元会社役員に禁錮３年６月求刑＝猪苗代湖ボート３人死傷―福島地裁

　福島県会津若松市の猪苗代湖で２０２０年９月、遊泳中の家族にプレジャーボートが接触し、男児＝当時（８）が死亡、母親ら２人が重傷を負った事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元会社役員佐藤剛被告（４５）の公判が２４日、福島地裁（三浦隆昭裁判長）であり、検察側は禁錮３年６月を求刑した。弁護側は最終弁論で改めて無罪を主張し、結審した。判決は３月２４日。 　検察側は論告で「被告が十分な安全確認を行っていれば、湖面に浮かぶ被害者を発見し事故を回避できた」と主張。被告が被害弁償をしていないことなどを指摘し、「自己の行為と真摯（しんし）に向き合う姿勢は皆無だ」と非難した。 　弁護側は最終弁論で「安全確認は十分行っていたが、事故当時は波が立つなど湖面を視認しにくい状況だった」と過失を否定し、無罪を主張した。　 　起訴状によると、被告は２０年９月６日午前、猪苗代湖で友人らが乗ったボートを、安全確認を怠ったまま時速１５～２０キロで操縦。回転中のプロペラに遊泳中だった家族を巻き込み、千葉県野田市の当時小学３年の男児を死亡させ、母親に両脚切断、友人の男児にも重傷を負わせたとされる。（了）【時事通信社】