習氏、党規約で権威強化＝「二つの確立」は明記せず―改正全文を公表・中国共産党

　【北京時事】中国共産党は２６日、先の党大会で採択された改正党規約の全文を公表した。国営新華社通信が伝えた。異例の３期目入りを果たした習近平総書記（国家主席）の思想を「２１世紀のマルクス主義であり、中国精神の神髄」と位置付け、習氏の権威が一層強化された。ただ、習氏の地位と思想に忠誠を誓うスローガン「二つの確立」は明記されなかった。 　党大会で採択された決議では、「二つの確立」を「新時代の重要な政治的成果」として、これを守るよう党員に求めていた。このため、党規約に書き込まれるという見方が有力だった。 　習氏は３期目政権発足に当たり、最高指導部を構成する政治局常務委員を自身の側近で固めており、党規約改正では一定の譲歩をした可能性がある。習氏に対する個人崇拝を思わせる動きに、党内で批判的な意見が根強いことが浮き彫りとなった。 　党規約は、党員が守るべき最高規則。「『台湾独立』に断固反対し、食い止める」という文言も加わり、習氏の祖国統一への決意が改めて示された。２０３５年までに「社会主義現代化」を基本的に実現させ、今世紀中ごろまでに「社会主義現代化強国」を建設するという目標や、米欧などと異なる独自の発展モデル「中国式現代化」も書き加えられ、習氏が掲げる方針が党規約に盛り込まれた。 　一方、「いかなる形の個人崇拝も禁止する」という文言は残った。この記述は、建国の父、毛沢東への過度な権力集中で文化大革命の混乱を招いた反省から１９８２年に加えられた。　【時事通信社】