File no. 112
《IL BISONTE/イル ビゾンテ》
ファッションの聖地として名を馳せるミラノを筆頭に、フィレンツェやローマなどの歴史的な芸術都市を有し、伝統と革新が共存する国、イタリア。
そんな同国には、ファッションと関係するもう1つの特別なプロダクツが存在する。
それは、世界最高峰と称されるイタリアンレザーを使用したアイテムである。
イタリアの本革加工の歴史は古く、独自の加工技術が発展し、国内の優秀な本革加工工場がしのぎを削ることで、世界に類を見ない高度な加工技術が誕生した。
そんなレザーの本場、イタリアにおいて、目の肥えた人々から信頼を集め、世界に認められたレザーブランド。
それはイタリアの至宝《イル ビゾンテ》だ。
創業者のワニー・ディ・フィリッポはフィレンツェにアトリエ兼ショップを構え、妻のナディアとともにレザー製品の創作活動をスタート。
1970年に《イル ビゾンテ》を創立した。
やがて彼のバッグを購入した人々からの口コミが広まり、アトリエ兼ショップは多くの人で賑わうようになる。
ブランド名の由来は、ワニーがいつも自分のトーテムだと感じている存在。
力強さと謙虚さ、勇気と活力の象徴であるバイソンに敬意を表し"ビゾンテ"と名付けられた。創業後も情熱的なものづくりに没頭するワニーは、1972年にピッティ・イマジネ・ドンナに参加し、大成功を収める。
1973年に変幻自在な「キャディバッグ」、1974年に「マレンマナ」、1976年には「ヴァガボンダ」など、時代を超えてブランドアイコンとなっている名作を次々に登場させた。
1980年代に入ると、ニューヨークの『バーニーズニューヨーク』や『ブルーミングデールズ』、『ベンデル』、『メイシーズ』などの名だたるセレクトショップに登場するようになり、1984年にはパリとミラノに初の路面店をオープン。
1985年には当時パリオネ通りにあったアトリエを拡大し、フィレンツェの革工業地区の中心に位置するポンタッシエーベに工場を設立した。
以降も生産と販売の双方で、着実なステップアップを続け、現在は世界有数のレザーブランドとしてファンを魅了し続けている。
《イル ビゾンテ》のバッグやアクセサリーは、フィレンツェの職人の揺るぎない伝統へのこだわりと、妥協なき手仕事から生み出される正真正銘のハンドメイドであり、メイド・イン・イタリーだ。写真のウォレットもその通り。
素材には、《イル ビゾンテ》を象徴するベジタブルタンニン鞣しの工程を経た、美しいオリジナルレザーが使用されている。