「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれる病気は、別名「COPD」とも呼ばれます。呼吸をしたくてもできない、その苦しさからまるで「陸で溺れるようだ」とたとえられるほどです。息苦しく、つらい病気なのです。慢性閉塞性肺疾患のおもな原因はタバコですが、タバコを吸わない人も安心できません。
慢性閉塞性肺疾患が年々増えている
慢性閉塞性肺疾患の患者数は、年々増え続ています。WHOによると、世界の死因ランキング第3位が慢性閉塞性肺疾患です。ちなみに2位は脳卒中、1位は虚血性心疾患となっています。
慢性閉塞性肺疾患のおもな原因はタバコ。そう聞くと「もうタバコをやめた」「タバコは一度も吸ったことがない」という人もいるでしょう。しかし、安心はできません。じつは慢性閉塞性肺疾患には思わぬ落とし穴があります。
タバコをやめても慢性閉塞性肺疾患は進行するもの。実際に病院へ来る患者には「10年前にタバコをやめた」「吸っていたのは20~30の10年間くらい」という50~60代が多いといいます。
受動喫煙によって慢性閉塞性肺疾患
たとえいまはタバコをやめていても、そのときの炎症が肺の奥でくすぶり続け、肺の奥で悪さをするのです。さらに、タバコを吸ったことがない人でも、慢性閉塞性肺疾患と同じような症状の人が相当います。
つまり、慢性閉塞性肺疾患はなりやすい人がいるということ。なりやすい人はほかの原因でも、慢性閉塞性肺疾患になりうるというわけです。タバコを一度も吸ったことがない人でも、大気汚染や粉じん、受動喫煙などによって、肺に炎症をおこしてしまうケースがかなり多いのです。
つまり、タバコをいまや吸っていなかったり、タバコを吸った経験が一度もない人でも、慢性閉塞性肺疾患になる可能性があるということ。安心することはできないのです。
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