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新宿ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは

「書けないレシート」に秘められた思いとは・・・


 バーやスナックなどに行ってお会計をカード払いすると、店員さんがレシートを持ってくる。金額を確認して署名欄にサイ・・ン?


 そう、もしサインが書けなかったらどうしますか?


 ボールペンの調子が悪いと思い、余白にグリグリと試し書きしてみます?書けた!と、ホッとしたのもつかの間、やっぱりサインが書けない・・・ふと、レシートが2枚になっていることに気が付き、1枚めくってみると、書きかけのサインがちゃんと下のシートに写っている。


 さらに、2枚目のシートには、なにやら細かい字で「世界には自分の名前すら書けない人がいます。識字率向上のため¥500を寄付しませんか」と描いてあり、「YES」「NO」のチェック項目が現れる。


 一瞬、わけがわからなくなる。ちょっとしたイタズラ心(?)も入ったこの企画。


 わずか、10人も入ればカウンターがいっぱいになってしまう立ち飲みバーから「世界の識字率を下げる」と、ゴールデン街から世界を救おうという新プロジェクトなのだという。


 企画した「ビーコン コミュニケーションズ株式会社」のデジタルストラテジスト中島琢郎氏に企画趣旨を聞いてみる。


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは


 米国勢調査局と国連データからの(リアルタイム)推計によると、世界の総人口が約73億2300万人だが、そのうち成人非識字者(読み書きできない大人)は約7億5900万人とされている。なんと、約10%が非識字者だという。


 こうした非識字者の多くは生活の糧のために子どものときから働かなければならなかった、貧しい人びと、女性や少数民族、さらには戦争や内乱の犠牲になった難民などが多く、成人の非識字者のうち3分の2が女性であると言われている。さらに、学校に通えない児童数(6~11歳の子ども)は約7200万人もいるのだという。


 更に言うと、この非識字者の連鎖は続くそうで、両親にお金がない貧しい世帯の子どもたちは、学校に行くよりも働くことが優先となる。どこかで大転換がなされなければ、そこの家系は、ずっと非識字者ということになる。


 特にアジア地域の非識字人口は世界の非識字人口の約70%にも達している。そこで、現在アジア地域を中心にユネスコ世界寺子屋運動を展開している公益社団法人日本ユネスコ協会連盟を通して途上国に寄付される。


 また、現金で払ってしまった人や趣旨に賛同するも諸事情によりお店に行けないという方のために、「書けないレシート」の他、WEBサイト(http://donateyoursignature.org/)を通しての募金も受け付けている。


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは

直木賞作家・田中小実昌さんは、庶民派でゴールデン街を愛した


 「なぜ新宿ゴールデン街だったのか?」と、さらに聞くと、「新宿ゴールデン街は、雑誌の編集者や記者、小説家(の卵)、脚本家など、活字を生業としている、携わっている方々が多いんです」(中島氏)


 識字だけに、文字・活字への意識が高いところをターゲットにしたという。その結果は、すこぶるいいそうだ。最初はみんなビックリ!するそうだが、趣旨話すと、快くOKする人が多く、カード支払いをした人の内9割が募金をしていくそうだ。この結果に、スタッフも驚いているという。さらに、店の入口に「カード使えます」と張り紙を出すことで、カード決済が多い外国からの旅行客たちも多く、快く趣旨に賛同するという。このプロジェクトは、当初、4月20日から5日間限定実施の予定だったが、反響が良いため、期間延長も決定した。


 もうひとつの理由が「このお店『The OPEN BOOK』のオーナーと知り合いだった」ということ。2016年3月14日にオープンした店のオーナーである田中開氏は、直木賞作家・田中小実昌(たなかこみまさ)さんのお孫さんで、今年の4月29日で小実昌さん生誕90周年となる。


 田中小実昌さんは、東京大学文学部哲学科中退。軽演劇、将校クラブの雑役、香具師などの職を転々とした後、翻訳、文筆業へ進む。庶民派で知られ、ゴールデン街の常連であった。


 田中小実昌さんが愛した新宿ゴールデン街。「文字」に深く関わりのある場所・店で、「文字が書けなかったら」ということに思いをめぐらし、今となっては当たり前の「読み書き」の大切さを伝えるべく、発展途上国の非識字問題に対する啓蒙/寄付活動『DONATE YOUR SIGNATURE – 1人のサインが1人の非識字者を救う募金』に賛同して欲しいという願いが込められている。


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは


 『The OPEN BOOK』


 ■営業時間 19:00-26:00 ■電話番号 080-4112-0273


 ■住所 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-6 ゴールデン街五番街


 (吉本興業東京本社側の通りから「五番街」のアーチをくぐり、右手3軒目)


 1階と2階では別なお店というのが多いゴールデン街にしては珍しく、1軒まるごとひとつのお店。しかも天井まで吹き抜けで、上の階には、団体のお客さん専用の和室もあるという。店内は田中小実昌さんの著書や連載していた雑誌を始め、無数の雑誌・書籍、小説など本が狭い壁には張り付くようにビッシリ!


 オススメなのが、同店オリジナルのレモンサワー(中700円、大1000円)。レモネードのようなあま酸っぱい口当たりの良い飲み口が最後まで続くが、レモンを漬け込んであるスピリッツが強いため、かなりアルコール度数は高め。他にもビール、ハイボール、ラムソーダなど。ドリンクとフードは代沢のsalmon&troutの森枝幹氏が監修。


 ■プロジェクト実施期間:田中小実昌生誕90周年となる4月29日直前まで(の予定)


 


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは





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ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは

外観


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは

壁には本がビッシリ!





ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは

田中小実昌さんの著書


ゴールデン街から発信!世界初「書けないレシート」に込めたプロジェクトとは

天井まで吹き抜け


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オススメのオリジナルレモンサワー


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店内に合わせたオシャレなキャッシャー




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