
高止まりする米価対策として農林水産省が放出を決めた政府備蓄米は、約91万トン(2024年6月末現在)が全国約300カ所で保管されている。埼玉県内のある倉庫では約2万トンの備蓄米の袋が山積みとなっていた。
倉庫では、コメ30キロ入りの袋が積み重ねられていたほか、約1トンが入った巨大な袋も高さ5メートルほどまで並んでいた。倉庫管理会社の担当者によると、品質を保つために倉庫内の温度は1年を通して15度以下、湿度は60~65%に維持しているという。防虫対策に加え、倉庫の入り口にはネズミの侵入を防ぐ板も設置。「保管しているコメに事故があってはならない」と話した。防犯上の理由などから、倉庫の詳細な場所は公表していない。
農水省が放出を決めた備蓄米21万トンのうち、まずは15万トンが入札を経て集荷業者に売り渡される。全国のスーパーなどの店頭に並ぶのは3月下旬以降となる見通しで、値下げ効果が期待されている。【福富智】