
元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子(62)が6日、フジテレビ系「Mr.サンデー」(日曜午後8時54分)に生出演。中居正広氏の女性トラブルに端を発した「フジテレビ問題」について、自身の見解を述べた。
生討論内では被害女性Aをめぐる対応の意思決定について議論した。女性Aの対応は当時のアナウンス室部長の女性管理職Fに相談窓口として丸投げされた一方で、意思決定は編成制作局長のG氏が掌握。G氏から当時の港浩一社長、大多亮専務との3人で形成された「編成ライン」に広げられ、対応方針の意思決定が行われた。また、コンプライアンス室長は同件をめぐり、昨年12月14日に週刊誌の記者の直撃取材によって、事態を把握することとなった。
長野はコンプライアンス室が機能していなかったことについて「これは致命的だと思います」とバッサリ切り捨てた。そして「私がフジテレビを辞めたのは35年前なので、この間について社員にいろいろ話を聞いたんですけど、フジテレビの役員っていうのはほとんど役員研修をしてないそうです。これもあり得ない。企業として」と語った。
さらに「そうなってくると、コンプライアンスとかガバナンスとかを学んだりとか、意識をしたことがほとんどない中で、一応港社長(当時)は(会見で)ありますありますって言ってましたけど、コンプライアンス推進室が。整備はしたけど、周知はしてない。しかも相談を持ち込んだりすると、干される、リベンジされるっていう恐怖の意識を持っていたとみんなが言っています」とフジ社内の内情について語った。
続けて「コンプライアンス室がどれだけ大切なものかっていう認識が、まずこの企業には徹底的に欠けていたっていうことですよね」と語った。
3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書は394ページに及び、元フジテレビアナウンサーAさんに対する中居氏の性加害を認定した。
番組MCは宮根誠司、進行は同局の藤本万梨乃アナが担当。この日の出演者はノンフィクションライターの石戸諭氏、経済ジャーナリストの後藤達也氏、東大准教授の中野円佳氏、元フジテレビアナウンサーのジャーナリスト長野智子、弁護士の橋下徹氏、社会学者の古市憲寿氏。
同番組はこの日から放送時間を拡大。通常の午後10時開始から、同午後8時54分開始に前倒しし、午後11時09分までの2時間15分となった。昨年12月まで午後9時台は中居氏がMCを務めていた「だれかtoなかい」が放送されていた。