
本年度日本で唯一カンヌのコンペティション部門に選出され大絶賛された映画『ルノワール』(6月20日公開)。そのジャパンプレミアが6月3日に都内映画館で実施され、主演の鈴木唯、共演の石田ひかり、リリー・フランキー、中島歩、河合優実、坂東龍汰、そして早川千絵監督が参加した。

フキ(鈴木)と同じマンションに住む北久里子役の河合は、鈴木の印象について「ありのまま自由なまま、何にも縛られない姿が印象的。本読みの時も思ったことを率直に言ってくれるし、私も唯ちゃんのように普段からシンプルに過ごしてもいいんだと勉強になりました」と刺激を受けた様子。一方、河合が出演中の朝ドラ『あんぱん』を見ているという鈴木は河合との共演に「演技が凄く上手で、先輩カッコいい!という憧れの目線で見ていました。河合さんの演技は淡い水彩画のように繊細で惹かれる演技。見習いたいと思いました」と絶賛し、河合は「そのように思った気持ちをそのまま育てて欲しいです」と目を細めていた。

リリーは鈴木の天才ぶりに触れて「彼女の瑞々しいお芝居プラス唯ちゃんの何かになりかけている人間の途中を記録した生々しさが映画に乗っかっている。これは注目されてしかるべきだし、これから各国で本作が上映されたら色々なオファーが来るはず。…グレたりしないでね。真っ当に生きるのも大切だよ」とすっかり保護者モードだった。
また人生初となるカンヌのレッドカーペットを歩いた感想について鈴木は「一言で言わせていただくと感無量。人生初のレッドカーペットはとても嬉しくて緊張したけれど楽しくて、ワクワクドキドキが止まらず、一生の思い出になると思います」と感激しきり。フキのお母さん・沖田詩子役の石田も共にレッドカーペットを歩いており「コンペ出品が決まってからずっと夢のような気持ちで過ごしていて、今でも夢心地でカンヌの余韻の中にいます」としみじみしていた。

映画祭期間中、審査員長を務めたフランスの超大物女優ジュリエット・ビノシュにランチ時に偶然出会い、鈴木が直接質問する場面もあったという。「演技はどうやっているんですか?と質問しました。『演技はただそこにいるだけが大事で第5感以外で自分なりの第6感、第7感を作れるといいね』と言ってくれました」とその様子を回想。その場にいたリリーは「ジュリエット・ビノシュもこの子だったら伝わるだろうという事を言ってくれたね」と振り返り、同じく石田も「真剣に答えてくれていました」と大物女優の神対応に感謝していた。