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アドセトリス群において4カ月以上にわたる持続的な客観的奏功率、無増悪生存期間の中央値と全奏功率、症状軽減で高度に統計的に有意な改善を示した第3相ALCANZA試験の良好な結果に基づく見解
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米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:
4502)は本日、欧州医薬品庁(EMA)医薬品評価委員会(CHMP)がアドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の市販承認の適応拡大に対する肯定的見解を発出し、過去に少なくとも1種類の全身療法を受けているCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)成人患者の治療薬としての承認を勧告したと発表しました。アドセトリスは、CTCL患者の約50パーセントの皮膚病変で発現するCD30を標的とする抗体薬物複合体(ADC)です。アドセトリスは現時点でCTCLの治療薬として承認されていません。
バーミンガム大学病院(英国バーミンガム)皮膚科のJulia
Scarisbrick医師(M.D.)は、次のように述べています。「この肯定的見解は、生活の質に大きな影響を与える衰弱性疾患であるCTCLを持つ欧州の患者にとって、極めて重要な第一歩です。ALCANZA試験の結果は、一般的に使用されている治療薬のメトトレキサートおよびベキサロテンと比較して、アドセトリスが優れた有効性と管理可能な安全性プロファイルを備えていることを証明しています。アドセトリスは欧州で承認された場合、CD30を発現したCTCL患者に新規の治療選択肢を提供することになります。」
武田薬品のオンコロジー臨床研究開発部門長であるJesus Gomez
Navarroバイスプレジデント(M.D.)は、次のように述べています。「本日のCHMPによる肯定的見解は、CTCLコミュニティーにとって重要な節目となる成果で、CD30陽性悪性腫瘍を持つ患者の治療成績改善でアドセトリスが果たし得る役割をさらに裏付けるものです。CTCL患者は、持続的な奏功を達成する機会を増やす新たな治療選択肢に高いニーズを示しています。この新しい適応症に対するCHMPの肯定的見解を欧州委員会が審査し、欧州連合内のしかるべきCTCL患者にアドセトリスを届けられることを当社は期待しています。」
アドセトリスに対するCHMPの肯定的見解はこれから欧州委員会(EC)の審査に付されますが、ECは医薬品の欧州連合(EU)加盟28カ国、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドでの使用を承認する権限を持っています。
今回のCHMPの肯定的見解は、CD30陽性CTCL患者で治験責任医師が選択した標準治療薬(メトトレキサートまたはベキサロテン)の対象群と比較してアドセトリスの単剤療法を評価するようにデザインされた無作為化非盲検第3相ALCANZA試験の結果に基づいています。試験は主要評価項目を達成し、独立評価機関による評価により、アドセトリス治療群は対照群と比較して、4カ月以上にわたる持続的な全奏功率(ORR4)の高度に統計的に有意な改善を示しました(p値<0.0001)。ORR4はアドセトリス群が56.3パーセント、対照群が12.5パーセントでした。完全奏功率、無増悪生存期間、治療期間中の症状軽減(Skindex-29質問票1により測定)を含め、プロトコルに明記された主要な副次的評価項目のすべてで、アドセトリス群の方が高度に統計的な有意性で優れていました。ALCANZA試験におけるアドセトリスの安全性プロファイルは、既存の処方情報と全体的に一致するものでした。最も頻度の高い有害事象(全グレード)は末梢神経障害、悪心、下痢、疲労、嘔吐、脱毛、そう痒、発熱、食欲減退、高トリグリセリド血症でした。アドセトリス群でグレード3ないし4の最も頻度の高い有害事象は、末梢感覚神経障害(グレード4では無し)、疲労、下痢、悪心、嘔吐、そう痒でした。対照群でグレード3ないし4の最も頻度の高い有害事象は、高トリグリセリド血症、そう痒、疲労、発熱でした。
CTCLについて
リンパ腫とは、リンパ系で発生するがん種を示す一般名称です。リンパ腫にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫という2つの主要なカテゴリーがあります。皮膚リンパ腫は主として皮膚に生じる非ホジキンリンパ腫のカテゴリーに属します。皮膚リンパ腫財団によれば、CTCLは皮膚リンパ腫の最も多く見られるタイプで、通常はうろこ状の紅斑、または皮膚の湿疹や慢性皮膚炎にしばしば類似した皮膚の肥厚を呈します。限局した皮膚病変が進行すると皮膚腫瘍形成、潰瘍化、剥離を伴い、かゆみや感染症を合併する場合があります。進行期はリンパ節、末梢血、内臓への転移によって特徴付けられます。文献によれば、本疾患の患者の約50パーセントでCTCL病変にCD30が発現しています。
CTCLの標準療法は、皮膚への局所療法、放射線療法、全身療法、あるいはそれらの併用です。現在承認されている全身療法は30~45パーセントの客観的奏功率を示し、完全寛解率は低くなっています。
アドセトリスについて
アドセトリスは、シアトル・ジェネティクスの専有技術を使用し、抗CD30モノクローナル抗体を、タンパク質分解酵素により開裂するリンカーで、微小管阻害剤モノメチルアウリスタチンE(MMAE)と結合させたADCです。本ADCが採用するリンカーシステムは、血中では安定し、CD30陽性の腫瘍細胞に取り込まれると、MMAEを放出するように設計されています。
静脈内注射用のアドセトリス注射剤はFDAより、4件の適応症で承認を取得しました。これらの適応症は、(1)過去に全身療法を受けているpcALCL患者およびCD30発現MF患者の治療に対する通常の承認、(2)古典的ホジキンリンパ腫患者で、自家造血幹細胞移植(自家HSCT)が失敗した患者か、自家HSCTの候補でなく、過去に少なくとも2回の多剤化学療法レジメンが失敗した患者の治療に対する通常の承認、(3)再発ないし進行のリスクが高い古典的ホジキンリンパ腫患者を対象とする自家HSCT地固め療法に対する通常の承認、(4)全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)患者で、過去に1回以上の多剤化学療法レジメンが失敗した患者の治療に対する迅速承認、となります。sALCLの適応症は、全奏効率に基づいて迅速承認を受けました。sALCLの適応に対する承認継続は、検証的試験で臨床的有用性が検証・説明されることが条件になる可能性があります。
カナダ保健省はアドセトリスに対し、再発性ないし難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として条件付き承認を2013年に与え、また再発ないし進行のリスクを持つホジキンリンパ腫患者のASCT後の地固め療法として無条件承認を与えています。
アドセトリスは2012年10月に欧州委員会より、2件の適応症で条件付きの市販承認を取得しました。これらの適応症は、(1)自家幹細胞移植(ASCT)後、またはASCTないし多剤化学療法が治療選択肢でない場合に少なくとも2種類の治療を受けた後の再発性ないし難治性のCD30陽性成人ホジキンリンパ腫患者の治療、(2)再発性または難治性の成人sALCL患者の治療、となります。
欧州委員会は、アドセトリスに対する現在の条件付き市販承認を拡大し、ASCT後に再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者の治療薬としてアドセトリスを承認しました。
アドセトリスは再発性/難治性ホジキンリンパ腫とsALCLを適応に65カ国以上で規制当局より市販承認を取得しています。下記の重要な安全性情報をご覧ください。
アドセトリスは70件以上の臨床試験で広範な評価を受けています。これらの試験にはホジキンリンパ腫のフロントライン治療での第3相試験(ECHELON-1)とCD30陽性末梢T細胞リンパ腫のフロントライン治療での別の第3相試験(ECHELON-2)に加え、その他多種類のCD30陽性悪性腫瘍での試験が含まれます。
シアトル・ジェネティクスと武田薬品はアドセトリスを共同開発しています。提携契約の条件に従い、シアトル・ジェネティクスは米国とカナダでアドセトリスを商業化する権利を保有し、武田薬品は世界のその他の地域で商業化する権利を保有します。シアトル・ジェネティクスと武田薬品は、アドセトリスの開発費を50対50の割合で共同負担していますが、例外的に日本における開発費に関しては武田薬品が単独で責任を負っています。
武田薬品工業について
武田薬品工業株式会社は研究開発を駆使する世界的製薬企業として、科学の成果を生活に変革をもたらす医薬品に橋渡しすることで、患者の健康を改善して患者に明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究開発活動をオンコロジー、消化器系疾患、中枢神経系の各治療領域とワクチンに集中させています。武田薬品は革新の最前線に位置するため、研究開発を自社内および提携先との共同で実施しています。特にオンコロジーと消化器系疾患における革新的な新製品と、新興市場におけるプレゼンスが、武田薬品の成長を加速させています。武田薬品の3万人以上の従業員は、70カ国以上でヘルスケア分野の提携先と協力しながら、患者の生活の質を向上させることに懸命の努力で取り組んでいます。詳細情報についてはhttp://www.takeda.com/newsをご覧ください。
武田薬品の詳細情報については当社ウエブサイト(www.takeda.com)を、武田薬品工業株式会社のグローバルオンコロジービジネスユニットのブランドであるTakeda
Oncologyの詳細情報については本ブランドのウエブサイト(www.takedaoncology.com)をご覧ください。
アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(欧州連合向け)
禁忌
ブレンツキシマブ・ベドチンおよびその賦形剤に対し過敏症を示す患者に対する同剤の使用は禁忌となっています。またブレオマイシンとアドセトリスの併用は肺毒性をもたらすので、禁忌となっています。
特別な警告および注意
進行性多巣性白質脳症(PML):アドセトリスによる治療を受けた患者で、PMLおよび死亡をもたらすジョン・カニンガム・ウイルス(JCV)の再活性化が起こることがあります。複数の化学療法レジメンを受けた後にアドセトリスを投与された患者でPMLが報告されています。
神経・認知・行動関連でPMLを示唆する兆候・症状の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングする必要があります。PMLの評価法として提案されているものには、神経科医による診察、脳のガドリニウム増強核磁気共鳴画像法、ポリメラーゼ連鎖反応によるJCV
DNAの脳脊髄液分析、JCVの所見がある場合の脳生検が含まれます。PMLが疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、PMLの診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。
膵炎:アドセトリスによる治療を受けた患者で、急性膵炎が観察されています。致死的転帰が報告されています。急性膵炎を疑わせる腹痛の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングする必要があります。患者の評価には身体診察、血清アミラーゼと血清リパーゼのラボ検査、超音波など腹部画像検査、その他の適切な診断法があり得ます。急性膵炎が疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、急性膵炎の診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。
肺毒性:アドセトリスによる治療を受けた患者で、致死的転帰を伴う場合がある肺毒性の症例が報告されています。アドセトリスとの因果関係は確立していませんが、肺毒性のリスクは排除できません。肺症状の新規発症や悪化があれば、ただちに評価して適切な治療を施す必要があります。
重篤感染および日和見感染:アドセトリスによる治療を受けている患者で肺炎、ブドウ球菌血症、敗血症/敗血症性ショック(致死的転帰を含む)、帯状疱疹などの重篤感染と、ニューモシスチス・イロベチ肺炎や口腔カンジダなどの日和見感染が報告されています。患者に対しては治療中、重篤感染および日和見感染の発生可能性につき、注意深くモニタリングする必要があります。
注入に伴う反応(IRR):即時型および遅延型のIRRと、アナフィラキシーがアドセトリス投与で発生しています。患者を注入時と注入後に注意深くモニタリングする必要があります。アナフィラキシーが発生した場合、アドセトリス投与を即時・永続的に中止し、適切な治療を施す必要があります。IRRが発生した場合、注入を中断して適切な医療管理を行う必要があります。注入は症状が解消してから速度を落として再開することも可能です。IRRを過去に経験している患者は、その後の注入に備えて準備投薬する必要があります。IRRはアドセトリスに対する抗体を持つ患者ほど頻度と重症度が高くなっています。
腫瘍崩壊症候群(TLS):アドセトリス投与でTLSが報告されています。腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者はTLSのリスクがあります。これら患者は密にモニタリングし、最適な医療に基づいて管理する必要があります。
末梢神経障害(PN):アドセトリスによる治療は感覚神経障害、運動神経障害の両神経障害をもたらす場合があります。アドセトリス誘発性PNは一般的にほとんどの症例において蓄積的で可逆的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などPNの症状につき、患者をモニタリングする必要があります。PNの新規発症や悪化を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量削減、中止が必要となる場合があります。
血液毒性:グレード3ないし4の貧血、血小板減少症、長期(1週間以上)のグレード3ないし4の好中球減少症がアドセトリスで発生する場合があります。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングする必要があります。
発熱性好中球減少症:発熱性好中球減少症が報告されています。発熱性好中球減少症が発症した場合、患者を発熱につき密にモニタリングし、最適な医療に基づき管理する必要があります。
スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS):アドセトリス投与でSJSおよび中毒性表皮壊死症(TEN)が報告されています。致死的転帰が報告されています。SJSまたはTENが発症した場合、アドセトリスによる治療を中止し、適切な治療を施す必要があります。
消化管合併症:腸閉塞、イレウス、腸炎、好中球減少性大腸炎、びらん、潰瘍、穿孔、出血を含め、致死的転帰を伴う場合がある消化管合併症が報告されています。消化管症状の新規発症や悪化は、直ちに評価して適切な治療を施す必要があります。
肝毒性:アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇が報告されています。肝毒性の重篤な症例(致死的転帰を含む)も発生しています。アドセトリス投与を受ける患者では、治療開始に先立って肝機能を検査し、定期的にモニタリングする必要があります。肝毒性を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。
高血糖症:試験では糖尿病の病歴有無にかかわらず肥満指数(BMI)の高い患者で高血糖症が報告されています。高血糖イベントを経験した患者は全員、血清グルコースを密にモニタリングする必要があります。糖尿病治療を適宜開始する必要があります。
腎・肝障害:腎・肝障害を抱えた患者における経験は限られています。入手できるデータは、MMAEクリアランスが重度の腎障害および肝障害と、低い血清アルブミン濃度による影響を受ける可能性があることを示しています。肝障害または重度の腎障害の患者では、3週ごとに30分の静脈内注入による1.2
mg/kgの開始用量が推奨されます。腎障害または肝障害の患者は、有害事象につき密にモニタリングする必要があります。
賦形剤におけるナトリウム量:本医薬品は1回の投与量当たり最大2.1 mmol(47
mg)のナトリウムを含みます。ナトリウム制限食を取っている患者で考慮する必要があります。
薬物相互作用
強力なCYP3A4阻害剤やP-gp阻害剤をアドセトリスと併用している患者は、好中球減少症のリスクが高まる可能性があるため、密にモニタリングする必要があります。アドセトリスとCYP3A4誘導剤の同時投与はアドセトリスの血漿中濃度を変えませんでしたが、アッセイで検出され得るMMAE代謝産物の血漿中濃度の低減をもたらすと思われます。アドセトリスはCYP3A4酵素によって代謝される薬物への曝露に変化をもたらすとは考えられません。
妊娠:妊娠の可能性がある女性は、アドセトリスによる治療を受けている期間と治療後6カ月目までは2種類の効果的な避妊法を取る必要があります。アドセトリスの妊婦での使用に関するデータは存在しませんが、動物試験で生殖毒性が示されています。母体に対するベネフィットが胎児に対する潜在的リスクを上回る場合を除き、アドセトリスを妊娠中に使用してはなりません。妊婦が治療を受ける必要がある場合、胎児への潜在的リスクについて明確な助言を受ける必要があります。
授乳(母乳育児):アドセトリスまたはその代謝産物が母乳中に排泄されるかどうかを示すデータは存在しませんので、新生児/乳児に対するリスクは排除できません。潜在的リスクがあるため、母乳育児を中止するかアドセトリスによる治療を中止/自制するかを決断する必要があります。
生殖:非臨床試験でアドセトリスによる治療は精巣毒性をもたらしているため、男性の生殖能力を変化させる可能性があります。本医薬品による治療を受けている男性には、治療期間中と最後の投与から最長6カ月後までは子供をもうけないように助言します。
有害反応
重篤な有害薬物反応には、肺炎、急性呼吸窮迫症候群、頭痛、好中球減少症、血小板減少症、便秘、下痢、嘔吐、悪心、発熱、末梢運動神経障害、末梢感覚神経障害、高血糖症、脱髄性多発性神経炎、腫瘍崩壊症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群が含まれます。
アドセトリスの臨床試験で、非常に頻度が高い(1/10以上)と判断された有害反応は、感染症、上気道感染、好中球減少症、PN(感覚神経障害・運動神経障害)、咳、呼吸困難、下痢、悪心、嘔吐、便秘、腹痛、脱毛症、掻痒症、筋痛症、関節痛、疲労、発熱、悪寒、注入に伴う反応、体重減少でした。頻度が高い(1/100以上1/10未満)と判断された有害反応は、敗血症/敗血症性ショック、帯状疱疹、肺炎、単純ヘルペス、貧血、血小板減少症、高血糖症、めまい、脱髄性多発性神経炎、ALT/AST値の上昇、発疹、背部痛でした。
アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(米国向け)
枠囲み警告
進行性多巣性白質脳症(PML)
アドセトリスによる治療を受けている患者で、PMLおよび死亡をもたらすJCウイルス感染が発生する場合があります。
禁忌
アドセトリスとブレオマイシンの併用は、肺毒性(例えば間質浸潤もしくは炎症またはその両方)を理由に禁忌となっています。
警告および注意
末梢神経障害(PN):アドセトリスは、感覚優位の末梢神経障害を引き起こします。末梢運動神経障害の症例も報告されています。アドセトリス誘発性末梢神経障害は蓄積的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などの症状につきモニタリングします。投与量を適宜修正します。
アナフィラキシーおよび注入反応:アナフィラキシーを含め、注入に伴う反応(IRR)がアドセトリスで発生しています。注入中は患者をモニタリングします。IRRが発生した場合は注入を中断し、適切な医療管理を行います。アナフィラキシーが発生した場合は注入を即時・永続的に中止し、適切な医療を施します。IRRを過去に経験している患者は、次の注入に先立って前投薬を行います。前投薬として可能なものには、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモンが含まれます。
血液毒性:長期(1週間以上)の重度好中球減少症およびグレード3ないし4の血小板減少症または貧血がアドセトリスで発生する場合があります。発熱性好中球減少症がアドセトリスで報告されています。アドセトリスの投与に先立ち、全血球計算値をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発症している患者ではモニタリング頻度の増加を検討します。発熱に関し患者をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発生した場合、投与延期、投与量削減、投与中止、G-CSF予防投与後の投与を検討します。
重篤感染と日和見感染:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺炎、菌血症、敗血症ないし敗血症性ショック(致死的転帰を含む)が報告されています。治療中は細菌・真菌・ウイルス感染につき、患者を密にモニタリングします。
腫瘍崩壊症候群:腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者は、密にモニタリングします。
重度腎障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な腎機能の患者と比較して重度の腎障害を持つ患者で高くなっていました。重度の腎障害を持つ患者では使用を避けます。
中等度から重度の肝障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な肝機能の患者と比較して中等度から重度の肝障害を持つ患者で高くなっていました。中等度から重度の肝障害を持つ患者では使用を避けます。
肝毒性:致死的転帰を含む重篤例がアドセトリスによる治療を受けた患者で発生しています。それらの症例は肝細胞障害と一致するもので、トランスアミナーゼもしくはビリルビンまたはその両方の上昇を含み、アドセトリスの初回投与または再投与後に発生しています。既往症の肝臓疾患の存在、ベースラインにおける肝酵素の上昇、併用薬はリスクを高める可能性があります。肝酵素とビリルビンをモニタリングします。肝毒性が新規発症、悪化、再発した患者ではアドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。
PML:アドセトリスによる治療を受けた患者でPMLと死亡をもたらすJCウイルス感染が報告されています。最初の症状はアドセトリスによる治療開始後のさまざまな時期に発生し、初回曝露から3カ月以内に発生した場合もあります。アドセトリス以外では、免疫抑制をもたらす可能性がある前治療と基礎疾患が寄与因子となっている場合があります。中枢神経系の異常を示す兆候・症状が新規に現れた患者はPMLの診断を検討します。PMLが疑われる場合はアドセトリス投与を保留し、PMLが確定したらアドセトリス投与を中止します。
肺毒性:肺臓炎、間質性肺疾患、急性呼吸ひっ迫症候群など非感染性肺毒性イベントが、致死的転帰を一部含め、報告されています。咳および呼吸困難を含む兆候・症状につき患者をモニタリングします。肺症状が新規に現れたり悪化したりした場合、評価中および症状改善までの期間はアドセトリス投与を保留します。
重篤皮膚反応:スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)が、致死的転帰を含め、アドセトリス投与で報告されています。SJSまたはTENが発症した場合はアドセトリス投与を中止し、適切な医療を施します。
消化管合併症:致死的転帰を含む急性膵炎が、アドセトリスによる治療を受けた患者で報告されています。穿孔、出血、びらん、潰瘍、腸閉塞、腸炎、好中球減少性大腸炎、イレウスを含め、その他の致死的/重篤な消化管合併症がアドセトリス治療を受けた患者で報告されています。既存の消化管病変を持つリンパ腫では、穿孔のリスクが高まる可能性があります。消化管症状の新規発症や悪化は、直ちに診断・評価して適切な治療を施す必要があります。
胚・胎児毒性:作用機序と動物実験に基づけば、アドセトリスは胎児に害を及ぼす可能性があります。生殖能のある女性には、胎児への潜在的リスクにつき、またアドセトリス治療中とアドセトリスの最終投与から少なくとも6カ月は妊娠を避けるよう、助言します。
最も発生頻度の高い(20%以上)有害反応:
末梢感覚神経障害、疲労、悪心、下痢、好中球減少症、上気道感染、発熱。
薬物相互作用:
強力なCYP3A4阻害剤またはCYP3A4誘導剤、P-gp阻害剤との併用は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)への曝露に影響を与える可能性があります。
特定集団での使用:
中等度から重度の肝障害の患者または重度腎障害:MMAEへの曝露と有害反応が増加します。使用を避けます。
生殖能のある女性を性的パートナーに持つ男性には、アドセトリスの治療中とアドセトリスの最終投与から少なくとも6カ月は効果的な避妊を助言します。
アドセトリスの投与を受けている間は、妊娠すれば直ちに報告し、授乳を控えるよう、患者に助言します。
枠囲み警告を含め、重要な安全性情報の詳細については、アドセトリスの完全な処方情報をwww.seattlegenetics.comまたはwww.ADCETRIS.comでご覧ください。
1確立したSkindex-29は、皮膚科専用の健康関連の生活の質(HRQL)を3領域で聞く質問票です。29項目が組み合わさって症状、感情、機能の3領域を形成します。各領域の得点と全体の得点は100点の尺度で表現され、高得点ほど生活の質が低いことを示します。https://doi.org/10.1038/jid.2009.404
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