日本猫(和猫)がかわいい!特徴・歴史・種類・飼いたい場合
我が家の猫は先代も今の猫も、2匹とも保護猫です。
先代がキジトラ、今の猫がキジ白で柄は違いますが二匹とも品種のないいわゆる雑種の猫になります。
病院に連れて行くとカルテに品種欄のある病院もあるかと思います。
我が家の猫の病院もカルテに品種欄があり、雑種と書かれるのかと思っていたのですが、先代は『日本ネコ(キジトラ)』と記載がありました。先代はいくつかの病院に通っていましたが『日本猫』という書かれ方をしているところもあれば、ただ『猫』とだけ書かれたものや柄のみが記載されているところもありました。
現在の猫は先代猫とは違う病院に通っているのですが、そちらも『日本ネコ(キジ白)』と書かれていました。
病院により記載の方法は異なりますが、我が家の猫はどうやら雑種ではなく日本猫と呼ばれる猫なのかもしれません。
いったい日本猫とはどのような猫なのでしょうか?
日本猫について調べてみました。
1. 日本猫(和猫)とは?
日本猫とは、日本にいる日本特有の猫種のことを指します。
しかし、今日本には純潔の日本猫は存在しません。
第二次世界大戦時に海外から洋猫が大量に持ち込まれた際に、放し飼いが主流だった日本猫たちが洋猫と交配を繰り返したため、純粋な日本猫の血統はもうほとんど存在していないと言われています。
我が家の猫などのように、今日本猫と呼ばれている猫は正確には日本猫と洋猫の雑種と言えるでしょう。
2. 日本猫の特徴
日本猫は丸い顔・高い鼻筋・太い手足・短毛・程よい体格が特徴だと言われています。
長毛の洋猫と交配をした猫の子孫など例外はあるかもしれませんが、今日本猫と呼ばれる猫の大半が毛は短く、中型猫で鼻筋も通っているのではないでしょうか。
我が家の猫もこの特徴にほとんど当てはまっているように思います。
日本猫と聞くとジャパニーズボブテイルの印象から『しっぽが短い猫』をイメージする人もいると思いますが、日本猫のしっぽの長さに関しては諸説あります。
日本猫は細く長い尻尾を持っている、日本猫の中にはしっぽの曲がっている猫もいるという真逆の特徴も持ち合わせています。
そのため、しっぽが短いことを日本猫の特徴としてあげるのは賛否両論があるようです。
日本国内でも、西日本にはしっぽの短い猫が多く、東日本にはしっぽに長い猫が多いと言われています。
ただ日本のしっぽが短い猫や、しっぽの短い猫の遺伝子から生まれやすいとされる尾曲がり猫のような猫は世界に少ないと言われています。
世界的にしっぽの短い猫があまりいないため、日本猫の特徴として猫のしっぽが短いというものがあげられるのかもしれませんね。
3.ジャパニーズボブテイルは日本ネコ?
現在、日本猫という名前の猫は公式には認められている品種ではありません。
しかし、日本猫という品種が存在はしていませんが日本猫がベースとなっている『ジャパニーズボブテイル』という品種は血統登録団体CFAにより公式に認定されています。
ジャパニーズボブテイルはぼんぼんのような丸っこい、短い尻尾が特徴の猫種です。
登録年度は1976年なので、かなり歴史の長い品種と言えるでしょう。
ではジャパニーズボブテイルは、日本猫なのでしょうか?
実はジャパニーズボブテイルは日本猫の血統ではありますが、日本猫ではありません。
ジャパニーズボブテイルはジャパニーズボブテイルという品種です。
日本猫は特定の品種の猫を指すわけではないため、ジャパニーズボブテイルのことを日本猫とは言えないそうです。
3. 日本猫の歴史
日本にいつ、猫がいつから日本にいるのかは所説あります。
ただ、弥生時代の遺跡から猫の遺骨が発見されたため、紀元前から猫も日本にいたのではないかと言われているようです。
現在のような日本猫は奈良時代に経典をネズミから守るために中国から輸入されたと言われていますが、奈良時代に猫がいたしっかりとした資料はあまり現存してはいないようです。
一番古い猫の記述があるのは飛鳥時代にかかれた『日本霊異記』だと言われています。
猫が人に飼われる記述もあることから、飛鳥時代には猫はもう人間にとって身近な存在だったのかもしれません。
現在の猫に近しい猫の記述が出てくるのはそれから約180年後の平安時代。
889年(昌泰2年)に時の天皇である宇多天皇による黒猫の飼育日記が残されています。
宇多天皇の黒猫は『唐から渡来した猫』との記載があるため、現在の中国から輸入した猫だったようです。
またその他にも、天皇家が猫を送った記載のある文献が残されていますが、わざわざ『唐猫(中国渡来の猫)』と記載されているため、平安の時代には中国から輸入された猫と日本に元々いた猫がいた可能性があるのかもしれませんね。
平安時代には猫が登場する和歌や物語が数多く存在しています。唐猫なのか、日本に元からいた猫なのか、それとも交配種なのかはわかりませんが平安時代には、猫が人々の身近に居り親しまれていたことがわかります。
古来の猫の飼われ方には見る文献によりばらつきがみられます。
猫が逃げないように紐につながれて飼われる描写があるものもあれば、ネズミを捕るために放し飼いにされていた記述もあります。
あくまで想像ですが、愛玩動物の位置づけで飼われていた猫はひもでつながれ、ネズミ捕り目的で飼われていた猫は放し飼いで飼われていたのかもしれません。
平安時代以降も中国からの猫の輸入はあったものの、純粋な『日本猫』と呼ばれる猫たちは安定して猫種として存在していたと考えられています。
もしかすると、純粋な日本猫と呼ばれている猫たちは時代背景的に中国から来た唐猫とのミックスだったのかもしれません。
純粋な日本猫が減少したのは、第二次世界大戦以降、アメリカ軍の進駐軍によるものだと言われています。
世界大戦後にアメリカで飼われていた洋猫が大量に来日し、日本猫と交配、純粋な日本猫が徐々に減っていったと言われています。
4. 日本猫の種類
日本猫の減少に危機感から、日本猫の標準を決めようという試案なども1971年に作成され、日本猫保存会も発足されましたが、現在でも日本猫保存会が残っているのか、文献が少なく、情報もあいまいです。
日本猫の標準色というものが定められているようで、毛色で種類が分けられているようです。
簡単にですが、日本猫の標準色として当時定められた種類をご紹介します。
◆単色部門(ソリッドカラー)
白・黒・灰・赤のうちの1色のみの被毛で覆われた猫のことを指します。
現在赤毛1色のみの猫は日本にはいないように思いますが、当時はいたのかもしれませんね。
◆二色部門(バイカラー)
白地に黒・赤・灰・縞のどれか1色の模様を持つ猫のことを言います。
いわゆるぶち猫ですね。
日本猫的には、柄は上部にあった方が理想的とされていたようです。
◆斑部門(バンバイカラー)
現在はぶち猫にまとめられていることが多いように思いますが、バンバイカラーとは白い被毛に耳やしっぽにのみ色が入っている猫のことです。
黒・灰・赤・縞のどれかの1色の色が入っており、猫の目は金色であるとされていました。
◆三毛部門(キャリコ) 三毛(キャリコ)
白地に赤と黒の斑の入ったねこのことをキャリコと言います。
いわゆる三毛猫ですね。
今も昔もメスのほうが多いと言われており、オスは珍しく縁起が良いとされていました。
◆トビ三毛(バンキャリコ)
三毛猫と同じ色配色ですが、ほとんどの被毛が白く耳やしっぽの周辺のみ三毛猫の色が出ている場合、バンキャリコと呼ばれる種類に分類されるようです。
◆縞三毛(キャリコタビー)
キャリコタビーも、色の配色は三毛猫と変わりません。
黒と赤の被毛に縞の模様がはいるとキャリコタビーに分類されるのだそうです。
◆縞部門(タビー)
トラ柄・縞模様と呼ばれている猫のことを指します。
灰色地に黒の縞模様のサバトラ。
こい茶色に黒の縞模様のキジトラ。
明るい茶色に濃いオレンジの縞模様の赤トラ(茶トラ)。
上記3つのトラ柄については、皆さん一度は目にしたことがあると思います。
実はトラ柄には、もう一種存在していたと言われています。
それが『雲型』と呼ばれるクラシックタビーの柄です。
元々日本猫にあった柄ではなく、西洋猫によくみられる柄でした。
アメリカンショートヘアーがクラシックタビーの柄を持つ代表的な猫と言えるでしょう。
日本猫によくある細いトラ柄ではなく、太い縞があり、体の側面では渦を巻いているのが特徴です。
日本猫の雲形はアメリカンショートヘアーなどの西洋猫と日本猫が混ざった柄だと考えられていますが、日本猫のトラ柄よりも劣勢遺伝だったため、日本猫の雲型はほぼ見られないそうです。
純粋な日本猫の種類の一つなのか?と問われると洋猫も混ざっているため少し疑問は残りますが、日本猫保存会では、正式な日本猫の柄として定められていたようです。
◆混色部門(パーティカラー)
いわゆるさび猫のことを指します。
全体的な色調は鉄錆のような色をしており、黒の地色に赤、クリームがまだらに分布されているのが特徴です。
被毛の遺伝子的には三毛猫と似ているためメス猫の方が圧倒的に多いことも特徴です。
今の日本猫とは少し違う点もあるかもしれませんが、当時は上記のような色と日本猫の特徴を併せ持つ猫のことを日本猫と呼んだようです。
5. 日本猫を飼いたい場合
前述もしましたが、現在日本には純粋な日本猫は残っていません。
そのため日本猫を飼いたい場合は、日本猫の血が混ざっている猫を飼うとよいでしょう。
今の日本では、日本猫の血が混ざった猫を飼おうと思うと生体販売をしているペットショップで手に入ることはほぼありません。
保護団体からの猫を譲渡してもらう場合、高確率で日本猫の血を継いだ猫をもらい受けることができます。
日本猫が飼いたいのであれば、ぜひ保護猫を家族に迎えることも検討してみてくださいね。
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