夏が旬のピーマン。しかしスーパーの店頭には通年出回っており、安価で栄養価が高いためいつ買っても決して損はない優秀食材です。そんなピーマンの買うべき理由を管理栄養士が解説します。
ピーマンに関する基礎知識
ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜。もともとは高温を好む野菜のため夏に収穫されていました。現在はハウス栽培が進んだことにより、年間を通して店頭に並んでいます。
濃い緑色のビジュアルが特徴ですが、これは未熟なうちに収穫しているもの。収穫せずに完熟させると黄色やオレンジ、赤いピーマンになります。ピーマンと似た野菜でパプリカがありますが、パプリカとピーマンの違いははっきりとはしていません。果肉が薄くて細長い形をしており、食べると苦味があるものがピーマン、肉厚で食べると甘いものがパプリカとされているようです。
わたや種も食べられるって知ってる?
ついつい捨ててしまいがちなピーマンのわたや種ですが、実は食べられることをご存知でしょうか。ピーマンのわたや種には「ピラジン」という、血液の流れを促したり動脈硬化を防いだり、生活習慣病予防に効果が期待できる成分が含まれています。しかも、このピラジンはピーマンの緑色の部分には含まれない成分なのです。ただし苦味が強い部分であるため、食べる際は油で炒めてしっかり味付けをする、中華料理などの調理法がおすすめです。
ピーマン嫌い必見!切り方で苦味が減る
ピーマンといえば独特の苦味があるため、子どもの嫌いな野菜ランキングでも常に上位に挙がりますよね。実は、ピーマンの苦味は切り方次第で抑えることができます。
ピーマンを縦に半分に切ったら、繊維に沿って縦に切りましょう。横に包丁を入れて繊維を断ち切ってしまうと苦味の成分が出やすくなります。繊維を切らないようにするのが苦みを抑えるコツ。また、多めの油で炒めるように調理すれば、ピーマン嫌いも食べやすいはず。試す価値ありですよ!
ピーマンが「買い」な理由
さて、ここからはピーマンが本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
"買い"ポイント1:栄養たっぷり
ピーマンの中で最も特筆すべき栄養素はなんといってもビタミンC。通常は加熱すると壊れやすいビタミンCですが、ピーマンに含まれるビタミンPという成分が熱によってビタミンCが破壊されるのを防いでくれます。そのため、ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくく、効率よく摂取できるという嬉しい特徴があります。
夏は紫外線をたくさん浴びて、肌細胞が傷みがち。ビタミンCはメラニンの生成を抑制したり、たんぱく質と一緒に摂ったりすることで、皮膚を構成するコラーゲンの合成を助けるなど、肌を美しく若々しく保つのに重要な栄養素です。
そのほか、免疫力を高めるβカロチンや抗酸化作用のあるビタミンEなど、まさにビタミンの宝庫といえます。
"買い"ポイント2:とにかく年中安い
ピーマンは先述のように年間を通して収穫できる野菜。スーパーでよく見かけるピーマンは、1袋に4個〜5個程度入って100円前後とリーズナブル。栄養たっぷりなことを考えると、かなりコスパの良い野菜といえます。
生のまま冷凍保存も可能なため、とりあえず使う予定がなくても安売りのピーマンを見かけたらゲットして。使いやすい大きさにカットして、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍すれば、1カ月保存が可能です。使うときは凍ったまま加熱すればOK。食卓に彩りが足りない時は、冷凍ピーマンが便利ですよ。
"買い"ポイント3:レシピバリエーションが豊富
青椒肉絲や酢豚など中華の炒めものはもちろん、天ぷらやフライなどの揚げ物、ピーマンの肉詰めに代表されるような焼き物、副菜ならばきんぴらやマリネ、煮浸しなど、料理のバリエーションが豊富なピーマン。その上、鮮やかな緑色で料理に彩りを与えてくれるという嬉しい点も。
またピーマンは生でもおいしく味わうことができます。ピーマンの苦味が好きな人なら薄切りにして水にさらし、かつお節やポン酢をかけて食べるのがおすすめです。
ピーマンの良さをいかしたレシピを紹介
「やみつきツナピーマン」
最後に、作り置きもできるピーマンを使ったお手軽レシピをご紹介します!
材料
ツナ缶 1缶(70g)/ピーマン 3個/にんにくすりおろし 小さじ1/2/鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1/2/黒こしょう 少々/ごま油 小さじ2
作り方
1. ピーマンは縦半分に切り、へたと種を取り除いて太めの千切りにする。
2. 耐熱ボウルに水気を切ったツナと他の全ての材料を入れ、ラップをかぶせて電子レンジ(600W)で1分30秒加熱する。
栄養価が高く、レシピのバリエーションも豊富なピーマン。ぜひいろいろな料理で試してくださいね。