柴犬の性格
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世界で約850万人が愛読するビジュアルマガジンナショナルジオグラフィックの2012年2月号アメリカ版に、80種類の犬とオオカミやコヨーテなどのDNAを検証した結果、柴犬が最もオオカミに近いDNAを持っていることが判明したと掲載されていました。
この検証結果からもわかるように、柴犬には野性味溢れる性質が今でもしっかり残っており、警戒心や忍耐力、リーダーと認めた人への忠誠心が強いと同時に、狩猟の時に鍛えられた、自分で考え行動する独立心も強く残っています。
主人への忠誠心と独立心という、両極端とも思える性質を持っていることが柴犬をより魅力的に見せるわけですが、別の言い方をすれば「ツンデレしやすい性格」ともいえます。
ツンデレとは
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ウィキペディアによると、ツンデレとは
特定の人間関係において敵対的な態度と、過度に好意的な態度の二つの性質を持つ様子、またはそうした人物を指す出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AC
とあります。つまり、自分から近づいておいて急に冷たくしたり、いつもはクールなのに二人きりだと甘えたりなど、ギャップがあるということです。
ギャップに振り回されることで無性に気になったり、自分だけが知っている一面があると優越感に浸ったりなど、ツンデレには相手を意識させる効果があります。恋愛の必勝テクニックといわれているツンデレですが、人間と犬との関係ではどんな意味があるのでしょうか。
犬のツンデレの意味
犬が飼い主さんに見せる「ツンデレ」は、愛情や信頼の証です。
犬の場合は、恋愛の駆け引きのように振り向いて欲しくてとか、自分に注意を引くためという理由でツンデレな態度を取ることはありません。むしろ、安心できる相手、心から信頼している人に対してだけ見せる仕草です。
例えば、近くによってきてお尻だけをくっつけ、顔を見せずに背中だけを見せるのも、ある意味ツンデレ的行動といえますが、犬は信頼する相手以外には絶対に背中を見せません。
「無防備な背中を見せても大丈夫!」「絶対に襲ってこないし、むしろ守ってくれる!!」と確信しているからこそできることです。しかも、ちょこんと付けたお尻から飼い主さんの体温を感じ、犬としては最高にリラックスしている状態です。
他にも、犬の名前を呼んだ時にただ耳だけを飼い主さんに向けたり、尻尾を一振りだけしたりするなど、そっけない対応をされると、「随分クールだな」と混乱することもあるでしょう。しかし、犬目線で考えると「僕たちはあうんの呼吸で通じているよね」「こんな小さな反応でもキャッチしてくれるよね」という、愛情と信頼が詰まった対応なのです。
このように、人間のツンデレと犬のツンデレでは意味合いが異なります。人間は駆け引きや自己顕示のためにすることが多いですが、犬は信頼している相手にだけする愛情表現なのです。
柴犬のツンデレあるある
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側にいるのにつれない、愛情に答えている途中で去っていく…などなど、柴犬のツンデレエピソードはたくさんあります。
ここでは、具体例を3つご紹介します。
撫で~からのプイ
柴犬は、飼い主さんに認められると最高にハッピーな気分になるので、よく「撫でて撫でて」と頭をフリフリしながら近づいてきたり、身体を足にくっつけてきたりします。飼い主さんが「可愛いな~」と撫でていると、急にプイっとどこかへいくではないですか!!もしくは、冷めた表情で「もういいよ。」と頭をそらしたり…
飼い主さんからしたら、「エ~~~!!この気分の変化は何!?」となりますが、独立心旺盛な柴犬は少し撫でられればもう十分ハッピーになるので、デレデレからの急なツンに飼い主さんが慣れるしかありません。
おかえり~からのプイ
お留守番させておいて帰宅すると、それはそれは喜んで迎えてくれます。数分間の外出でも、尻尾をフリフリして全身で喜びを表現しながら歓迎してくれるので、「ただいま~」と駆け寄ると、スッと後ずさり…もしくはプイっと違う方向へ歩き出す…。
「エ~~!!」ですよね。警戒心が強い柴犬は、飼い主さんが帰ってくるとリーダーの帰宅に安心し、喜んでくれるのは間違い無いのですが、自分なりの喜び表現と挨拶を済ませたら、スッと日常に戻っていく傾向があります。いつまでもキャーキャー浮かれていないのです。
ジーからのプイ
飼い主さんをジーと見つめる柴犬。「そんなに私のことが好きなの?」と見つめ返すとプイッとされる…これもあるあるです。
こちらの視線は感じているはずなのに、もう目も合わそうとしないし、「別に見ていませんけど」的なオーラーを発する柴犬に、「何だったの~!?」と心がかき乱される飼い主さんは多いです。
でも、そんな一筋縄ではいかない柴犬がたまりません。