一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォームが主催する『アートウィーク東京』が、2022年11月3日~11月6日の4日間にわたり、都内の美術館/インスティテューション、ギャラリー、「AWTインフォメーションセンター」など52施設を拠点に開催されます。
写真)AWTインフォメーションセンター/VIPラウンジ(港区南青山)
今年で2回目となる『アートウィーク東京』は、東京の主要なアートスポットを結びつける年に一度のアートイベント。昨年(2021年11月4日~7日)行われた初開催では、美術館、ギャラリー、アートスペースなど都内50ヶ所のアート施設が参加し、2万人を超える来場者数を記録しました。
今年は、昨年の協力を経て、毎年スイスのバーゼルをはじめ香港、マイアミビーチ(アメリカ)で開かれる世界最高峰のアートフェア「アートバーゼル」と日本で初めて提携。日本の現代アートの創造性と多様性はもちろんのこと、東京の現代アートを支える場所や人物、コミュニティーを国内外のより多くの人々に紹介し、国際的な認知度を高めるほか国内アート市場の活性化をめざします。
『アートウィーク東京』3つの進化
専用アプリと無料のシャトルバスでアートアクティビティをより身近に
『アートウィーク東京』の特徴のひとつが、美術館やギャラリーなど主要なアートスポットを繋ぐ無料のシャトルバスの運行です。東京の風景を楽しみながら効率よくアートシーンを体験できる手段として好評であり、昨年は4ルート(各ルート11〜15の会場を回る)が15分間隔で運行されましたが、今年は2つ増え6ルートとなり、さらに多くのアートスポットを巡る予定です。
また、誰でも自由にダウンロードできる無料の『アートウィーク東京』専用アプリも登場。シャトルバスの運行状況の確認のほか、ルートマップや会場案内を調べることが可能となり、鑑賞者を新しいアートアクティビティの体験へとスムーズに導きます。(専用アプリのリリースは9月を予定)
5つの美術館/インスティテューションが新たに参加
昨年は「アーティゾン美術館」「東京国立近代美術館」「東京都写真美術館」「森美術館」「ワタリウム美術館」「東京オペラシティ アートギャラリー」の6つの美術館/インスティテューションがシャトルバスの主要中継地でしたが、今年は「国立新美術館」、「東京都現代美術館」「東京都庭園美術館」「銀座メゾンエルメス フォーラム」「資生堂ギャラリー」の5つが新たに加わり合計11施設に拡大。
また、現代アートの魅力をもっと知りたいという人に向けて、昨年度も好評だったオンライントーク・プログラムを実施。同プログラムの企画運営は、誰もがアクセスできる多様な美術教育のあり方を志向する特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ「AIT/ エイト」が担当します。
日本現代アートを支える41のギャラリーが集結
そして、日本の近現代美術の歴史をひも解くうえで外せないのがギャラリーの存在。昨年に引き続き、1950年創業の老舗「東京画廊+BTAP」、90年代から東京の現代アートシーンの形成に貢献してきた「オオタファインアーツ」をはじめ「ギャラリー小柳」、「スカイザバスハウス」、「タカ・イシイギャラリー」、2000年代に台頭してきた「Take Ninagawa」、「MISAKO &ROSEN」、「無人島プロダクション」などのほか、海外に拠点をもつ「Blum &Poe」や「ペロタン東京」らが集結します。
さらに今年は、新たに「KANA KAWANISHI GALLERY」「KOTARO NUKAGA」「Fig.」「LEESAYA」などの新進ギャラリーが参加するほか、日本を代表するアーティストの村上隆が率いる「カイカイキキギャラリー」、写真専門のギャラリーとしての確固たる地位を築いた「PGI」など、老舗から若手まで、いずれも東京のアートシーンを形成する重要な41のギャラリーが勢揃いします。なお、会期中の展覧会やプログラムの詳細については6月中旬に発表予定しています。
写真)KANA KAWANISHI GALLERY
写真)森山泰地個展「木を見て森を見る」KANA KAWANISHI GALLERY
コロナ禍でも世界的にアート市場は右肩上がり
コロナ禍の影響などにより世界規模で不景だった2020年から2021年にかけて、世界的なアート市場は29%成長しており、コロナ前を上回る651億米ドル(約8兆1,611億円) ※1という市場規模になっています。
一方で、国内のアート市場は2018年から2019年にかけて4.9%伸び2,580億円※2に達したものの、新型コロナウイルスの影響下では2021年は2,186億円※3と減少傾向に。これをふまえ、一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォームでは、『アートウィーク東京』を開催することで、日本現代アートの多様性と創造性の発展に貢献するとともに、人々にとって現代アートがより身近な存在となり、日本のアート市場の拡大と活性化の一助になることを目標としています。
※1)出典「The Art Basel and UBS Global Art Market Report”」※2)出典「日本のアート産業に関する市場調査 2019」(一社)アート東京・(一社)芸術と創造 。※3)出典「日本のアート産業市場調査 2021」 エートーキョー / 芸術と創造
- 美術手帖
Fujisan.co.jpより