SNS上でトレンド入りしている「ウエルシュ菌」。
2022年5月には、愛知県春日井市の配達弁当店が提供した弁当に、ウエルシュ菌が含まれており、267名が食中毒を発症した。
カレーの作り置きなどで増殖する、ウエルシュ菌の注意すべき点とは…。
別名給食病
ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込みなど、大鍋や大釜で大量に調理し、作り置かれていた食品を原因とした事故発生例が多い。
主な症状は腹痛と下痢で、ウエルシュ菌を摂取後に症状が出るまでの時間は、6~18時間。
なかなか死滅しない
ウエルシュ菌は、ヒトや動物の大腸内常在菌で、下水、河川、土壌等、自然界にも広く分布している。
なお、食中毒の原因となるウエルシュ菌は、100℃で1~6時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、大鍋・大釜での加熱調理の際でもなかなか死滅しない。
また、ウエルシュルシュ菌は、空気(酸素)がない、もしくはとても少ない状況で増殖する菌。
そのため、加熱調理により他の細菌が死滅し、酸素が抜けた状態の大鍋・大釜の中は、増殖に適した環境となる。
そして、作り置きなどで増殖に適した温度帯(12~50℃)に長く置かれると、食品中で発芽し、急速に増殖する。
予防するためには…
各地の保健所は、ウエルシュ菌食中毒を予防するために、①「喫食までの時間を短くする」、②「加熱調理後に速やかに10℃以下に冷却するか、55℃以上で保管する」。
③「よく混ぜながら調理する」、④「調理後の食材は小分けにして保存する」ことを呼びかけている。