足首の捻挫を甘く見ていると、将来的に手術が必要になるかもしれません。手術まで行かなくとも、足首の捻挫がひざや股関節、腰などの痛みとなって出る場合もあります。足首の捻挫がどうして将来の手術の危険性をはらんでいるのか、詳しいメカニズムを見ていきましょう。
足首の捻挫で前距腓靭帯が切れる
前距腓靭帯は骨と骨をつなぐ役割を果たす靭帯の中でも、人が二足歩行をするようになって獲得したと考えられている足首の靭帯です。そして、足首の捻挫をしやすい人は前距腓靭帯に異常をおこしている可能性が高いといいます
サルは木に登る生物のため、足首に柔軟性が求められるもの。関節が緩やかにできています。しかし、人間は二足歩行を始めたため、安定していないとうまく歩けません。
そこで、進化の過程で手に入れたのが前距腓靭帯です。ヒトは効率よく歩くために前距腓靭帯を手に入れたのでした。そして、足首の捻挫によってこの前距腓靭帯が切れてしまうことがあるのです。
足首の捻挫放置で手術が必要な事態
前距腓靭帯が切れてしまうと、構造上は足首がグラグラになってしまいます。しかし、足首まわりには強靭な筋肉があるため、グラグラにならないように助けてくれているのです。
足首の捻挫を放置したままで加齢によって筋肉量が減ってくると事態は一変。グラグラのまま歩き続けることで、骨の間の軟骨がすり減ってしまうのです。最後は骨がむき出しになって、手術が必要な事態になってしまうのでした。
手術まで行かずとも、その影響はひざや股関節、腰などに影響が出る場合もあります。足首の捻挫で前距腓靭帯が切れた状態だと、ひどい筋肉疲労がふくらはぎに発生。正常な足首と比べて1.8倍も筋肉への負担が大きくなるのです。