1.作業の邪魔をする
猫が飼い主に無視されると、作業の邪魔をしてアピールすることがあります。パソコンや新聞に乗って飼い主を困らせる猫の姿は、『ネコハラ』として話題になることも。
「お腹が空いている」「トイレ掃除してほしい」など生理的欲求、「それなあに?」「私にも見せて」など好奇心で近づいてくることが多いようです。しかし「構ってほしい」と甘えていることもあるようで、そんなときには猫が傷ついていることが疑われます。
とはいえ、猫をあしらいながらの作業は効率が悪いばかりか、思わぬ事故につながることもあります。
お互いにストレスなく過ごせるよう、作業に入る前にたっぷり遊んであげてください。作業中はパソコンやデスクのそばに、お気に入りの箱やブランケットを設置しておくといいでしょう。
好奇心旺盛な猫の場合、目を離したすきにいたずらをして事故に繋がったり、誤食などをしてしまうことも。
目を離す可能性のある時は、ケージの中に入ってもらうなどの対策を考えましょう。
2.攻撃的になる
遊んでほしいのに飼い主にスルーされた猫が、人の指に噛みついたり引っ掻いたりすることがあります。欲求を発散させる対象がないために、人に当たっていたり、注意を引いているといえるでしょう。
また、人ではなく物に当たるタイプの猫もいます。カーテンにしがみついたり、棚にある物を叩き落としたり、ゴミ箱をひっくり返したり…。飼い主さんの反応を待っているのかもしれません。
単に遊んでいるだけの可能性もありますが、最近猫を無視したことがなかったか振り返ってみてもいいでしょう。
耳をピンと張って外側に向けたり、尻尾をターンターンと地面に叩きつけるのが猫の怒りの表現です。これらの行動を見せたときは、ストレスを溜めている可能性大。大きな事故を起こす前に、猫の気持ちを汲み取ってあげましょう。
3.激しく鳴く
無視されたことが寂しくて、小さな子供と同じような行動を取る猫もいます。飼い主の目をじっと見つめ、大きな声で「ニャーン」「アオーン」などと鳴くのです。「ママ、ちゃんと話を聞いてよ!」といった具合でしょう。
訴えが緊迫しているほど声は大きくなり、また語尾が長くなるといわれています。低い声で「アオー」などと遠吠えのように鳴くときも。猫社会でも意思表示として鳴き声を使うことが多く、猫にとっては便利なアピール方法のようです。
しかし、あまりにもひどいと近所迷惑になる可能性もあるでしょう。鳴いたら構ってもらえたという経験を1度でも作ると、『大声で鳴くと構ってもらえる』と学習してしまいます。
そのため、愛猫が鳴いている間は静観し、静かになってから遊んであげるのがおすすめです。
4.過剰に毛づくろいする
異常な頻度で毛づくろいをするのも、無視されたストレスによるものかもしれません。
心を落ち着けるために体を舐めていたのに、止まらなくなってしまうことがあるのです。自分の尻尾を噛んで傷つけてしまう猫までいます。人間でも、手洗いをしすぎるなど過剰な行動を繰り返す『強迫性障害』が知られていますが、それと似ているかもしれません。
過剰な毛づくろいはざらざらな舌を持つ猫にとって皮膚炎のリスクを高めます。舐めてボロボロになった皮膚が細菌感染を起こしてしまうことも。
また、飲み込む毛が増えて毛球症を起こし、便秘などのトラブルを起こすケースもあります。
舐め壊してしまった場合にはエリザベスカラーが使用されますが、それだけでは解決になりません。
猫の正常な毛づくろいの時間は、個体差がありますが1日あたり15~20分程度とされています。それ以上体を舐めているときは、名前を呼んだり遊びに誘ったりして、気をそらしてあげるといいでしょう。
まとめ
猫のイタズラには『無視』がいいというのは間違ってはいませんが、一方で、やりすぎると猫を傷つけてしまう可能性があります。
飼い主への不満がストレスとなって体調を崩したり、更なる問題行動のきっかけとなることも。なるべく愛猫を傷つけずに躾をするためには、猫の気持ちに寄り添うことが大切です。
今回解説したような行動が見られたときには、まずは愛猫がどんな性格なのかということを理解した上で、適切な距離感で愛猫の「甘えたい」「構ってほしい」という気持ちを満たしてあげてくださいね。
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