病原菌やウイルスなど外敵の侵入を防いでくれる粘膜バリア。それに加えて、私たちの体の中には、体内に侵入した敵を倒し、健康を守ってくれる免疫細胞があります。そんな免疫細胞の要となるのがNK細胞。ウイルスや細菌などの外敵だけでなく、初期のがん細胞など内部の敵も撃退してくれるのです。
NK細胞が外から来るウイルスと戦う
免疫の主体は、私たちの体の中の血液やリンパ管、粘液の中をグルグル回っているリンパ球になります。免疫の正体とは、血液やリンパ管の中を流れているリンパ球なのです。
リンパ球には大雑把に分けると、2つのグループがあります。1つは軍隊のようなリンパ球。そして、このリンパ球には風邪に対抗する部隊や食中毒に対抗する部隊、インフルエンザに対抗する部隊など、戦う相手によってさまざまな部隊か存在。これら緊急時に出動する部隊は、リンパ球全体の7~8割を占めています。
リンパ球のもう1つのグループが、2~3割を占めるお巡りさん細胞です。毎日毎日、外から来るウイルスなどと戦っている最先端で働いているのがお巡りさん細胞。それがナチュラルキラー細胞、略してNK細胞と呼ばれるものです。
NK細胞が初期のがん細胞も撃退する
NK細胞は常に体内をパトロールしていて、ウイルスや細菌などが入ってきた場合、真っ先に駆け付けて撃退します。さらに、それだけではありません。NK細胞が強い人は、なかなか発がんしないのです。
逆に、NK細胞の弱めの人は発がん率が高くなることがわかってきました。これはNK細胞が初期のがん細胞も撃退しているということが最近の研究でわかったのです。体の内部の敵もNK細胞はやっつけてくれます。
実際にNK細胞が、がん細胞を撃退する瞬間をとらえた映像を見てみましょう。がん細胞のまわりにNK細胞が集まり、攻撃していることがよくわかります。NK細胞はまさに、免疫力の要なのです。
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