八千代エンジニヤリング株式会社が実施した調査は、日本の製造業が直面する「2025年の崖」の現状を浮き彫りにしています。これは、経済産業省が提唱した、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進まないことで生じる経済損失のリスクを指します。調査の対象は、全国の製造業において後工程(保全、生産技術、組立/加工、品質)に従事する500名の従業員です。
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調査結果によると、製造業従事者の60%以上が「2025年の崖」という概念を認知していないことが明らかになりました。これは、デジタル化への取り組みが進んでいない企業が多い現状を示しており、経済産業省が警鐘を鳴らしているにもかかわらず、業界内での認知が不十分であることが懸念されます。この認知度の低さが、企業全体のデジタル化の遅れに繋がり、結果として競争力の低下や経済損失を招く可能性があります。
また、DX推進状況についても注目すべき結果が出ています。調査に回答した中間管理職層の約44%がDXに取り組んでいると答えた一方で、経営層ではわずか24.3%、現場層では16%と低い割合に留まっており、経営層や現場の意識の差が浮き彫りになりました。このことは、総合的なデジタル化推進が進まない一因となっていると考えられます。
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さらに、保全技術の伝承に必要な期間についても調査が行われ、全体の4割が「5年以上必要」と回答しました。しかし、保全従業員の約2割が60歳以上であり、熟練者不足の危機が高まっているのです。この状況から、次世代への技術継承が間に合わない可能性が高まり、企業全体の競争力にも影響を及ぼす恐れがあるのです。
この調査結果から、製造業界のDX推進には認知度向上が重要であることが分かります。企業の未来を見据えた取り組みを行うためには、DXに対する経営層の意識を高め、熟練者の技術を次世代に引き継ぐための迅速な対策が求められます。詳しくは「八千代エンジニヤリング株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部熊谷