埼玉県は7日、上尾市の病院で入院患者に提供された食事で、72人の集団食中毒が発生したと公表。
トレンドニュースキャスター取材班は、県の食品安全課などから、詳しい話を聞いた。
ウエルシュ菌による食中毒
埼玉県食品安全課によると、上尾市の上尾中央総合病院で、1日の午前8時と昼12時に、入院患者に提供された食事で72人が体調不良を訴えた。
患者は、30代から80代までの男女で、主な症状は下痢や腹痛。
患者の便から「ウエルシュ菌」が検出されたため、ウエルシュ菌による集団食中毒と断定した。
なお、患者は全員快方に向かっている。
原因食品を調査中
患者が当日、共通して食べたメニューは、ひじきの煮物、だいこんのとろみ煮、里芋と野菜の含め煮、麻婆春雨など。
現在、具体的に何が食中毒の原因になったかについて、保健所が調査中だ。
食品安全課の担当者は、トレンドニュースキャスターの取材に「当日に食事をした人数は、481人なので、食中毒患者が多少増える可能性はある」と話した。
提供業者に営業停止命令
埼玉県は、食事を提供した業界最大手の日清医療食品に、食品衛生法違反があったとし、7日から9日まで、営業停止命令を出した。
日清医療食品は「発症された患者様とそのご家族様には、多大なる苦痛とご迷惑をお掛けしましたことを心より深くお詫び申し上げます」とコメント。
別名「給食病」
ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれている。
給食用のスープや前日に調理したカレーなど、大鍋で大量に作ったものが原因になりやすいからだ。
具体的な予防策としては、以下の4つがあげられる。
- 「喫食までの時間を短くする」
- 「加熱調理後に速やかに10℃以下に冷却するか、55℃以上で保管する」
- 「よく混ぜながら調理する」
- 「調理後の食材は小分けにして保存する」
これらの予防策を適切に行うことで、ウエルシュ菌による食中毒を防ぐことが可能だ。