鶏むね肉といえば、節約食材の代表格。家計を助けてくれるものの、「パサパサ」「ジューシーさに欠ける」といった感想を持っている人も少なくないでしょう。しかし、実はちょっとしたひと手間でパサパサ感を解消することができます。もも肉よりも手頃な価格のむね肉の使い方をマスターしておいしくいただきましょう!
管理栄養士が解説! 鶏むね肉の栄養
鶏むね肉に含まれる栄養素の中で、もっとも特記すべき点は良質なたんぱく質を含むという点。「たんぱく質」は「糖質」「脂質」と並ぶ三大栄養素のひとつで、筋肉や内臓のほか、髪や肌を作るために欠かせない栄養素です。
たんぱく質はアミノ酸で構成されていますが、鶏むね肉にはアミノ酸の中でも人間が体内で作ることのできない「必須アミノ酸」がバランスよく含まれています。特に脂肪肝の予防に効果が期待できる「メチオニン」が多く含まれています。
ビタミンの中では、ビタミンB群の仲間である「ナイアシン」を多く含みます。ナイアシンは、食事から摂った糖質やたんぱく質、脂質からエネルギーを作るのを手助けする働きをしてくれます。
鶏むね肉は、カロリーや脂質が少ないというイメージを持つ人も多いかもしれません。確かに、部位にもよりますが牛肉よりや豚肉に比べて脂質が少ないものの、鶏の皮、そして皮と身の間には脂質が多いため、気なる人は取り除いてから調理するとヘルシーに仕上がります。
監修: 管理栄養士 尾花友理
鶏むね肉が柔らかくなるテクニック!
今回はレシピブロガーのゆきりちさんに、鶏むね肉が柔らかくなる方法を伝授していただきます。「鶏むね肉を柔らかくジューシーに調理できるメニューはから揚げです。やわらかジューシーに仕上げるポイントは下処理と衣にあります」とゆきりちさん。そのポイントは以下の3つです。
1.フォークでもも肉全体に穴を開ける
ポイントは肉だけでなく、皮も穴を開けておくこと。肉の焼き縮みを防ぐことができます。また、下味が染み込みやすくなりますよ。
2. ヨーグルトに漬け込む
鶏むね肉に穴を開けたら、ヨーグルトに漬け込みましょう。鶏むね肉のパサパサ感が和らぎ、柔らかくなります。
3.衣にたまごを絡ませる
唐揚げといえば、やわらかさだけではなくジューシー感も重要。衣にたまごを絡ませることで、肉汁が漏れ出すのを防止してジューシーに仕上げることができます。
これらのポイントを踏まえて、ゆきりちさんが提案するレシピは「カレー味のタンドリーチキン風のから揚げ」。ヨーグルトに漬け込むということで、タンドリーチキン風の味付けに仕上げたから揚げです。ジューシーさとサクサク食感、加えてスパイスの香り…と食欲を刺激しまくってくれる一品です。
おすすめレシピ「カレー味のタンドリーチキン風の唐揚げ」
材料(2人分)
鶏むね肉 1枚(300gくらい)
下味(プレーンヨーグルト 大さじ2 / カレー粉 大さじ1 / すりおろしニンニク 小さじ1 / しょうが 小さじ1 / 塩 小さじ1 / こしょう 小さじ1)
衣(溶きたまご 1個 / 小麦粉 大さじ2 / 片栗粉 大さじ)
作り方
1. 鶏むね肉全体にフォークで穴を開け、一口大に切る。
2. 保存袋に1と下味用材料を入れ、まんべんなく混ぜ合わせ、30分以上冷蔵庫で寝かせる。※できれば半日以上寝かせるのがおすすめ
3. 衣の材料全てをボウルに入れて混ぜ合わせ、2を投入してさらに混ぜ合わせる。
4. 揚げ油を170℃に熱し、3分程度揚げる。
5. 一度取り出し、3分ほど休ませ余熱で火を通す。
6. 唐揚げを2度揚げする。揚げ油を180℃に熱し、1分程度揚げる。
衣は小麦粉と片栗粉のダブル使いと、二度揚げでサクッと食感に。たまごを混ぜることで、肉汁流出を防止し、ジューシーな唐揚げに仕上がります。ガラムマサラがあれば、下味にプラスするとよりスパイシーになって大人向けになりますよ。
鶏もも肉よりも価格が手頃なだけではなく、栄養価的にも健康な体づくりに欠かせない良質なタンパク質を摂取できるというメリットがある鶏むね肉。おいしく調理するテクニックをマスターして、ぜひ節約食材として活用してみてください。