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フロリダ州タンパで毎年開催され、今年で29回目の開催となるTampa Pro(タンパプロ)2023が現地時間3月5日に開催され、堀米雄斗が優勝!(日本人初の快挙!)
オリンピック、ストリートリーグ、X Gamesなど数々の主要大会で優勝してきた堀米だが、タンパでの優勝はアマチュア時代(Tampa Am)も含めて無かっただけに、悲願の初優勝となった。
決勝では、前回優勝者のジェイミー・フォイが1本目で激しいスラム(転倒)をしてしまい、2本目以降を棄権。
今ノリに乗っているジャガー・イートンも、決勝では3本ともフルメイク(ノーミスで滑りきること)出来ず、優勝候補のナイジャ・ヒューストンは、昨年負った膝前十字靭帯損傷の復帰後、最初の国際大会ということもあり精彩を欠く中、群を抜いた集中力を見せたのが堀米だった。
昨年のタンパプロでは予選を2位で通過するも、決勝ではミスが続き11位に終わったが、今大会では見事にフルメイクのラン&新技を見せつけ、他を圧倒した。
Tampa Proは世界的に認められたプロスケーターのみが出場出来る大会で、毎年フロリダ州タンパにある伝説的な室内スケートパークで開催されており、大会の雰囲気、出場者などを見てもスポーツというよりは“カルチャーとしてのスケートボードが色濃く残る”貴重な大会となっている。
ルールは、1分間コース内を自由に滑り、技を披露するランを行い、その内のベストランで順位が決まる(100点満点)
採点基準は、トリックの難易度、独創性やバラエティに加え、コース全体の使い方や、スタイルなどが重視される。
予選はランを2本行い、1位と2位は直接決勝へ進み、3位から30位までの選手は準決勝へ進出。準決勝は、予選3位から30位までの選手に加え、過去のTampa Pro王者が加わり争われ、上位10名が決勝へ。決勝は予選1位、2位の選手と、準決勝上位10名を合わせた、計12名がランを3本行う。
日本勢は他にも池田大亮、根附海龍が出場したが、いずれも準決勝で姿を消した。
【Tampa Proならではの“魅力”】
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スケートボードが好きな人なら1度は耳にし、映像を見た事があるのでは無いかというほど、世界中のスケーターに愛される大会がタンパではないだろうか。
歴代のチャンピオンを見ると、この大会の凄さがわかる。
1996年&2002年&2007年 エリック・コストン
1997年&1998年 アンドリュー・レイノルズ
2010年 ポール・ロドリゲス
2011年 デニス・ブセニッツ
2012年 トーリー・パドウィル
2013年&2015年 ルアン・オリベイラ
2014年&2020年 ナイジャ・ヒューストン
2016年&2021年 シェーン・オニール
2017年 ルイ・ロペス
2018年 ジャガー・イートン
2019年 カルロス・リベイロ(この年の3位は、日本の池田大亮)
2022年 ジェイミー・フォイ
スケートボードに憧れた人なら、誰もが納得のトッププロ達である。
【スケートボード版オールスターゲーム】
(準決勝と決勝の映像 YouTube:https://www.youtube.com/live/ZXIfwCO1_ng?feature=share)
タンパプロの醍醐味はやはり、スケーターが好きなスケーターが出場するという所。
今大会はブランドン・ウエストゲート、エヴァン・スミス、イショッド・ウェア、クリス・コール、アンディ・アンダーソン、トーリー・パドウィル、ルイ・ロペス、そしてレジェンド中のレジェンド、エリック・コストン(47歳!)などなど、数え出したらキリがないほどのスタースケーターが出場している。
まさにスケートボード版のオールスターゲーム。
※ブランドン、エヴァン、イショッド、クリスは予選敗退
(YouTube:https://www.youtube.com/live/9LuTnUa5b-I?feature=share)
【進化が止まらない!ノーリーフロントサイド270ノーズブラント】
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堀米雄斗は準決勝を首位で通過し、決勝に進出。
決勝2本目のランでは最後に衝撃の大技、ノーリーバックサイド270ブラントスライド(空中で270度回転し、板の先端でレールを滑り降りる新技)をメイクする。
これまで見せてきた堀米のノーリートリック(利き足とは逆の足で板の前方を弾いて飛ぶ技)の中でもトップクラスの難易度だ。
さらに3本目のランでは、他の技の難易度を上げてパーフェクトなランを披露し、優勝に輝いた。
以下、堀米雄斗3本目のラン
1 360キックフリップ
2 ノーリーフロントサイド270 ボードスライド
3 スイッチフロントサイド ブラントスライド
4 ノーリーヒールフリップ バックサイドボードスライド
5 ノーリーバックサイド270 ボードスライド
6 スイッチフロントサイド180 K(クルックド)グラインド
7 バックサイドテールスライド
8 バックサイドシュガーケーン
9 ノーリーバックサイド270 ブラントスライド
【Tampa Pro2023リザルト】
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1位 堀米 雄斗
2位 ジョバンニ・ヴィアナ
3位 クリス・ジョスリン
4位 フェリペ・グスタヴォ
5位 ケルビン・ホフラー
6位 ジャガー・イートン
7位 ヴィンセント・ミルウ
8位 カルロス・リベイロ
9位 ナイジャ・ヒューストン
10位 ルイ・ロペス
11位 アンジェロ・カロ
12位 ジェイミー・フォイ
タンパプロ賞金
1st - $10,000 2nd - $5,000 3rd - $3,000 4th - $2,000 5th - $1,000
6th - $800 7th - $700 8th - $600 9th - $500 10th - $400
11th - $300 12th - $200
文・小嶋勝美
スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家兼スケーター。
10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。