カナダで子役として人気を博していたグザヴィエ・ドランが初映画監督作を撮ったのが19歳、その後23歳に『わたしはロランス』で世界中を虜にし、25歳では『Mommy/マミー』でカンヌ審査員賞に輝いた。

毎回驚くべき芸術性と感受性で映画ファンに驚きと感動をもたらしてきた彼も今や31歳―いや、まだ31歳の若さと言うべきか。

しかし本作、登場人物の年齢こそ皆若いものの、映画の作風自体は過去の作品とは一線を画した落ち着きと円熟味を帯びたものとなっている。

幼なじみの2人の青年役にドラン監督本人とガブリエル・ダルメイダ・フレイタス。

ある出来事を契機に互いに対する秘めた想いに気付いて、その友人関係をギクシャクさせてしまう2人

それぞれの些細な言動の節々に現れる繊細な心理描写は監督のお手の物、見応え十分だ。

実は本作、青年と少年のひと夏の美しい同性愛を描いて話題になった『君の名前で僕を呼んで』ドラン監督自身がインスパイアされて制作したという映画

実際に監督がプライベートでも気心知れた仲間たちをキャストに起用したためか、主演2人を含む友人たちの明るい、時にシリアスなやり取りは演技に見えないほどリアルで、若さの華やかと甘酸っぱさを見事に体現する。

これまでその独創性と新規性で映画ファンを唸らせてきた若き天才監督。

本作は、そんな監督が自らのキャリアの中である意味一周し、どこよりも落ち着くホームを描いたような、原点回帰の愛しさに溢れた映画と言えるかもしれない。

 

『マティアス&マキシム』 あらすじ

マティアスとマキシムは30歳で幼馴染。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。

■監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
■出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク 他
■提供・配給:ファントム・フィルム

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記事名:「【レビュー】秘めた想いと友情の間で揺れ動く、美しき青年たち―『マティアス&マキシム』