製薬業界は、コロナ禍を契機にデジタル化が急速に進行しています。特にデジタルヘルスの実践が注目され、各製薬企業が取り組む新たなイノベーションが広がっています。株式会社シード・プランニングが実施した調査によると、国内の製薬企業におけるデジタルヘルス事例は272件に上ります。この調査は、2021年11月から2024年9月の期間における製薬企業の取組みを分析したもので、デジタルヘルスの方向性や倫理的な観点からの成長が求められています。
製薬企業は、創薬や臨床開発においてリアルワールドデータ(RWD)を活用しています。RWDは、実際の患者データに基づいた情報であり、医薬品の安全性や有効性を証明するために不可欠です。このデータを活用することで、製薬企業はより現実的かつ迅速に医薬品を開発・評価することが可能となります。調査では、特に「治療・服薬支援」に関する取り組みが多数を占めていることが明らかとなり、その中でも多くの企業がデジタル技術を用いたアプローチを模索していることが示されています。
また、デジタルヘルスの技術面では、Webやアプリを使用した取り組みが圧倒的に多く、167件以上の事例がこれに該当します。このことは、デジタルソリューションが医療の現場に組み込まれ、医師や患者とのコミュニケーション向上を図る努力がなされていることを意味しています。さらに、人工知能(AI)の導入も多く見受けられ、特定疾患の解析や新たな治療法の開発に貢献しています。
このように、デジタル化により製薬企業は革新的な改善が求められる環境に直面し、多様なデジタルヘルス事例が生まれています。今後の製薬業界においては、RWDの利活用をより加速させ、患者と地域社会に有益な医療サービスへと導くことが期待されます。詳しくは「株式会社シード・プランニング」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部海道