韓国の総合家電メーカーであるLGは、今年始めに同社が開発中のSteamVR対応ヘッドセットの存在をアナウンスしたことで話題を呼んだ。
このVRヘッドセットはLGと、Steamの運営企業であるValveとの共同で開発が進められており、SteamVRコンテンツをプレイ可能だ。本デバイスに関する情報は多くは公開されておらず様々な憶測を呼んでいたが、先日LGは本デバイスに関する新たな情報を公開した。
概要
デバイスの名称は「LG UltraGear VR」に
Lets Go Digitalによると、LGとValveが開発するVRヘッドセットは「LG UltraGear VR」という名称だ。
PCに接続して使用するVRヘッドセットで、使用方法やデザインなどの面においてHTC ViveやOculus Riftに似ている部分が多い。
HTC Viveに使用されている技術を採用
「LG UltraGear VR」の開発にはValveも参加している。Valveはゲーム配信を含めてソフトウェアを中心に開発を行うメーカーであるが、ハードウェア開発にも積極的に参入している。
たとえばHTC Viveに採用されているトラッキング技術「Lighthouse」はValveが開発したものだ。独自にハードウェアを開発するのではなく、ハードウェアメーカーと提携してデバイス開発を行なっている。
「LG UltraGear VR」もValveが開発したVR技術が採用されている。トラッキングシステムにはLighthouse技術を採用しており、デバイスのモーションコントローラーはHTC Viveのそれと形状がよく似ている。
HTC Viveよりも高解像度のディスプレイを搭載
LGによると、「LG UltraGear VR」は解像度1440 x 1280ピクセルのOLEDディスプレイを2つ搭載し、リフレッシュレート90Hzの高解像度な映像を表示することが可能だ。
HTC Viveの解像度が1080 x 1200であることを考えると、「LG UltraGear VR」は現在流通しているハイエンドVRヘッドセットよりも高いスペックを実現している。
また、本デバイスはGame Developer Conferenceにてプロトタイプが展示されており、プロトタイプではデバイス前面にパススルー用の穴が開けられている。この穴を通してインサイド・アウトのトラッキングが可能になる可能性があり、もしくはカメラを通した空間マッピングを行い、ARデバイスとして使用できる可能性もある。
2018年初期にリリース予定か
「LG UltraGear VR」は現在開発が進められており、価格やリリース予定については公表されていない。しかし2018年初期にリリースされるという噂もあり、今後に注目したい。
ワイヤレス、高解像度に対応した次世代型ヘッドセットが複数登場
現在、市場に流通しているOculus RiftやHTC Vive、PSVRなどのハイエンドVRヘッドセットに代わる次世代型のVRヘッドセットが様々なメーカーによって開発が行われており、いくつかはリリースが開始されている。
これらのデバイスは次世代のVRヘッドセットが実現すべき課題、たとえばワイヤレス化や高精細な映像表示が可能であるなど、これまでのVR体験を拡張する様々な新機能を実現している。
「Oculus Go」
先日開催されたOculus Connect 4カンファレンスにて発表された新型VRヘッドセット「Oculus Go」は、ワイヤレスで動作することが可能な独立型のヘッドセットだ。
Oculus RiftのようなハイエンドVRヘッドセットはPCとのケーブル接続が必要になる。そのためセットアップが複雑化し、VRコンテンツをプレイ中にケーブルが手足に絡まったり、もしくは動ける範囲が限られるという問題がある。
しかし、ワイヤレスであればセットアップに手間を要さず、かつケーブルレスであるために動ける範囲も制約されない。「Oculus Go」はワイヤレスのスタンドアロン型という次世代ヘッドセットに期待される特徴を備えるデバイスだ。
出荷時期は2018年の始めを予定しており、価格は199ドル(約2.2万円)と、従来のVRヘッドセットよりも低価格だ。現時点で発表されている情報によると、「Oculus Go」ではGear VR対応アプリをそのままプレイ可能とのことだ。専用コントローラーが付属し、Gear VR対応コンテンツを同じ操作方法で楽しむこともできるようだ。
参考:199ドルで来年登場!Oculusの独立型VRヘッドセット「Oculus Go」発表
「Pimax 8K」
「Pimax 8K」はPC接続型ヘッドセットであるが、高精細な映像を表示可能なデバイスであり、3860 x 2160という高い解像度を有している。
「8K映像を表示可能なVRヘッドセット」と謳う本デバイスであるが、実際に8K映像を表示できるわけではなく、両側のディスプレイに4K画質の映像を高速で書き換えを行うことにより、ユーザーがまるで8K映像を見ていると認識する「ブレインワープ技術」を採用している。
また、視野角が広いことも本デバイスの特徴だ。視野角200度と現在流通しているVRヘッドセットの中で最も広い視野角を実現している。人間の一般的な視野角が220度であるため、バーチャル空間をより自然に認識することが可能だ。
参考:クラウドファンディングで大反響の8Kヘッドセット「Pimax 8K」、150万ドルのストレッチングゴールを追加!
参照元:VRFocus Further Information About LG VR Headset Revealed
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