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初音ミク 冨田サウンドで優雅なバレエ!現実とデジタルが融合した“リフトアップ”も


初音ミク 冨田サウンドで優雅なバレエ!現実とデジタルが融合した“リフトアップ”も

初音ミク 冨田サウンドで優雅なバレエ!


 11日、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで『冨田勲 追悼特別公演 冨田勲×初音ミク「ドクター・コッペリウス」』公演が開かれ、観客たちが歓喜する仕上がりを見せた。


 今年5月にこの世を去ったシンセサイザーのパイオニア・冨田勲さん。そんな冨田さんが亡くなる1時間前まで打ち合わせをして、意欲を燃やしていたバーチャル・シンガー初音ミクとのコラボレーション公演となる。


 開演されると、まずは、2012年11月に上演された『イーハトーヴ交響曲』から。東京フィルハーモニー交響楽団の演奏に合わせ、初音ミクが踊る姿や、合唱団によるコーラスなどで、冨田さんの憧憬が脳裏に浮かんでくるよう。


 続けては、エイドリアン・シャーウッドがこの特別公演のために来日し、冨田さんが1977年に発表して世界的ヒットとなったシンセアイザー作品の代表作「惑星 Planets」をLive Dub Mix。火星~水星~木星と披露し、同曲は音量も高めながら、宇宙を肌で感じられるような壮大さがあり、疾走感のあるものとなった。


 そして、『ドクター・コッペリウス』へ。本作は、宇宙への夢と希望に満ちあふれた物語で、探査機はやぶさが到達し戻ってきたことで知られる小惑星・イトカワの名前にもなった日本の宇宙開発の父・糸川英夫博士がモチーフ。


 本作は第7楽章まである作品となるが、第1楽章、第2楽章は完成前に冨田さんが亡くなったため欠番。第3楽章から始まるという変則的なものだが、かわりに残されたスタッフが冨田さんへの思いを捧げる楽章として新たに冨田さんが作った音とメロディーをもとに第0楽章から始まった。


 糸川博士をモチーフにしたことへ、重力というしがらみを乗り越えるさまがオーケストラや3DCGで浮かび上がる初音ミク×新進気鋭のダンサー・風間無限氏によるダンスで表現されていく。とくに第4楽章では、風間氏がタイミングをあわせ初音ミクを“リフトアップ”するというデジタルと現実が融合するシーンもあり、観客たちが拍手で称えること一幕も。


 すべてのプログラムが終わった際には、観客たちの万雷の拍手がやまず約5分間に渡り数度のアンコールとなる光景も見られた。


 『冨田勲 追悼特別公演 冨田勲×初音ミク「ドクター・コッペリウス」』は11月11、12日にBunkamuraオーチャードホールにて上演!なお、本公演は2017年4月にすみだトリフォニーホールにて再演されることもアナウンスされた。


 ■『ドクター・コッペリウス』あらすじ


 宇宙へ飛び立つことを夢想する主人公コッペリウスと、それを叶えるべく異界からやってきた初音ミクが織りなすストーリー。小惑星イトカワ、そしてその先の未知なる星へ、宇宙を自在に行き来しながら展開される、時空を超えたまさに『スペースバレエシンフォニー』。


 ※記事内画像はすべて(C) Crypton Future Media,INC.www.piapro.net/photo by 高田真希子


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