猫との暮らしに欠かせない「爪切り」。
苦手です…という猫ちゃんや、飼い主さんも多いのではないでしょうか。
爪切りが上手くいかない理由は、持ち方と爪への当て方が正しくないのかもしれません。
正しく使うとどう変わるのか?
・切れ味(スパッと感と爪の断面のキレイさ)
・安定感(切りやすさ)
・爪切りに要する時間 etc
獣医さん全面協力のもと、正しい爪切りの使い方と、おとな猫ちゃんの爪切りのコツをお届けいたします。
ご協力いただいたのは、東京都中央区月島駅すぐそばにある「アニーマ動物病院」の院長先生ご夫妻です。
愛猫ルンバちゃん、バルちゃんを溺愛中❤
ルンバちゃんは、爪切りが大の苦手で、獣医師さんであっても、対策なしでは怪我が免れないのだそう…。
使用爪切り「スパッと切れる猫用爪切り 日本製」
今回使用した爪切りは、猫壱の「スパッと切れる猫用爪切り 日本製」です。
刃物産業の街 岐阜県関市で、熟練の職人さんの手で1品1品仕上げている猫壱自慢の1品。
先生からも切れ味がいいとお墨付きをいただきました✨
猫の爪切りへのストレスを少しでも減らしてあげるためには、爪切りの切れ味は非常に重要です。
苦手な猫ちゃんこそ、切れ味にこだわってみてあげてくださいね。
正しい爪切りの持ち方
爪切りの持ち方は、日常生活で工作用はさみを使う時などとは異なります。正しい持ち方をすることで、手元がぶれにくく安定し、切りやすくなります。
指穴には、利き手の「親指」と「薬指」を入れましょう。
「中指」は、「薬指」を入れている側のハンドルに添えて、支えます。
「人差し指」は、はさみの支点のあたりに添えます。
そうすることで、手先がブレにくく、安定して爪切りを持つことができます。
正しい刃のあて方
猫の爪に対して、正しく爪切りの刃をあてることにより、切り口をキレイに、スパッと切ることができます。◯正しい刃のあて方
→爪に対して、「刃を左右から切る」
スパッと切りやすく、切る位置や長さが見えやすい角度です。
爪切りを動かすのではなく、猫ちゃんの手足を正しい角度に合わせて、少しずつ動かして調整してあげましょう。
△避けた方が良い刃のあて方
→「刃が上下」の位置で切る。
※爪が小さい子や、爪が柔らかい子猫、若い猫の場合は、こちらの角度でも、問題なく切れるケースもあります。
比較的爪が大きく硬い、おとな猫の場合は、◯の角度を試してみてください。
爪切りのコツ①
「ひとりで爪切りをする場合」
比較的爪切りが苦手ではなく、ひとりで爪切りができる場合のコツを伺いました。
猫ちゃんが暴れ出してしまったときに、無理に押さえつけようとしないこと。
押さえつけようとすればするほど、猫ちゃんもイヤイヤモードが高まり、ますます暴れてしまいます。
なでたり、声をかけたり、逃げよう!という意識を他に向けてあげてるのがポイントです。
少量ずつあげられるおやつを近くに置いておき、ご機嫌をとるのもおすすめ。
爪切りが苦手ではない猫ちゃんを苦手にさせないためにも、ご機嫌で終われるように工夫しましょう。
爪切りのコツ②
「ふたりで爪切りをする場合」
比較的爪切りが苦手な猫ちゃん、甘えん坊の猫ちゃんの場合、人手があるのであれば、ふたりで行うと安心です。
ふたり体制で爪切りができる場合は、ひとりが猫ちゃんを抱っこする担当、もうひとりが爪切りを担当しましょう。
猫ちゃんの上手な支え方は、顎の下をお腹に手を添えてあげます。
そうすることで猫ちゃんが動きづらくなり、噛まれたり、暴れたりすることでの怪我を防止します。
ふたりで行うときも、ひとりで行う時同様に、無理に押さえつけるのではなく、優しく声掛け&なでて気を逸らすがポイント。
おやつも上手に使いましょう。
爪切りのコツ③
爪切りが苦手 暴れてしまう猫ちゃんの場合
先生の愛猫ルンバちゃんは、爪切りが大の苦手!
院長先生ご夫妻がふたりがかりでも、対策なしでは怪我が免れないほどの暴れっぷりなのだとか…
ルンバちゃんのように大暴れしてしまう猫ちゃんの爪切りの場合、先生のおすすめは「カラーを使うこと」だそうです。
動物病院で使用しているカラーはプラスチック製ですが、布製など様々なタイプが販売されているので、猫ちゃんに合うカラーを見つけてあげて、まずはカラーに慣れてもらうところから始めてあげましょう。
カラーをして噛まれることをある程度防止しても、ルンバちゃんのように、キック!が入る子は、おやつも併用しましょう。
爪切りの時用に、とっておきを用意しておくのも良いでしょう。
爪切りのコツ④
猫ちゃんの年齢別 爪の押し出し方
猫ちゃんの爪を切るときは肉球をぷにっと押して爪を押し出す、というのはご存知の方が多いと思いますが、どこまで、どんな力で出したらいいのかは、猫ちゃんの年齢により異なります。
★若い猫の場合
猫の手を持ち、爪の上あたりをグッと押して爪を押し出します。
そうすることで、爪がしっかりと見え、切りやすくなります。
★シニア猫の場合
シニアの年齢になると、猫も人と同じ用に、関節に痛みを感じる子も多くなります。
若い猫のようにグッと押し出すと痛みを感じ、爪切りを嫌がる原因になってしまうことがあります。
優しい力で、爪を押し出しすぎないようにしてあげましょう。
若い時は爪切りを嫌がらなかったのにも関わらず、シニアの年齢になり嫌がるようになった場合は、痛みを感じている可能性があります。
爪の押し出し方を気をつけてあげてみてください。
爪が伸びていると、起きやすい事故やリスク
猫の爪切りは大切。
では、どうして大切なのか。
爪切りをせずに、爪が伸びたままの状態はなぜ避けたほうがいいのか、起きやすい事故やリスクを教えていただきました。
①お家のカーテンなどの布製品に爪が引っかかってしまう。
→引っかかっていまい取れなくなった状態で、猫の体重がかかるなどした場合、根本から爪がもげて取れてしまうような大事故に繋がりかねません。
爪切りをこまめに行うことに加えて、カーテンなどの布製品は爪がかかりづらい素材を選ぶなど、対策を。
②巻き爪になり、伸びた爪が肉球に刺さってしまう。
爪が伸び切ってしまうと、爪が肉球側に巻いてきて、肉球に刺さってしまいます。
特にシニアの年齢の猫ちゃんで起きやすいそうです。
シニア猫の爪は、若い猫よりも分厚く硬くなります。
刺さってしまうと、猫が非常に痛い思いをすることになります…
爪切りが苦手な猫ちゃんの場合、爪切りが億劫になってしまうこともあると思いますが、事故を防ぐためにもこまめに爪切りをしてあげるようにしましょう。
万が一、爪切りで出血をしてしまった場合は…
ご自宅で爪切りを行い、万が一出血してしまった場合は、慌てずに止血を行いましょう。清潔なガーゼやティッシュなどで、出血箇所を抑えます。3分ほど抑えていると自然に血が止まることが多いそうです。
3分以上経っても血が止まらないという場合は、動物病院を受診しましょう。
また、夜間救急で爪切りや、毛玉取りハサミでの怪我による受診は意外と多いそうです。
日中はお仕事などでバタバタしてしまうと思いますが、できる限り爪切りは夜間ではなく、病院の開いている日中に行うほうが安心でしょう。
苦手な子は無理せず病院へ
本当に苦手な猫ちゃんの場合は、無理をせず、病院を頼ってほしいということも先生は仰っていました。何をどうしても、苦手な子はいるのだそうです。
猫ちゃんの性格を見極めて最適な方法を見つけてあげてくださいね。
Q&A
猫壱Instagramにて、猫壱ファンのみなさまからいただいたご質問に、お答えいたします(=^・・^=)
ご参考いただければ幸いです。
Q1「○の角度で切ってますが…私はハサミ全体が上です。
爪は上から下に向かって切り込んだほうが切口がキレイになるかなと思ってましたが、下から上にカットするほうが良いのでしょうか?」
A1「上から下でも、下から上でも大丈夫です。猫ちゃんが動いた時など、猫ちゃんやご自身がケガをしないようお気をつけながら爪切りをされてくださいね。
次回、猫ちゃんの手の角度と爪切りの刃の当て方について、もう少し詳しくご紹介出来たらと考えています。
またご覧いただけましたら嬉しいです!」
Q2「14才のコがいます。爪切りのときに爪が分厚くなっていて、ピンクの血が通っている部分が見えにくくてどこまで切っていいのか分からないし、爪の内側にも爪みたいに硬くないものがあるんですけど、どうしたらいいですか?」
A2「2-3mmを目安に切ってみていただけますでしょうか。
もしくは、曲線になっていて明らかに細い部分を切るようにお願いいたします。
その際、残す部分を少し長めにしたほうが安心です。
高齢の子は関節の痛みを感じる事もあるので、猫ちゃんの爪をあまり強く押し出しすぎないように、優しくしてあげてくださいね。」
Q3「うちの子は抱っこも膝の上に抱えられるのもお腹や顎を触られるのも大嫌いでお手上げです。
今は月1で病院に爪切りに行っています。」
A3「まずは、抱っこや触った時のみにおやつを1つor2つ3つ舐めるを繰り返し、抱っこをされたらイイ事があると猫ちゃんが理解するようにしましょう。
急に抱っこをするとビックリして、余計に苦手になってしまうことがあるので、おやつを見せて、猫ちゃんが自分から膝の上に乗ったら、抱っこされるように誘導をしましょう。
苦手な事を好きになるには、時間を要します。
また、猫ちゃんが甘えモードの時や小腹が空いている時など、適切なタイミングにトライすることも大切です。
猫ちゃんのために、毎日少しずつ、我慢強く、慣れていくよう心がけましょう。」
Q4「基本的に抱っこが苦手で、お腹を上にして抱っこさせてくれません。」
A4「横になっている状態で、リラックスしている時のほうが爪切りをしやすい場合は、それでも大丈夫です。
猫ちゃんが怖がったり、暴れたりしないよう、1日1-2本など、毎日少しずつ切ってみましょう。」
動物病院でも暴れてしまう猫ちゃんの場合は、カラーをつけて、↓の写真のように保定するそうです。
カラーをつけても暴れてしまう、ふたり以上の人手がある場合、参考にしてみてください。
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獣医さん全面協力のもと、猫の爪切りの正しい使い方とコツをたっぷりお届けしました。
いかがでしたか?
猫ちゃんとの暮らしに欠かせない爪切りへの悩みが少しでも解決しましたら、大変嬉しく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は「子猫ちゃん編」を予定しております!ぜひ、お楽しみに。
★使用商品
スパッと切れる猫用爪切り 日本製
★ご協力
アニーマ動物病院
村谷院長ご夫妻&愛猫バルちゃん・ルンバちゃん
〒104-0052
東京都中央区月島1-5-2 キャピタルゲートプレイス
TEL:03-5144-0012
Instagram:https://www.instagram.com/anima_a.h/