starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「『スクール☆ウォーズ』があるから今がある」松村雄基が舞台「祖国への挽歌」主演で日系マフィア


松村雄基(2025年8月撮影)

俳優松村雄基(61)が、26~31日に東京・日本橋の三越劇場で舞台「祖国への挽歌~日系人マフィア モンタナジョーの生涯」に主演する。19年、23年に次ぐ2年ぶり3度目の上演。実在した日系アメリカマフィア、モンタナ・ジョーを演じる。

モンタナ・ジョーは日系2世としてカリフォルニアに生まれ、第2次世界大戦中は強制収容所に入れられ、日系人の442部隊に所属してヨーロッパ戦線で活躍した。

「やっぱり一生にわたってファミリーを求めてた人なんですね。人を求めて、人の愛に飢えてて、それで最後、そのファミリーを守れなかったと思いながら生きているので切ないんですけどね。でも演じている僕としては、精いっぱい生き切った男の格好良さをとても感じます。日系だけど、自分はアメリカ人で愛国心を持っている。自分の出自に悩んで、マフィアの道に行くんです」

モンタナ・ジョーが生きたのは、1919年(大8)から2004年(平16)。シカゴ・マフィアの幹部にまでなったが、日系人であるが故に差別を受けた。

「僕が演じるのは第2次世界大戦の戦前、戦中、戦後ですが、全く知らない時代だから想像するしかないんですけどね。でもちょっと今の時代に似てる部分があるんですよね。人種差別の問題とか、『アメリカ・ファースト』じゃないけど自国だけを第一と思うような人たちが台頭して来ている。最終的には、大国同士がぶつかっていく。そういうのは戦後80年の時を経ても、人間ってやっぱり変わらないんだなと。そういう普遍的な問題もあるし、激動の時代を腕一本で誰にも頼らずに生きていこうという生き方は、今の時代にも必要だと思うんですよ」

世界各地で起こる紛争が、リアルタイムで伝わって来る現代。ウクライナ、ガザでは罪のない人たちが戦火に巻き込まれている。

「昔は差別も、今よりもっとひどかったと思うんですよ。強制収容所ですからね。日系一世としてアメリカに渡って行った人たちが、せっかく20年、30年かけて築いた土地を一夜にして没収されて、いきなり監獄、収容所ですから。想像つかないですよね。本当に大変だったろうなと思うんですけども、今も先は分からないじゃないですか」

戦渦から遠く離れて、平和に思える日本でも、危機はそばに迫っているのかもしれない。

「台湾有事や東海沖の地震があるかもしれませんし、気候もめちゃくちゃじゃないですか。そういう意味じゃ、トランプ関税のかけ方なんて完全に差別じゃないですかね、自国以外にはね。何度、大臣がアメリカに行ったんですか。日本だから、あんなことをされるんですかね。ああやって、大国が本当に自分の国が危ないなと思ったら、そういうことになっちゃうわけですよね」

舞台と現代社会を重ね合わせて、思いを巡らせる。それでも、演じる楽しさがあふれている。

「楽しいというか、役でなければできないことがありますよね。マフィアのボスの役でみんなを従えて、そういう時は爽快感とかをちょっと感じますね。だけど、いい年になりましたので、若い時みたいにけんかして勝手なことをするだけではない。殴った方も痛いんだとか、そういうものを感じる年になって来ましたので、やればやるだけ難しいなと思います」

1984年(昭59)10月から翌85年3月まで、TBSで放送された「スクール☆ウォーズ」が代表作。不良からラグビーを通して更生する大木大助を演じた。

「まあ、イソップとか平尾誠二さんをイメージしたキャプテンとか、いろいろな役があって、生徒たち1人、1人も主役でしたね。ラグビーは初めてで、撮影の2、3カ月前に練習をしてクランクインしました。あの作品があったから、今があるんだなと思ってます。『スクール☆ウォーズ』が、世間から受け入れられた時に、演じていることが自分の思っている以上に世間に影響があるんだということを認識したんです。自分の仕事とは、役者とはこういうことなのかと思ったのが『スクール☆ウォーズ』ですね」

11月に62歳になる。血気盛んな若者を演じることが多かった松村も、還暦を過ぎた。

「こんなはずじゃなかったなと思いました。というのは、僕の知っている60代とかはしっかりしてて、どっしりと貫禄があった。『スクール☆ウォーズ』をやっていた時の梅宮辰夫さんは、40代なんですよ、あの雰囲気で。中条静男さんとか名古屋章さんとか、もっと上の方は本当に大御所じゃないですか。もう押しも押されもしないと思っていたのが、自分がなってみたらフラフラで、押しも押されもする。あれから思うと、まだまだなんだなぁと。もうちょっとしっかりしてると思ってたんですけど、全然してませんでした。まだまだ、子供だなと思ってます」

まだ、子供。まだ、成長を続けている。【小谷野俊哉】

◆松村雄基(まつむら・ゆうき)1963年(昭38)11月17日、東京都生まれ。80年テレビ朝日「生徒諸君!」で俳優デビュー。84~85年TBS「スクール☆ウォーズ」。88年映画「恋子の毎日」。94年(平6)NHK連続テレビ小説「ぴあの」。99年舞台「ミュージカル 南太平洋」。18年映画「聖域 組長の最も長い一日」主演。178センチ。B型。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2025
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.