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【映画大賞】安田淳一監督、初の監督賞「侍タイムスリッパー」で1人11役以上「感慨深いわ」


映画「侍タイムスリッパー」で安田淳一監督が第37回日刊スポーツ映画大賞にて作品賞と監督賞を受賞しました。安田監督にとっては初の監督賞獲得となり、主演の山口馬木也も主演男優賞を手にしたことで作品は2冠を達成しました。安田監督は映画製作において11役以上をこなし、自主映画の枠を超えた大規模な評価を受けたことに感謝の意を示しました。役所広司がタイムスリップ侍を演じたCMをヒントに、「侍タイムスリッパー」の脚本を手がけたそうです。映画は幕末の会津藩士が現代にタイムスリップするストーリーです。

映画「侍タイムスリッパー」で作品賞と監督賞を受賞した安田淳一監督(撮影・滝沢徹郎)

<第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)>

「侍タイムスリッパー」の安田淳一監督(57)が、初の監督賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された「受賞者・作品発表特別番組」内で発表された。「侍タイムスリッパー」は、初の主演男優賞を受賞した山口馬木也(51)に続き、2冠を獲得した。

安田監督は、京都で米作り農家を営みながら映画製作を続け脚本、原作、撮影、照明、編集、VFX(視覚効果)整音、タイトルデザイン、タイトルCG製作、現代衣装、車両、製作など1人11役以上を務めた。「いやぁ…うれしいなぁ。大変、驚いて喜んでいます。自主映画で頑張ってきたわけですけども、そういった枠を超えて、非常に大規模で厳正な審査を経た上で、この賞をいただけたのは光栄ですし、今後も頑張っていこうという思いにつながっています」と受賞を喜んだ。

自身が手がけたオリジナルの脚本を着想したポイントの1つに、役所広司(68)が現代にタイムスリップした侍を演じた、17年の宝くじのCMがあった。山口が、「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)と「八犬伝」(曽利文彦監督)でノミネートされた役所との投票を制して主演男優賞を受賞したと聞くと「うわぁ…さぶいぼ(鳥肌)たつわ!」と大興奮。「ある意味、タイムスリップ侍という同じカテゴリの中で打ち勝った…感慨深いわ」と感激した。

◆安田淳一(やすだ・じゅんいち)1967年(昭42)京都府城陽市生まれ。大阪経済大在学中から映像制作を始め、卒業に8年かかる。卒業後、幼稚園の発表会からブライダル撮影、企業用ビデオ等の撮影業を開始。イベントの演出や油そば店の開業など、さまざまな事業をこなす中、14年に自主製作映画「拳銃と目玉焼」を公開。23年に父が亡くなったことを受け実家の米作り農家を継ぐ。24年に新藤兼人賞銀賞を受賞。

◆侍タイムスリッパー 会津藩士・高坂新左衛門(山口)は幕末、長州藩士と刃を交えた瞬間、落雷で気を失う。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。江戸幕府の滅亡を知り、気を落とすが、剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として撮影所の門をたたく。

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