
山田裕貴(34)の主演映画「ベートーヴェン捏造」(関和亮監督、9月12日公開)プレミアムナイトが20日、東京・丸の内ピカデリーで行われた。ベートーヴェンを演じ、ドイツ人の役に初挑戦した古田新太(59)は壇上で「明日、大阪城の役をやるんだよ! 人でもなくなったよ!」と口走り、場内を笑わせた。
「ベートーヴェン捏造」は、19世紀にウィーンで起きた音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った、文筆家かげはら史帆氏の歴史ノンフィクション「-名プロデューサーは嘘をつく」(河出文庫)を映画化。バカリズム(49)が同氏とやりとりを重ね、当時のシンドラーの知名度やベートーヴェンの立ち位置、食生活などの疑問まで取材して脚本を作り上げた。山田は、古田が演じたベートーヴェンのイメージを天才だと“捏造(ねつぞう)”した忠実な秘書シンドラーを演じた。
古田は「意外にベートーヴェンに見えるもんでしょ? 我々の想像するベートーヴェン、結構、嫌なヤツ」と言い、笑った。俳優陣はこの日、劇中で着用した衣装を着用していたが、劇中で描かれた19世紀に近い時代のものを製作陣がチョイスした。古田は、1930年のスモーキングジャケットを着ていたが「クソ暑いんだよ、これ! みんな普通の生地なのに。メッシュとかでやってくれないかな 役に入ったことないから、分かんねーよ」とぼやいた。山田は「役に入ったことはないと良いながらと言うのも失礼ですけど、立っているだけで面白い」と笑った。
この日は染谷将太(32)神尾楓珠(26)前田旺志郎(24)小澤征悦(51)小手伸也(51)野間口徹(51)も登壇した。
◆「ベートーヴェン捏造」 しがないバイオリニストのシンドラー(山田裕貴)は憧れの音楽家ベートーヴェン(古田新太)に出会い秘書となるも、聖なる孤高の天才のはずが実際は下品で癇癪持ちの小汚いおじさんだった。「彼を支えられるのは自分しかいない」と忠実に働くが、ベートーヴェンの弟ヨハン(小澤征悦)の差し金もあり「交響曲第9番『合唱付き』」(第九)の初演を成功させたにも関わらず2人の仲は決裂。ベートーヴェンは最愛の甥カール(前田旺志郎)とのこじれた関係の心労などから亡くなってしまう。後任の秘書・ホルツ(神尾楓珠)が伝記を刊行しようとしていることを知ったシンドラーは、本当の姿が世に出ることを恐れ、自ら伝記を書くことを決意。下品で小汚いおじさん(真実)から聖なる天才音楽家(ウソ)に仕立て上げていく。そのウソに気づき始めた若きジャーナリスト・セイヤ-(染谷将太)が真実を追究しようとする。