて取得できる仕様を公開します。NICE仕様は、カメラ機器、クラウドサービス、アプリが相互通信して効果的なソリューションとなるための新しい標準的手法を規定します。それにより、消費者向けの新クラスのユーティリティーサービスを実現し、新登場のアプリケーションのための新たな機会とビジネスモデルが生まれます。
NICE仕様の主な機能は、下記の通りです。
カメラとアプリケーションの安全な管理:NICE準拠カメラはクラウドサーバーに直接接続して、安全な自動設定を実現します。ユーザーはシンプルなアプリによって、集中型セキュリティーサーバーを使い、カメラを自身のアカウントにリンクできます。このサーバーはユーザーのために、暗号化キーとパスワード認証情報を管理します。
シーンベースのアプリケーションインターフェース:アプリケーション開発者は、ビジョン処理向けの分析機能など、カメラに搭載する機能を容易に決定できます。シーンベースの撮像により、アプリ開発者はシーンモードを設定して、カメラの視野内で起こるイベントを記述したデータストリームを構成できます。例えば、関連ビデオクリップ、分析情報を処理してローカル生成されたメタデータ、そしてオーディオやその他の環境検知などの補助データが含まれます。マルチカメラ・キューレーションが、複数カメラのデータをさらに分類します。これによって、アプリケーションは生ビデオデータを直接処理する必要がなくなり、複数のビデオストリームを処理して保存するコストを削減できます。
階層化されたカメラインターフェース:NICEにより、カメラメーカーによる統合の複雑さの低減が実現します。カメラは階層化されたインターフェースによって、高度な撮像機能と画像処理機能をアプリケーションにもたらします。ビデオ分析アルゴリズムを異なる階層で実行できるので、センサーやカメラの機能を使い、最適な撮像が行えます。その結果、撮像とローカルで処理したビデオストリームデータを最適化して、クラウドベースのビデオ分析AIアルゴリズムをより効率的に実行できます。
分散型AI管理:
NICEが実現するアプリケーションにより、人工知能アルゴリズムを分散し、最も適した場所でリアルタイム分析を行えるようにします。分析アルゴリズムをセンサーやカメラ、クラウドで実行することで、複数のビデオ画像ストリームを管理して、高速かつ正確に分析できます。これは、人間の視覚システムに類似しており、単純な反射運動は脊髄が処理して素早く反応し、複雑な処理は脳が処理する場合と同様です。
監視製品市場とIoT市場での高度なIPカメラの標準化と、クラウドベースの機械学習/AIアプリケーションをシームレスに統合するには、センサーメーカーからビッグデータAIソリューションのプロバイダーまで、広範なエコシステムの有力企業を巻き込む必要があります。Sceneraの李大範最高経営責任者(CEO)は、「NICEは、分散型コンピューティングと階層化された仮想化という困難なコンセプトを、ストリーミングビデオデータのパイプラインに取り入れ、多数の業界のエンドユーザーから広く受容されるようにします。NICEのプロモーター企業は、スマートフォンなど他のコンピューティング機器で使用されている強力なコンセプトを、独自のデータ処理機能や、新登場の製品や今後の製品に対する上級エンドユーザーの需要と共に、イメージング機器に取り入れることに傾注しています。NICEは今後、イメージング機器によってエンドユーザー体験を強化するための方法を変革しながら、センサーメーカーからクラウドソリューションプロバイダーまで、すべてのエコシステム関係者のために新たなビジネス機会を創出します」と述べています。
製造分野のNICE採用企業は、カメラ機能の革新と性能の向上に重きを置いて、さまざまなクラスのカメラを対象にサードパーティー製のアプリケーションとサービスが長期にわたって利用可能になることを期待しています。世界有数のスマートカメラメーカーのダーファで生産/ソリューション担当バイスプレジデントを務める楊聖偉氏は、「私たちはNICE仕様の最終版がリリースされるのが楽しみです。NICEの革新的機能が、インテリジェントかつデータリッチなカメラの業界で新たなトレンドを生み出し、事業範囲を高需要のクラウドアプリケーションにまで拡大できることに感激しています」と述べています。
製造分野のNICE採用企業は、正規テストセンター(ATC)を提供して、NICE準拠製品間における相互運用性が確保されることを期待しています。相互運用性は消費者の使い勝手と、サードパーティー製のアプリケーションおよびサービスの開発者にとって不可欠です。試験/コンサルティングサービス大手にして総合的AIoTエコシステムのプロバイダー、NICEアライアンスの重要なコントリビューターの1社であるアリオン株式会社の中山英明代表取締役社長は、「NICEの革新的機能が、インテリジェントかつデータリッチなカメラの業界で新たなトレンドを生み出し、事業範囲を高需要のクラウドアプリケーションにまで拡大できることに感激しています。NICE仕様の最終版に期待しており、製造分野の採用企業とアプリケーションの開発者にHW/SWと相互運用性の試験を提供していきたいと思います」と述べています。
AIベースのビデオ分析は、クラウドで急速に発展・向上しています。多くの業界専門家の一致した見解として、NICE以外のどの業界標準でもカバーされていないNICE仕様の主要機能の1つが、AIコンピューティングをセンサー、カメラ、クラウドに分散できる能力です。これは新たに階層化制御を規定し、最終的には階層間の仮想化を活用することで実現します。この重要な特性のおかげで、クラウドのアプリやサービスはより効果的に適切な画像をセンサーから取得し、超低遅延でカメラのデータを詳細に分析できるため、エンドユーザーの需要にコスト効率よく対応できます。
NICEアライアンスは今後もエコシステムのために、インフラ開発とガイドライン確立に取り組みます。エコシステムは、仕様への貢献や仕様の採用に関心があるすべての企業と利益団体に門戸を開いています。NICEの現行のV0.9仕様は、www.nicealliance.org/specsをご覧ください。V1.0仕様は2019年第2四半期半ばに公開できる見通しです。
SCENERAについて
Sceneraは、イメージングソリューションプロバイダーと共に、サーベイランス/IPカメラ市場で新たな標準を確立しています。先見性のある創業者らは、色彩豊かな画像から新たな強力機能を実現するリッチシーン情報へのパラダイムシフトを目にしています。標準準拠のスマートカメラは大量の画像情報を生成し、物体認識や物体検知、位置追跡などのサーベイランスアプリケーションの実現に役立っています。Sceneraは、新世代のスマートカメラを活用できる相互運用性のあるエコシステムを構築するという共通ビジョンの下、業界大手の連携作りを目指しています。Sceneraはライセンスを受けたNICEアライアンスの管理会社です。
詳しい情報については、www.scenera.netをご覧ください。
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