「カンロ飴」などのキャンディや「ピュレグミ」をはじめとしたグミの製造・販売を手がけるカンロ株式会社。コロナ禍の影響を受ける中、オンラインで2020年度決算および2021年度事業計画発表会が実施され、本年および2030年を見据えた事業プランが発表されました。
まずは同社 取締役常務執行役員 CFO 阿部一博氏により、2020年のグミも含めたキャンディ市場の動向と決算内容が発表に。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、キャンディ市場は全体的に小売販売金額が減少するも、同社は市場内でのトップシェアを獲得。
飴カテゴリーは前年比の出荷金額が減少するも、グミカテゴリーは逆に12%伸長しており、主力ブランドの「ピュレグミ」や「カンデミーナ」のほか親子で楽しめる新商品も好調とのこと。しかし、コスト低減を進めるも減益と発表されました。
2021年の事業計画などに関しては、同社 執行役員経営企画本部長 松本毅氏より、成長戦略としてデジタルマーケティングの推進とブランド基軸経営の深耕、経営基盤強化としてサステナブル経営の深耕があげられました。
消費者の健康意識が高まる中、お腹の調子を整える特定保健用食品の「おいしいオリゴトールキャンデー」や「カンロ ノンシュガー」シリーズなど美味しさと機能性を重視した商品を展開。
さらに中国でのキャンディメーカー輸出実績1位のAmos社と総販売店契約を締結し、製品の輸出入による両国間でのブランド構築・拡売を広めていくとのこと。日本同様に醤油を使用する食文化の共通点を持つ中国市場への進出を図りつつ、本格的な世界中への展開を視野に入れていると語られました。
サステナブル経営の一角として、SDGsへの取り組みや新型コロナウイルス感染症による影響を受けた医療従事者などを支援してエールを送る「キャンディエールプロジェクト」を発足。特にSDGsに対しては、ハードキャンディの賞味期限を12か月から24か月へ随時延長することで、食品廃棄物量約20tの削減目標を掲げるとのこと。
またカンロ本社所属社員の在宅勤務率は約70%となっており、今後もテレワークの推進を進めていくことなどが語られました。
最後に同社 代表取締役社長 三須和泰氏より、2030年のカンロ社のビジョンが示されました。新たな生活様式に合わせて、100年以上続く同社のブランドに固執することなく時代へ対応した商品作りや社内体制の組織変革を実施。
コア事業となる国内でのグミを中心としたキャンディ市場のシェア1位を維持しつつ、海外戦略をはじめとした新規事業への積極的な投資をしていくことが発表されました。
老舗企業でありつつも、時代の流れへの積極的な対応を今後も行なっていくことを名実ともに示しているカンロ社。まだまだコロナ禍の影響が続く中、これからの10年でも人々を楽しませてくれるグミやさまざまな取り組みに注目しましょう。
カンロ株式会社公式ホームページ:
https://www.kanro.co.jp/