犬は飼い主の帰りを予知している?
仕事やお出かけから家に帰宅した際、外が見える窓から愛犬が顔をのぞかせていたり、ドアを開けてすぐに飛びついてきたりといったことはありませんか?
このように、犬は飼い主さんが帰って来ることがわかっていたかのような行動を見せることがあります。
犬は人間には見えないものも感じられると考えられているため、予知能力があると思われることもありますが、実際には犬が持つ優れた能力によって"予測”をしているのです。
犬が飼い主の帰りに気がつく理由
残念ながら犬の予知能力について、明確に分かっていることはありません。しかし、犬が飼い主さんの帰宅を予測するために使っている能力や理由については、いくつかのことが考えられています。
日頃の習慣や周囲の状況
犬は自分の生活にかかわる様々なことを観察し、安全性や快適性を考えながら暮らしています。
そして、飼い主さんが帰宅することを察知、予測するときにもその観察力と学習能力が役立てられていると考えられています。
元々時計を見て時間を把握するということがない動物は、体内時計ともいうべき感覚を持っていますし、空の明るさなどの情報を得ることで1日のリズムをつかんでいます。
そのため、仕事で同じ時間に家を出て帰ってくる飼い主さんの場合は、「習慣記憶」と呼ばれる感覚や能力で生活パターンを予測していることがあるようです。
家族の様子
前述したように、犬は観察力やそこで得られた情報から予測する能力を持っています。そのため、一緒に暮らしている家族や同居のペットのこともよく見ていて、感情を読み取ることにも長けています。
飼い主さんが帰ってくるときにも、同居している家族の様子や態度からそれを察知することがあります。
家族のひとりから電話やメールで帰宅を知らせる連絡があると、食事の用意をしたり片づけを始めたりといった動きが見られると犬もそれに気がつきます。
そういった具体的な行動はなくても、帰宅時間を知っている家族の表情や行動の些細な変化を見て、犬も察知することがあるのです。
嗅覚や聴覚
犬の嗅覚や聴覚が優れていることは、多くの人が知っていると思います。その能力は、飼い主さんの帰宅を察知するときにも発揮されているのです。
イギリスでおこなわれた実験では、数ある犬種の中で最も嗅覚が優れているとされるブラッド・ハウンドが約800m先のにおいを嗅ぎ取ったという記録が出ています。
もちろん、建物の中にいる状態でそれほど遠くのにおいを嗅ぎ分けることはむずかしいと思います。しかし、飼い主さんの乗る車やバイクの排気ガスなどのにおいに、人間よりも早い段階で気がつくことはあるとされています。
それは聴覚でも同じことが考えられて、車やバイクのエンジン音、自転車のブレーキ音、飼い主さんの足音、カバンについているキーホルダーの音などを聞き分けて、帰宅を察知していることがあります。
外から聞こえてくるそうした音に気がついて、飼い主さんがドアを開ける前から玄関で待ち構えている犬は非常に多いとされています。
まとめ
犬が様々な能力をフル活用して、飼い主さんの帰宅をしているのは、飼い主さんに会えることを心待ちにしているからです。
「いつ帰ってくるかな?」「そろそろ帰って来るだろうな」と楽しみにしてくれている愛犬の姿を思うと、こちらもうれしい気持ちになりますよね。
帰宅後は、飼い主さんを待ちわびている愛犬とたっぷりコミュニケーションをとって、素敵な時間を過ごしてくださいね。
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