がんの標準治療と言われている治療方法はこちらの3つ。
「手術」「放射線治療」「抗がん剤」。
この標準治療が終わった後にできる、「遺伝子パネル検査」という検査があるのをご存じでしょうか。
がんの標準治療は手術でがんを直接切除。放射線治療で、手術では切除しにくい場所のがんや広範囲のがんにアタック。
抗がん剤治療はいずれかの治療と平行して行われることが多いものの、「薬物耐性」によって使用していくうちに効果が薄れるため、次々と使う抗がん剤を変えて様子を見ていきます。
この3つが終了し、有効な抗がん剤が見あたらなくなった段階で、がんの標準治療が終了するのが一般的です。
一方の「遺伝子パネル検査」は、患者のがん細胞の特徴を読み取って『この患者に合う薬はあるのか?』を調べていく比較的新しい検査方法。
より多くの薬剤から自分に合うものを探していけるため、期待が寄せられています。
現状、効果のある薬剤が見つかる可能性は10%程度で、しかも新薬や研究薬ではなく従来の抗がん剤に薬効の可能性がある、と再発見される結果が多数だそう。
また現在、検査が実施できる施設が限定されていたり、検査から診断まで2か月程度を要すため、結果を待つ間に患者さんの容態が悪くなってしまう可能性もある等、必ずしも万能な検査だとは言えないようです。
ただし、中には薬効のある薬が見つかるなど、がん治療に対し、新たな選択肢が増えている、ということには違いありません。
3名(うち1名はご家族)とも幸運にも治療薬が見つかった方々でしたが、本来、標準治療ですべて終わってしまうところが、遺伝子パネル検査の存在を知っただけでも希望を持って過ごすことができた、とのことでした。
今後、がんゲノム医療が発展していくにしたがい、治療薬が見つかる割合がより高くなることが期待されています。
一度自分事として捉えて、がん医療の現状と向き合ってみるのもいいかもしれませんね。