猫は完全肉食動物。だから野菜は食べさせなくてもいいはずなのに、どうしてキャットフードには穀物や野菜が入ってるのかしら?それに、猫草は猫にとって栄養があるの?
愛猫と暮らしていると気になる猫の食事ライフ。人間と違う体の仕組みを持つ猫だと知りつつ、やっぱり本当は野菜は必要なのでは?と考えてしまいます。
猫の健康を考えると、100%肉だけの方がいいのかも?みなさんは愛猫にどんなご飯を食べさせていますか?今回は、前から疑問に感じていた、猫と栄養にまつわる5つの疑問について調べてみました。
■猫は肉食なのに、どうして「総合栄養食」には穀物や野菜が入っているの?
もともと猫は生きた獲物を狩って捕食していた動物です。猫の獲物となった動物の筋肉にはグルコース(炭水化物を分解してできる糖)が含まれていました。
しかし現在の猫が主食にしている総合栄養食と言われるキャットフードの原材料になる肉には、このグルコースは含まれていません。
そのため炭水化物である穀物を配合することで、このグルコースを補っているのです。また、捕獲した獲物の内蔵に含まれるビタミン類を補うために野菜も配合しているそうです。
猫は完全肉食動物ですが、穀物や野菜に含まれる植物性タンパク質や繊維質も猫の体にとっては大切な栄養素なのだそうです。
■猫草には栄養があるの?
一般的に猫草と呼ばれる植物はイネ科の植物で、ビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれています。しかし猫の歯を見るとわかりますが、猫は肉食動物物なので、歯が尖っているため猫草を歯ですりつぶすことができません。
そのため、せっかく食べた猫草もそのままの形でウンチに混じって体外に排出されてしまいます。そのことを考えると、猫草の栄養素は猫の体には消化吸収されないのではと推測されます。
しかし猫草を欲しがる猫が多いのは事実。猫の毛玉を吐くのに、猫草が役に立つという説もあるので、猫が好むなら与えるのは構わないでしょう。
■犬用のおやつやフードを与えても大丈夫?
犬と猫を飼っていると、時々「同じフードをあげてもいいのでは?」と思ってしまいますが、猫が肉食なのに対して、犬は人間と同様の雑食です。栄養素を考えた場合、猫の方が必須アミノ酸が多いなど、必要な栄養素が異なります。
また犬用のおやつを考えた場合、犬は何度も噛んで食べることを好むため、硬いものが多い気がします。猫は犬のように何度も噛む食べ方ではなく、小さく噛み切るとすぐに飲み込む食べ方をします。
犬のおやつを猫にあげると消化不良を起こすことも考えられますから、犬用のおやつやフードは猫に与えない方が良いでしょう。
■人間同様、猫もカルシウム不足は気をつけた方がいいの?
猫の総合栄養食には必要なカルシウムが含まれています。特にカルシウムだけ与える必要はないでしょう。
授乳中の母猫にはカルシウムが不足することは考えられますが、動物病院で処方されるフードを与えるなどといった対応でカバーできます。
猫はむしろカルシウムを摂取しすぎる方が結石などの病気の要因にもなりますし、尿管などに詰まる危険も考えられます。
人間の食べ物で、煮干などのカルシウム類を与える場合は、与えすぎないように注意が必要です。
■猫の栄養が偏るとどうなるの?
猫のフードは総合栄養食が基本ですが、猫が好きなおやつだけを与えたり、手作りご飯などを主食にしている猫は、栄養が偏る場合があります。
猫の栄養の偏りが原因で起こる病気には、皮下脂肪が酸化して炎症が起こる「黄色脂肪蓄積症」や肥満が原因の「糖尿病」、膵臓が炎症を起こす「膵炎」などがあります。
手作りごはんは猫の栄養素をきちんと考えて作る必要があります。猫と人間は必要な栄養素が違うので、混同しないように気をつけましょう。
■最後に
いかがですか。猫に必要な栄養素、やはり穀類や野菜が総合栄養食に含まれるのには理由があったのですね。肉ばかりだと値段が高くなるのでカサ増ししているのでは、と思っていましたが、違うようです。
よく建築や体型で言われる「黄金比」という言葉。猫をみると本当に完璧な黄金比の体型をしていることに驚かされます。猫の健康を考えて、愛猫の体型維持には気をつけてあげてくださいね。