ボーダー柄のTシャツやカットソーにどんな印象をお持ちでしょうか? かっこいいというよりかわいい、大人っぽいというより子どもっぽい、男性より女性が似合う。そんなイメージではないでしょうか。シーズンでいうと、サラリと一枚で着られる春夏を連想する人が多いはずです。
これからの季節にボーダー柄のTシャツは着ないよね、と思っているあなた。そんなことありません。むしろ、大活躍します。
■ボーダー柄は太って見えるんじゃないの?
実はユニクロでも男性向けに、秋・冬・春の3シーズンで長袖の白を基調としたウォッシュボーダーTシャツを取り扱っています。毎年マイナーチェンジをほどこし、時代に合わせたディテールにアップデートしているアイテムです。
定番アイテムを扱うユニクロが、年間を通じてボーダー柄のTシャツを展開している事実。これは、男性が季節を問わず着られるトップスとして安定した人気を保っていることの裏付けでもあります。
昔から言われている「ボーダー柄は太って見える」は、もはや都市伝説です。むしろ、ボーダー柄は身長が高く見えると心理学(錯視)の世界では証明されています。同じ面積の正方形に縦じまと横じまの線を入れると、横じまのほうが縦長に見えます。これは「ヘルムホルツ錯視」と呼ばれているものです。
わたしがのべ4000人以上の買い物に同行した経験からわかったことは、お腹が“丘”のようにポッコリと出ている人に限っては、ボーダー柄にゆがみが生じお腹が目立ってしまうということ。それはサイズ選びで緩和できる問題です。無理にぴたぴたのサイズを選ばなければ、ボーダー柄で太って見えることはありません。
■秋冬なのに白ベースのボーダーってどうなの?
「でも、秋冬なのに白が基調のボーダー柄Tシャツって寒そうじゃない?」
こんな声が聞こえてきますね。秋冬は自然と暖色系のコーディネートに偏ってきます。明暗はやや暗めに揃えて重厚感を出す──そんなセオリーがあると思われがちです。
秋冬の服は春夏のそれと比べる印象が重くなります。全身の挿し色として白をベースにしたボーダー柄を取り入れると、コントラストによりメリハリのある一線を画したコーディネートになります。そう、ボーダー柄のTシャツは、Gジャン、デニムシャツ、カーディガンなどアウターの種類を問わず、インナーとして活躍するアイテムなのです。
ユニクロで扱っているウォッシュボーダーT(長袖)のコットン生地はずっしりと肉厚。ヒートテックを重ねると、肌寒いくらいの季節であれば一枚でしのげるほどです。秋にはデニムシャツを合わせるだけでサマになりますし、冬であれば厚手のダウンジャケットの下に着ることもできるでしょう。
なお秋冬のボーダーには、Vネックではなく丸首を選ぶこと。Vネックは首元の開きを意識させるデザインです。これがコットンのカットソーだったら、さすがに寒そうに見えてしまいます。
ユニクロのウォッシュボーダーT(長袖)は1990円。これでほぼすべてのシーズンに着られるのなら、お買い得ですよね。
■大人の男性は何色のボーダー柄を選ぶべき?
ボーダー柄の幅や色合いも、選ぶときのポイント。地の色と線の色が等間隔のものだと、囚人服のように見えてしまいます。色の組み合わせで言うと、白地に赤のボーダー柄では海賊、青地に白のボーダー柄だとベネチアのボート乗りみたいになってしまいます。もちろん、ファッションにテーマを持たせてあえて囚人風やコアなマリンテイストを狙うならば問題ありません。
わたしが推奨するボーダー柄は白地にブルーもしくはネイビーの線が入っているタイプ。ほどよいマリンテイストのこのボーダー柄は、大人の男性をさわやかに見せてくれます。ユニクロでも定番で展開されている柄です。
ボーダー柄は長い歴史のあるデザインのため、世間が持っているイメージにも根強いものがあります。そのなかで「太って見える」「秋冬に白地のボーダーは季節はずれ」、このふたつは盲目的に信じられてきたものです。ぜひ、騙されたと思って(?)取り入れてみてください。
【関連書籍】『男の服選びがわかる本』(池田書店)