
英国のヘンリー王子(40)が8日、帰国してサプライズ出廷していた英国滞在中の警察による警護をめぐる控訴審で、傍聴席の女性が王子に近づいて「支持しています」と叫んだことを受け、ボディーガードに護衛されて法廷から緊急退避させられたことが分かった。
英デイリー・メール紙などによると、50代の匿名の女性は遅れて法廷に姿を見せると、何度も席を移動したり、2台の携帯電話を操作したり、メモを取ったりと不審な行動を繰り返していたという。女性は、非公開審理が始まる前の休憩時に、法廷から外に出ようとする王子に接近して支持を訴えた。女性はその後、傍聴席にいた報道陣に向かって「王子が英国を去ったのは、あなたがた報道関係者のせいだ」と怒鳴り、警備員によって退廷させられたという。
2020年に英王室を離脱して米カリフォルニア州に移住した王子は、警察による警護が受けられないことで家族の身の安全が保障されず、帰国できないと主張。王子と家族を警備の対象外とした政府の決定に意義を唱え、争っている。英高等法院が昨年、政府の決定に違法性はないとの判断を下して王子の訴えを退けたことを不服とし、控訴していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)