フランスのパリといえば、美しい街並みにグルメやアートが魅力的な都市です。
今回は、そんなパリ観光の強い味方となるパリ・ミュージアム・パスについて解説します。対象となる施設のおすすめも6つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
パリ・ミュージアム・パスとは
「パリ・ミュージアム・パス(Paris Museum Pass)」とは、 パリ市内とパリ郊外にある50以上の美術館や観光スポットで利用できるフリーパス です。1か所に1回限りですが待ち時間なく入場できるようになり、有効期限内に多くの施設を訪れるほどお得になるという大きなメリットがあります。
種類・購入場所
パスには紙のチケットと電子チケットのEチケットがあり、2日・4日・6日の3種類の有効期限から選べます。 使い始めた日から連続した期間で有効期限が設定されるので、途中で他の郊外に行くツアーを挟まないようにスケジュールを立てましょう。
パスは日本にいるときから公式サイトから購入できますが、英語かフランス語での対応が不安という方もいるでしょう。そこで おすすめなのが「パリ・ミュージアム・パス ジャポン」という日本の代理店のサイトでの購入 です。しかし、代理店で購入しても紙のチケットはフランスからの発送となります。最低でも届けてほしい日の7営業日前には申し込みを完了させておく必要があり、送料の分だけ割高となるデメリットが発生します。
特にこだわりがない場合、購入後すぐにメールでチケットのPDFファイルが送られてくるEチケットを購入しましょう。
使い方
購入したパスの 使い方は、利用できる施設の入口で提示 するだけです。Eチケットはスマホの画面に表示させるか、印刷したものを持ち込みます。ただし、ルーヴル美術館やヴェルサイユ宮殿などの一部の施設では入場する時間の予約が必要です。手元にパスがあれば各施設の公式サイトから無料で行えるので、予約し忘れに注意しましょう。
【パリ・ミュージアム・パスの料金(2023年7月23日時点)】
<公式サイトでの購入>
- 2日間:55ユーロ
- 4日間:70ユーロ
- 6日間:85ユーロ
<パリ・ミュージアム・パス ジャポンでの購入>
- 2日間:10,400円(税込)
- 4日間:13,200円(税込)
- 6日間:15,900円(税込)
- 紙のチケットは別途送料が必要
https://parismuseumpass-japon.com/
対象施設のおすすめ6選を紹介
かつては宮殿だった世界最大規模の美術館「ルーヴル美術館」
「ルーヴル美術館(Musée du Louvre)」は、かつてルーヴル宮として使われていた建物にガラスのピラミッドがある景観が美しい世界最大の美術館の1つです。
まる1日かけても鑑賞できないほど作品数が膨大であるため、見たい作品の場所を事前に確認しておく必要があります。必見は 『モナ・リザ』 や 『ミロのヴィーナス』 、 『ナポレオン1世の戴冠式』 といった世界的にも有名な作品たちで、余裕があるなら リシュリュー翼2階の「ナポレオン3世の居室」 にも足を運んでみてください。かつて宮殿だったときの姿が残されており、金やベルベットなどで装飾された豪華なサロンやダイニングルームを見学できます。
【基本情報】
- 営業時間(月曜・水曜・木曜・土曜・日曜):9:00〜18:00
- 営業時間(金曜):9:00〜21:45
- 休館日:火曜日
- チケット料金:オンライン17ユーロ、美術館15ユーロ、18歳未満は無料
- 毎月第1金曜の18:00以降は全員無料(7月・8月を除く)
- オンラインで入場時間帯の予約が必須
駅の建築空間を利用した印象派の作品中心の「オルセー美術館」
「オルセー美術館(Musée d'Orsay)」は、1900年のパリ万博に合わせて建設されたオルセー駅兼ホテルを再利用し、19世紀の美術を展示する美術館として1986年に開館させた美術館。ルーヴル美術館と並んでパリを代表する美術館で、印象派の作品を中心にコレクションが集められています。
代表的な作品は、 ゴッホの『自画像』 や ゴーギャンの『美しきアンジェール』 、 マネの『オランピア』 などが挙げられます。鑑賞後には2階にある豪華な内装のレストランか、幻想的な水中世界をイメージした5階のカフェでの休憩がおすすめです。
【基本情報】
- 営業時間(火曜・水曜・金曜・土曜・日曜):9:30〜18:00
- 営業時間(木曜):9:30〜21:45
- 休館日:月曜
- チケット料金:オンライン16ユーロ、美術館14ユーロ、18歳未満は無料
モネの大作『睡蓮』が飾られた大広間がある「オランジュリー美術館」
印象派のモネのファンにイチオシなのが、「オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)」です。元々チュイルリー宮殿のオレンジ用の温室だったことからこの名称が付けられ、ルノワールやセザンヌ、ピカソといった巨匠たちの作品も鑑賞できます。
館内の1番の見どころは、 2つの楕円形の大広間で展示されているモネの代表作である『睡蓮』の8点 。壁の四方いっぱいに飾られた作品たちはモネが最も光の変化を追求した大作であり、天井から入る自然光と相まって神秘的な雰囲気を感じるでしょう。
【基本情報】
- 営業時間(月曜・水曜〜日曜):9:00〜18:00
- 休館日:火曜
- チケット料金:12.5ユーロ
- 毎月第1日曜は全員無料
- オンラインで入場時間帯の予約が必須
https://www.musee-orangerie.fr/en
パリ最古のステンドグラスが幻想的な「サント・シャペル」
「サント・シャペル(Sainte chapelle)」は、セーヌ川の中洲であるシテ島に建てられたゴシック様式の礼拝堂です。キリストの聖遺物「いばらの冠」と十字架の木片を収容するために造られました。
礼拝堂は上下2層の構造となっており、 両脇の螺旋階段の先にある上層が必見 ポイント。鳥かごのように配置された15個の窓一面にステンドグラスが燦然と輝く、荘厳で幻想的な空間に圧倒されます。描かれているのは聖書に出てくる1,113の場面で、これらの3分の2のガラスが13世紀に作られたパリ最古のものです。時間があるなら、有名なエピソードの場面を探してみるのも面白いでしょう。
【基本情報】
- 営業時間(4月〜9月):9:00〜19:00
- 営業時間(10月〜3月):9:00〜15:00
- 休館日:1月1日、5月1日、12月25日
- チケット料金:11.5ユーロ、18歳未満は無料
- 1月・2月・3月・11月・12月の第1日曜は全員無料
- オンラインで入場時間帯の予約が必須
https://www.sainte-chapelle.fr/en
輝かしいフランスの黄金時代の象徴「ヴェルサイユ宮殿」
一生に1回は訪れたいスポットといえば、「ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)」でしょう。太陽王ルイ14世の命により建設が始まり、王の絶対的な権力を示すために贅沢の限りが尽くされた絢爛豪華な空間がいくつも造られました。
最も有名な 「鏡の回廊」をはじめ、宮殿内はどこもかしこも見どころばかり です。マリー・アントワネットのファンなら 「プティ・トリアノン」 と呼ばれる離宮にも足を運びましょう。繊細で軽やかながら上品な内装と、裏側の小川や洞窟などがある庭園から、派手好きと言われた彼女からは想像できない落ち着いた空間が広がっています。
【基本情報】
- 営業時間(火曜〜日曜):9:00〜18:30
- 休館日:月曜、1月1日
- チケット料金:28.5ユーロ(ヴェルサイユ宮殿のみの場合は19.5ユーロ)、18歳未満は無料
- オンラインで入場時間帯の予約が必須
https://en.chateauversailles.fr/
フランスの歴代君主が愛した「フォンテーヌブロー宮殿」
「フォンテーヌブロー宮殿(Château de Fontainebleau)」は、歴代の君主たちに愛された宮殿。何度も建物の継ぎ足しが行われたために、中世から19世紀初頭までの建築様式の博覧会会場のようなスポットでもあります。
内部には 「フランソワ1世の回廊」 や 「三位一体礼拝堂」 を筆頭に、圧巻の空間がテーマを変えて広がっています。ナポレオン1世もこの宮殿に魅了された1人で、彼が改修させた 「玉座の間」 が現存しており、こちらも必見。また、10年間の治世で集めたコレクションを10の部屋にまたがって展示している 「ナポレオン1世博物館」 も見応えがあります。
【基本情報】
- 営業時間(4月〜9月):9:30〜18:00
- 営業時間(10月〜3月):9:30〜17:00
- 休館日:火曜、1月1日、5月1日、12月25日
- チケット料金:14ユーロ、18歳未満は無料
- 毎月第1金曜の18:00以降は全員無料(7月・8月を除く)
https://www.chateaudefontainebleau.fr/en/
パリ・ミュージアム・パスでお得にパリを満喫しよう
パリは世界中から観光客が集まり、人気の観光スポットでは現地のチケット購入に手間取ってしまうこともあります。パリ・ミュージアム・パスを使うと直接入口に向かえるようになり、料金以外にも時間の節約が見込めます。
パリ観光の計画を立てる際には、ぜひパスの利用を検討してみてください。
出典・参考
C.Wakisaka
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。