フジテレビが27日、都内の同局で中居正広さんの女性トラブルに社員が関与したなどと報じられた件について、2度目の会見を行う。元衆院議員で元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士(68)が取材に応じ、会見での着目ポイントなどを語った。
今回は港浩一社長をはじめ、前回不在だった嘉納修治会長、遠藤龍之介副会長、フジ・メディア・ホールディングス金光修社長も出席予定。動画撮影禁止や取材媒体の制限、歯切れの悪い答弁などで世間の反感やスポンサー離れも招いた前回からわずか10日。会見前には臨時取締役会も予定されており、港社長らの退任が発表される可能性もある。
若狭弁護士は「臨時株主総会などで議決されないと正式には決まらないとはいえ、役員の退陣は新しい出発点になる」と語る。フジテレビをはじめとするグループ会社を取りまとめるフジサンケイグループ相談役の日枝久氏の進退にも触れ「日枝さんが辞める、辞めないで世間の一般人の方に与える印象はだいぶ違うことは確かと言えます。日枝さんが退任しなければ与えるインパクトはあまり変わらないかもしれません。局への不信感を与えてしまっている中で、幹部の人材を変えるのは必要十分条件。大きなことをやるべきだと思います」。
前回会見では約100分間の答弁の中で港社長らがプライバシー保護や調査前などを理由に「回答を控える」という趣旨の発言を約50回口にし、十分な説明を行ったとは言い難い内容となった。その後、番組提供社や出稿クライアントが続々と降板、CM差し止めなどの対応をとり、局存続の危機もささやかれる状況に。若狭弁護士は「信頼を失うのは一瞬、回復には時間かかる。地道にやっていくしかない」といい「ひとつひとつ確実に変わった部分を訴えていくこと。積み重ねていくとどこかしらでターニングポイントが現れます。そこになるべく早く到達することが大事ですね」と語った。
フジ側は当初の予定を変更して日弁連ガイドラインに沿った第三者委員会設置を発表。今回も本格調査前である状況はさほど変わらない。トラブルへの社員の関与の真偽、事案把握時の対応者やその妥当性、女性社員にタレントを「接待」させていたとの報道の真偽、スポンサー対応など、説明すべき事案は多数ある。
若狭弁護士は「中居さんと被害女性の間で常軌を逸するようなトラブルがあったということで、フジテレビとしては、それを知ってたのに中居さんを継続して起用していた。そこが問題なのです。では、そのトラブルとはいかほどのものだったのか。守秘義務があるので明かせないのかもしれないですが、犯罪のようなものだったのか、どうなのか。そこの内容を土台として『それならやはり黙っていたはおかしい』となるか、『そのくらいの話だったか』となれば少なくともこんな話になることはなかった。そこが明らかにならなければどちらにせよモヤモヤ感は残ることになるでしょうね」とした。
今回の会見はテレビ中継のほか、週刊誌やネットメディア、フリーランスの記者も出席可能なオープン形式で実施する。