今年で東日本大震災から8年が経ちます。震災で休業を余儀なくされた東北のブルワリーが集結し、「支えてくれたクラフトビールファンに恩返しがしたい」という想いからスタートした「東北魂ビールプロジェクト」を知っていますか?
この「東北魂ビールプロジェクト」に参加するブルワリーがつくるビール『春霞IPA』が、2019年3月6日(水)から販売スタートしました。
今回は、ビールの特徴や「東北魂ビールプロジェクト」の活動についてたっぷり解説。また、ブルワーさんのインタビューも掲載します!
東北魂ビールプロジェクトとは
2011年3月に起きた東日本大震災で被害を受けたブルワリーが、当時支えてくれた人たちへの恩返しを目的に発足したのが「東北魂ビールプロジェクト」。当初は「いわて蔵ビール」「秋田あくらビール」「福島路ビール」の3ブルワリーのみでスタートし、現在は9つのブルワリーが参加しています。いわて蔵ビール(岩手)/福島路ビール(福島)※今回は参加なし/秋田あくらビール(秋田)/仙南シンケンファクトリー(宮城)/遠野麦酒ZUMONA(岩手)/やくらいビール(宮城)/田沢湖ビール(秋田)/さくらブルワリー(岩手)/スプリングバレーブルワリー(東京)
プロジェクト参加ブルワリーは年に数回、情報交換を兼ねた勉強会や仕込み実習を行っています。また、キリンビール仙台工場の協力のもと、ホップペレットの工場見学やビールの数値分析もスタートしました。
違うのはホップだけ!ほぼ同じレシピでつくられた『春霞IPA』
今回は「第11回東北魂ビールプロジェクト」として、ブルワリー8社がほぼ同じレシピでビールを醸造。さらに、ホップ配合パターンを変えて味の分析をし、違いを学ぶのがテーマです。・グループB(いわて蔵ビール、遠野麦酒ZUMONA、さくらブルワリー):Equinox
・グループC(秋田あくらビール、田沢湖ビール、スプリングバレーブルワリー):Simcoe
使用するホップをA~Cの3グループに分けたのち、共通ホップとして「Galaxy+IBUKI」を加えます。こうして生まれたのが『春霞IPA』。レシピはほぼ同じですが、配合するホップや醸造方法、設備によって味にそれぞれの個性が生まれるのが興味深いところです。
8人のブルワーさんにインタビュー!『春霞IPA』の魅力を語ってもらった
『春霞IPA』を醸造したブルワーさん8人の生の声をお届け! それぞれのブルワリーならではの解説や、ビール女子の皆さんへのメッセージをいただきました。いわて蔵ビール:後藤考紀さん
そして、ビール女子の皆さんにはぜひ、桜の葉を使用した『桜嵐IPA』も飲んでいただきたいです! 桜餅のような香りのする、春限定ビールですよ!
秋田あくらビール:長谷川信さん
また、当社でつくっている『秋田美人のビール』もおすすめ。これはポリフェノールを残す特殊な醸造方法でつくっているので、コラーゲンの破壊を抑制する効果が期待できる、女性に人気のビールなんです!
仙南シンケンファクトリー:岡恭平さん
私たちはIPAやペールエールだけでなく、女性でも飲みやすいヴァイツェンなども醸造しているので、ぜひ飲んでみてくださいね!
遠野麦酒ZUMONA:坪井大亮さん
地元・遠野はホップの産地。当社ではヴァイツェンがイチオシのビールです!
やくらいビール:畠山崇裕さん
私たちは震災を風化させたくないという想いで『復興エール』をつくっています。「東北魂ビールプロジェクト」の活動も、もっとたくさんの方に知っていただきたいです!
田沢湖ビール:佐々木純一さん
トロピカルな味わいは女性にも気に入っていただけるのではないでしょうか。
さくらブルワリー:スティーブン・マイケル・バットランドさん
スプリングバレーブルワリー:古川淳一さん
ぜひいろいろなブルワリーの味を飲み比べてみてくださいね!
SVB東京では東北の食材を使用したフードの提供も
スプリングバレーブルワリー東京では、『春霞IPA』のレギュラーサイズ(360ml)が1杯・1,180円(税込)で飲めるほか、他のブルワリーがつくった『春霞IPA』との飲み比べも! さらに、1杯あたり10円が東北の震災復興の一環として活用されます。また、東北の食材を使用したフードの提供もスタートしました。『春霞IPA』とのペアリングもぜひ楽しんでくださいね。
『春霞IPA』
- ○発売日:2019年3月6日(水)
○販売場所:SVB東京をはじめ、全国の飲食店
○アルコール度数:7.0%
○醸造場所:東北魂ビールプロジェクト参加8社
○原材料:大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ、オーツ麦
東北ブルワリーの想いを感じながら『春霞IPA』を味わおう
「東北魂ビールプロジェクト」の活動や、それによってつくられた『春霞IPA』には、東北ブルワリーの強い思いが込められています。なにより、同じレシピのビールでもつくり手によって違った味になるのはとても面白い試みです。震災復興のかたちにはいろいろありますが、「東北魂ビールプロジェクト」もそのなかの一つ。
「私たちができる最良の恩返しは、よりおいしいビールをつくること」と考えるブルワリーの想いを感じながら、ぜひ『春霞IPA』を手に取ってみてくださいね。