ソフトバンク元社員に有罪判決＝５Ｇ情報流出「転職先で利用意図」―東京地裁

　ソフトバンクの高速大容量規格「５Ｇ」の情報流出事件で、不正競争防止法違反罪に問われた同社元社員、合場邦章被告（４７）の判決が９日、東京地裁であった。鎌倉正和裁判長は「持ち出した情報には長年の試行錯誤で築いた情報、喫緊の課題だった５Ｇ化計画も含まれ、悪質だ」と述べ、懲役２年、執行猶予４年、罰金１００万円（求刑懲役２年、罰金１００万円）を言い渡した。 　鎌倉裁判長は、全国１６万カ所の基地局の位置情報、周波数帯、回線の月額利用料金、４Ｇから５Ｇへの切り替え計画が含まれ、営業秘密に該当すると認定した。情報を持ち出した翌月に楽天モバイルに転職していたことなどから「転職先で役立てようとしたと認められ、動機は身勝手だ」と指摘した。 　弁護側はアクセス制限が不十分で営業秘密に当たらないと無罪を主張していた。 　判決によると、合場被告は２０１９年１２月、自宅からクラウドサーバーにアクセスして営業秘密をコピーしたり、メール送信したりして持ち出した。　 　情報流出を巡り、ソフトバンクが楽天モバイルと合場被告を提訴。損害は約１０００億円に上るとし、一部の１０億円を請求している。（了）【時事通信社】