
有村架純(32)が11日、都内で行われた福山雅治(56)の主演映画「ブラック・ショーマン」(田中亮監督、9月12日公開)完成報告会に出席。役作りのために、撮影中に父役の仲村トオル(59)の写真を、許可を取った上で携帯電話の待ち受け画面にしていたことを明かした。
同作は、福山の俳優としての代表作の1つ「ガリレオ」シリーズの原作者・東野圭吾氏が20年に出版した「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」(光文社)の実写化作品。有村は福山とは初共演で、福山演じる米ラスベガスを拠点に活躍していたマジシャン神尾武史のめいで、2カ月後に結婚を控えながら父・英一の突然の訃報を受け、実家のある町に戻った不動産会社勤務の建築士・神尾真世を演じた。物語は、元中学校教師の兄・英一が何者かに殺された武史が、マジシャンならではの方法で殺人事件の謎に挑む。武史は金に細かく、立て板に水を流すようにウソをつく一面もある。そんな武史と、再会した真世がバディを組んで殺人事件の解決に向けて奔走する。
有村は、撮影を振り返り「とにかく、父の存在が記憶に残るように、勝手ながら仲村トオルさんのお写真を、撮影期間中に待ち受け画面にさせていただいて。ご本人にも、すみませんとお伝えした」と明かした。「毎日、目に触れるところに、トオルさんの顔があると、自然と父と刷り込まれていく感覚があって。撮影期間中は、トオルさんご本人のお写真に、助けられたことがありましたね」と笑みを浮かべた、
福山は「有村さんは…偉そうに聞こえたら申し訳ないけれど実力、力がある。(演じた武史が)非現実世界だから面白いのを、現実とつないでくれる存在を演じる有村さんが、リアリティーを持たせてくれる」と有村を絶賛。「難しい役だと思っていた。トオルさんの写真の待ち受け画面の話、初めて聞きましたけど、心が動くから体が動くことをブレずにやっていた。お芝居に向かう心が、表現の自由度を高くしてくれた」と、自分の芝居もやりやすくしてくれたと感謝した。
有村は「恐縮です」と福山に感謝。「撮影で初めてご一緒させていただいた。時代を先頭で歩いてくださった。こんなことができる、あんなこともできる、という、ご自身の武器を駆使して、お芝居されているのを見て、圧倒的な存在でした。映像にしっかり映っています」と、逆に福山を絶賛した。
これには、福山も「恐縮…至極でございます」と返した。そして、手品の練習を続けた役作りを振り返り「しみこませるしかなかった。雨の日も風の日もコインを持って、やっている日々。体にしみこませる、役に落とし込む…それが俳優という仕事。有村さんも、トオルさんの写真を待ち受けにされた…本人なりの役を落とし込むメソッドがある。また発見、学びになりましたね」と語った。
◆「ブラック・ショーマン」元中学校教師の神尾英一が何者かに殺された。2カ月後に結婚を控えていた神尾真世(有村架純)は、父の突然の訃報を受け、実家のある町に戻る。コロナウイルスのまん延以降、観光客も遠のき、活気を失ってしまっていた町に起こった殺人事件…多くの教え子から慕われていた英一はなぜ殺されなければならなかったのか。真実を知りたいと願う真世の前に現れたのは、かつてラスベガスで名をはせた元マジシャンの叔父・神尾武史(福山雅治)だった。武史は、卓越したマジック(+手癖の悪さ)とメンタリスト級の巧みな人間観察&誘導尋問を武器にして、めいの真世と共に、大切な家族が殺された殺人事件の謎に挑む。