
俳優鈴木亮平(42)の主演映画「劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」(松木彩監督)大ヒット御礼舞台あいさつが14日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。席上で、13日までの13日間で興行収入(興収)入26億円、動員196万人を記録したと発表した。今日にも動員200万人を突破する見込みだという。
公開初日1日午後3時時点の動員対比で、45億3000万円を記録した3年4月公開の映画第1作「劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~」と160%の大ヒットスタートを切っていた。菜々緒(36)が「何回、見たか…南海だけに?」と聞くと、客席には10回、見たという観客も。鈴木は「今日で10回目?」、菜々緒も「ウソでしょ?」と驚いた。鈴木は「(反響の声)たくさん届いていますね。10歳の子からお手紙いただいて…前回もいただいた。『人生の映画で1番、感動しました』と。一生、忘れないでくれますね」と感激。今作からシリーズに出演した江口洋介(57)は「この作品が、どれだけ愛されているか(イベントに)足を運ぶごとに感じています。僕の知り合いでも子どもが見に行きたいとか、親もいい話だねとか。熱くなった気持ちをエネルギーに変えて、熱い夏を乗り切ってください」と笑みを浮かべた。
オペ室を搭載した特殊車両を駆使し、救命救急に挑む医療チームを描いたシリーズの舞台は、21年7月期のTBS系ドラマの東京、映画第1作の横浜を経て、今回は沖縄と鹿児島の島々へと拡大。鈴木演じる「待っているだけじゃ、助けられない命がある」と、危険も顧みず最前線に飛び込むTOKYO MERチーフドクター・喜多見幸太は、菜々緒演じる看護師長・蔵前夏梅とともに、中型車両NK1を乗せたフェリーで離島での事故や災害に対応する試験運用が開始された、南海MERを指導する立場で派遣。鹿児島県・諏訪之瀬島で突如として火山が噴火。大規模医療事案として南海MERの初出動が決まり、島に取り残された79人全ての命を救うミッションに挑む。江口は、南海MERチーフドクター候補の牧志秀実を演じた。
映画の撮影が行われた舞台の鹿児島県トカラ列島・十島村の諏訪之瀬島では、公開前の7月8日に火山性地震が起きた。同10日に都内で行われたプレミアイベントの冒頭では、高橋正尚プロデューサーから「慎重に判断すべき。今後も専門家の方のご意見を伺い、判断したい」との報告もあった。作品として「トカラ列島の群発地震によってご不便を感じておられる住民の皆様に私達に出来ることを少しでもさせて頂きたいと思い、十島村のロゴをお借りして」チャリティーTシャツを制作。利益は全額寄付すると1日、公式Xで発表していた。鈴木は「毎日、不安な日々が続いていると思います。火山の恐怖を描きたい映画じゃなく、何かが起こった時に一歩、踏み出せるのがヒーローというのを描いた。島と島、人の繋がりが濃いからこそ美しい。実際の島を舞台にさせていただいたこと、感謝します。僕らの描きたかった人の貴さが伝わると、うれしい」とスタッフを代表し、お見舞いのメッセージを贈った。
この日はファンとの質疑応答も行われた。「シリーズ化、期待していいですか?」との声に、鈴木は「私ですか? 監督とプロデューサー、いかがですか?」と最前列にいた監督とプロデューサーは回答を固辞。鈴木は「そうなるといいかなと思っています。より、たくさんの方が見て、愛してくれたら実現するかと思います」と答えた。司会のTBS杉山真也アナウンサーから「定年まで!」と声がかかると、鈴木は「人、担げないのよ」と苦笑い。菜々緒も「私も結構…大分、限界です」と笑った。
◆「劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」 TOKYO MERの活躍が高く評価され札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡と、全国の主要都市に新たなMERが誕生した一方で沖縄、鹿児島では離島地域に対応できるMERの誘致活動が活発化。その指導スタッフとして、TOKYO MERの喜多見幸太チーフ(鈴木亮平)と看護師長の蔵前夏梅(菜々緒)が派遣され、オペ室を搭載した中型車両NK1を乗せたフェリーで、離島での事故や災害に対応する「南海MER」の試験運用が開始された。注目されていたものの、運用が始まってから半年間が経過しても、緊急出動の要請はゼロ。全く実績を作ることができず、廃止が決定的な状況となっていた。そんな中、鹿児島県・諏訪之瀬島で突如として火山が噴火。大規模医療事案として南海MERの初出動が決まる。溶岩が村を焼き尽くし、多くの噴石が飛び交うすさまじい状況。噴煙のため、ヘリコプターによる上空からの救助は不可能。そして海上自衛隊や海上保安庁の到着も数十分後という絶望的な状況の中、南海MERは、島に取り残された79人全ての命を救うために、絶体絶命のミッションに挑む。