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テレホーダイは死語?インターネットがカーライフにもたらしたものとは


早いもので、インターネットが一般に普及してから20年以上経過した。 自分自身、はじめてインターネットに触れたのがたしか1996年。もう四半世紀以上の前のことだ(愕然)。 これは面白そうだと、秋葉原でアウトレット品の富士通FM-VデスクトップPCを購入し、自宅にインターネット回線を引いたのが1997年の末。 常時接続はもう数年先のことであり、YouTubeで動画を再生しながらダラダラと過ごすなんて想像すらできない時代だ。 当時「テレホーダイ」というサービスを利用しないと通話料金が青天井で加算されていった。 しかし、このテレホーダイを利用することで、23時から翌朝8時まではインターネット使い放題になるという、当時としては夢のようなプランだった。 その結果、夜11時になると日本中のネットユーザーがいっせいに回線にアクセスして、ページの表示が遅くなるのでイライラ・・・みたいな毎日だった。 20代の方にとっては「?????」かもしれないが、お父さん世代の人たちはこんな感じだったのだ。 なるほど、インターネット老人会などとという言葉が生まれるわけだ。 ■20数年間でインターネットがカーライフにもたらしたものとは? 2000年代に入り、職場はもちろん、自宅にもインターネット回線を引く人が増えてきた。 そのうち、自分でホームページを立ち上げ、自慢の愛車やカーライフを紹介する人も増えていった。 「ホームページビルダー」というホームページ作成ソフトの存在が知られるようになると、さらにその流れが加速していったように思う。 ネットユーザーが増えていくにつれて、自然とコミュニティが生まれる。 mixiのようなSNSが普及するまで、ML(メーリングリスト)がコミュニティの形成によく使われていたように思う。 現在でいうところのLINEグループの原形のようなものかもしれない。 参加を許されたMLメンバー間のみでメールの中身を見ることができたり、やり取りが可能であった。 こうして、インターネットがなければ知り合うことができなかった人、と同時に「名前も顔もよく分からない人」との接点が生まれる。 次に行われたのが、いまでも続く「オフラインミーティング(通称オフ会)」だ。 ここで初めて・・・というか、ようやくMLメンバー同士が顔を合わせることになる。 初対面だけど、これまでのMLのやりとりで関係はできているだけに、既になんだか妙に気心が知れた間柄・・・という不思議な感覚を味わった人も多いと思う。 インターネットが普及したことで知り合えた人、手に入れたクルマや部品、果ては仕事まで・・・さまざまな恩恵が受けられたはずだ。 しかし、そこは世の常。そんなきれいごとばかりではない。 そこにはメリットはある一方で、同時にデメリットも存在する。 キリがないので5つに絞ったが、どれか1つか身に覚えがあるかもしれない。 ■インターネットがカーライフにもたらしたメリットとは? 1.端末ひとつあれば世界中から買い物ができる ひと昔前ならパソコンで、いまならタブレットやスマホさえあれば、検索して欲しいものが探せたり、購入できようになった。あまり語学力がなかったとしても、Google翻訳などを駆使すれば意外と何とかなることも多い。一例として、利用する・しないはともかく、eBayとはどんなものか?いちど見てみる価値はあると思う。 2.本来であれば出会えなかった人と知り合える 現在所有している愛車の前オーナーだったり、ファーストオーナーだったり、同じ趣味を持つ海外に住む外国人であったり・・・。例を挙げればキリがないが、インターネットがなければ知り合える、あるいは出会える確率がグッと低くなる(またはほぼ不可能)ことは間違いない。誰がいったか「愛車はコミュニケーションツール」は本当なのかもしれない。 3.探している情報が飛躍的に見つけやすくなった インターネットがなかった頃、使えない環境を想像してみてほしい。AE86レビン(前期)のGT-APEXとGTVってタイヤサイズ違うんだっけ?といった疑問にぶつかったとする。インターネットがあれば検索すれば一発で解決だが、ない場合は・・・カタログなどの資料を探すところからはじめなければならない。自宅になければ友人宅か図書館か・・・。ネット検索と同じゴールにたどり着くまで時間が掛かりそうだ。 4.自分のカーライフを気軽に発信できるようになった 自身で作成したホームページに加えて、ブログやSNS、YouTubeなど、あらゆる方法で自慢の愛車や自身のカーライフを発信できるようになった。その結果、これまでの情報源は雑誌か口コミだったものが、爆発的に情報量が増えた。そのなかにはメディアでは発信不可能なネタも含まれる。 5.旧車オーナーの駆け込み寺・セーフティーネットの確立 旧車およびネオクラシックカーオーナーを取材すると、純正部品の欠品や製造廃止で悩んでいる方が本当に多い。そんなオーナーたちのよりどころが、YAHOO!オークションをはじめとするネットオークションや、メルカリなどのフリマサイトだ。ただ、考えることはみな同じなので、争奪戦&共食いであることもしばしば・・・なのが辛い。 ■インターネットがカーライフにもたらしたデメリットとは? 1.世の中が非寛容になった? 「ネット文化=揚げ足取りの文化」という経験をしたことがあるかもしれない。ちょっとした間違いやミスを徹底的に攻撃したり、ひと昔なら「これくらいは・・・いいよね」といった投稿を許容しない風潮が年々強まっているように思えてならない。今後も刻々と変化するグレーゾーンを見極める必要がありそうだ。 2.情報の精度を見極めるスキルが求められる インターネットが普及する以前とは比較にならないくらい情報量が増えた分、「ホントかよ」と思うものも増えた。メンテナンス系の情報など、鵜呑みにすると危ないこともある。迷ったときはプレスリリースやカタログ、取扱説明書(インナー向け専門書も含む)、オフィシャルサイトで確かめるのがいいかもしれない。 3.コミュニケーション力が問われる? 日常的にSNSを利用している方であれば想像できるかもしれないが、「どこの誰かよく分からない相手と文字だけでコミュニケーションをとる」ことも少なくない。そのため、自分の意図したこととは違う意味で解釈されてしまうことも充分にありえる。日常生活以上にコミュニケーション力や空気を読むスキルが問われる世界だ。 4.良くも悪くも情報が拡散する 友人・知人を問わず、時事ネタ、SNSを通じて、涙なしにはいられないイイ話しもあれば、テメーコノー!*●$〒〆◆・・・(*自主規制)なものまで。日々、ありとあらゆる情報が怒濤の如く押し寄せてくる。1億総ジャーナリスト、総監視社会・・・挙げればキリがない。そういえば自分の記事も良くも悪くも拡散することがあり、フルボッコされることもしばしば・・・。 5.個人情報がダダ漏れになる可能性あり SNSなどに旅行先で撮影した画像をアップしたり、行動パターンが読める投稿をしたり・・・と思わぬカタチで個人情報がダダ漏れになることがある。どうしても発信したい!という人もいるだろうから、鍵アカウントにするなど、公開範囲を限定するのが得策だと思われる。 ■まとめ:インターネット賢者は自ら情報を発信しない? あくまでも感覚値かもしれないが、周囲のネットユーザー、なかでもヘビーユーザーであるほど自ら情報を発信しない人が多いように思う。 インターネットの怖さを知っているからこそ、積極的に情報は得ようとするが、リスク回避のために発信しないのかもしれない。 これがもっともクレバーなインターネットユーザーの在り方なのだろうか・・・。 ■余談:ヤフオクはもはや旧車オーナーの駆け込み寺? そして、旧車オーナー、ネオクラシックカーオーナーを含め「絶版車」を所有する方であれば、1度はヤフオクやメルカリ、eBayなどを利用したことがあるかもしれない。 今も昔も主戦場、駆け込み寺であることは確かだ。 しかし・・・車両本体の高騰に呼応するかのように、中古部品の相場も同様だ。 さらには仲間内で共食いになっているケースも少なからずあると聞く。 今後は同じクルマを愛する人たちのコミュニティに属し、有益な情報やお互いの部品のトレードするのが懸命かもしれない。 それにはまず「ギブ・アンド・テイク」の精神が不可欠といえるだろう。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]    ...続きを読む
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