
マクロン仏大統領が自国の核兵器による抑止力を欧州全体に拡大する議論を始める意向を表明したことを受け、ロシア高官からは6日、「ロシアへの脅威だ」などと反発する声が相次いだ。露メディアが伝えた。
ペスコフ露大統領報道官は「フランスは戦争の継続を望んでいる印象を受ける」と主張。フランスは安全保障のために既に核兵器を使用する準備があると指摘した上で、「(マクロン氏の)発言は欧州における核のリーダーシップを主張するもので、非常に対立的だ」と批判した。
ラブロフ露外相も「マクロン氏が我々を脅威と見なし、欧州諸国と英国の軍司令官を招集してロシアへの核兵器使用に備える必要性を訴えるなら、これは脅威だ」と強調した。欧州各国首脳は2日、ロシアから攻撃を受けるウクライナを支援するために「有志国連合」を形成し、停戦後に平和維持部隊を派遣する方針で合意。マクロン氏は有志国の軍司令官をパリに招待し、詳細を協議する方針を明らかにしている。
ラブロフ氏はまた、ウクライナにおける平和維持部隊の存在は北大西洋条約機構(NATO)に等しいとの見方も改めて示し、「依然としてNATO軍だ」と批判。「NATOがロシアとの戦争に直接的、公式的に公然と関与することを意味する。断固として容認しない」とけん制した。【モスクワ山衛守剛】