「事業承継で成功するかどうかは、“相談できる人”の数にかかっていた」――全国400名の事業承継者(アトツギ)へのアンケートから、成長する後継者には共通した特徴が浮かび上がりました。経営スキルや資金の不安から、組織変革や地域貢献への関心まで。相談相手の存在がその方向性を左右する、その構造的なメカニズムを解き明かします。
相談できる先の数が、アトツギの成長と意思決定速度を左右する
最新の調査によると、事業承継を決断した理由としては「家族に頼まれたから」が41.25%、「自分からやりたかったから」が29.75%となっており、意欲の源泉が見える結果です。また、約60%の人が「経営の知識・スキル」に不安を感じ、34.5%が「資金繰り」に懸念を持ち、26%が「業界の将来」への不安を抱えています。
興味深いのは、相談相手が多いアトツギほどこれら不安が軽減されており、成長企業に共通する特徴として明確に浮かび上がっています。反対に相談相手が少ないと「社員との関係」「資金」「先代との意見対立」といった悩みが深刻化しやすく、事業の後退リスクが高まる傾向にあります。また、相談先がいる後継者ほど「地域連携」や「社会貢献」に関心が高く、視野の広さと行動範囲の差が現れている点も見逃せません。
さらに、今後注目する課題としては「新規事業やブランド再設計」が29.75%、「地域貢献」が28.75%、そして「採用・働き方改革」が25.5%と、相談環境の整備と未来志向の施策が表裏一体で推し進められていることが示されました。
このように、相談できる先の有無が、アトツギが抱える不安の重さや事業への向き合い方に直結しているのが本調査の最大の示唆です。
詳しくは株式会社HONEまで。
レポート/DXマガジン編集部 海道