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輸入米で注目 独特なコメの輸入ルール「ミニマムアクセス」


国産米の価格高騰を背景に、日本国内では割安な輸入米への関心が高まっています。日本政府は国産米と農家の保護を目的に1995年まで米の輸入を制限していましたが、自由貿易促進のための国際合意に基づき、一定量の米を関税ゼロで輸入する「ミニマムアクセス(MA)」枠を設けました。年間77万トンが輸入され、最大10万トンが主食用として業者に販売されています。民間による輸入も可能ですが、高関税のためこれまで輸入量は少量にとどまっていました。しかし、国産米の高騰により、民間輸入が増加しています。2024年度の輸入申請量は991トンと前年の368トンから急増しています。

 国産米の価格高騰を受け、割安な輸入米に注目が集まっている。そのコメの輸入ルールは独特だ。

 日本人の主食であるコメや農家を守るため、コメの輸入を原則認めてこなかった政府が方針転換したのは1995年だ。自由貿易を進めるための関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンドの合意に基づき、政府が輸入米を一定量まで関税ゼロで受け入れる枠「ミニマムアクセス(MA)」を設けた。現在の輸入枠は玄米で年77万トン。米国、タイ、オーストラリア、中国などから輸入している。

 MA米の多くは、加工食品の原料用や飼料用として販売されるほか、海外の食糧援助用にも活用される。一方で最大10万トンは主食用として入札を通じて卸売業者に販売される。業者は政府の輸入価格に上乗せする「マークアップ(輸入差益)」(上限1キロ当たり292円)を国に提示し、示した金額が最も高い業者が落札できる仕組み。2024年度は7年ぶりに全量が落札された。

 国家貿易による輸入枠とは別に民間事業者による輸入も可能だ。ただ、1キロ当たり341円の関税を払う必要がある。これまでは関税が高いこともあり、民間輸入量は年間300~400トンで推移、23年度は368トンだった。しかし、国産米の価格高騰を受けて、関税を払っても採算が取れると業者が判断したことなどから、輸入量は急増している。24年度(1月末時点)の輸入申請量は991トンとなっている。【町野幸】

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