はじめに
猫と暮らす人に読んで欲しい本の一つに「猫の十戒」があります。これは猫と暮らす際の心得をまとめたもので、ユーモアを交えて飼àい主さんから猫への訴えをつづっているのが特徴です。
最近では、愛猫家さんのオリジナル十戒などもあり、素敵な十戒がたくさんあります。すでに猫と暮らしている飼い主さんは頷いて楽しむことができる内容がたくさんあると思います。今回は有名な2種類の猫の十戒をご紹介していきますので、是非楽しみながらご覧ください。
2種類ある「猫の十戒」
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猫の十戒には、「公益社団法人日本愛玩動物協会」の長崎県支所のホームページに掲載されている猫目線の十戒と飼い主目線の十戒があります。
本来の「十戒」というのは、神がイスラエル民族に与えたとされている聖書にある10個の法律です。猫の十戒のほかにも、犬の十戒もあります。こちらも有名ですが、どちらも作者は不明とされています。
1.猫目線の猫の十戒
猫らしく、上から目線の十戒でクスッと笑ってしまう部分もありますが、読み進んでいくと涙が溢れてきてしまいますよ。内容は以下の通りです。
第一戒:私の生涯はだいたい15年くらいしかありませんが、たまに20年以上生きてしっぽが裂けます。ほんのわずかな時間でもあなたが離れていると腹が立ちます。私が家族になってやるので、そのことを覚悟しなさい。
第二戒:あなたが私に望むことを理解するつもりはありません。待っても無駄です。
第三戒:私を崇拝しなさい。それが一番大事なことなのです。
第四戒:私を長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしてはなりません。でも狭いところは好きなので段ボール箱を用意するのは許可します。あなたには仕事や楽しみもあり、友達だっているかもしれませんが、私のお世話をすることに勝る悦びはないはずです。
第五戒:私に話しかけなさい。あなたの話していることが何かはどうでもいいですが、話しかけるあなたの声はわかるのです。ほめ言葉は特に。
第六戒:あなたが私にどんなふうにしてくれたか、私は決して忘れません。恨みは倍返しします。
第七戒:私をたたいたりする前に思い出しなさい。私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに、気が向いたときにしかかまないようにしていることを。
第八戒:私が言うことを聞かないと怒る前に、まずは自分に問い掛けてみなさい。たっぷり食事を与えましたか?それは私の好きなシーバですか?日なたで気持ちよく昼寝をしているのをじゃましませんでしたか?もしかすると年を取って体が弱てきているのかもしれませんが、どのみち私がしたいことに従わないほうが悪いのですから、あきらめなさい。
第九戒:私が年をとっても世話をしなさい。あなたも同じように年をとりますが、私は年をとってもかわいいのです。
第十戒:私が年をとっても世話をしなさい。そばにいて私を見送りなさい。「かわいそうで見ていられない」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて言うのは許しません。なでなさい。なで続けなさい。かわいいね、いい子だねと言いなさい。言いまくりなさい。そうすれば私は着換えの時間を短くしてやってもよいです。まあ、気が向いたら。
2.飼い主目線―猫の十戒
「そう、そう」と思わず声が出てしまう納得できるものがあると思います。「これは体験済み」と思うことがいくつあるでしょうか?
1.汝、人間がモデムを使っているときには、キーボードに飛び乗ることなかれ。
2.汝、モデムの後にある電話線を抜くことなかれ。
3.汝、トイレットペーパーをロールから全部引っ張り出すことなかれ。
4.汝、透明ではないのでテレビやモニターの前に座ることなかれ。
5.汝、冷蔵庫の上から勢いよく吐き戻すことなかれ。
6.汝、ディナーパーティーのときにやってきて、尻を舐めることなかれ。
7.汝、人間の顔の上に尻を向けて横たわることなかれ。
8.汝、高いところから人間の股間に飛びかかることなかれ。
9.汝、どんなに速く走ろうとも、閉まったドアを通り抜けることはできない。
10.汝、目覚まし時計の上を歩いてタイマーをリセットすることなかれ。
11.汝、蝶番付きのフタが開くごみ箱に乗って、落っこちる罠にはまることなかれ。
12.汝、人間が腰掛けようとした瞬間にトイレの便座に飛び乗ることなかれ。
13.汝、午前4時に眠っている人間の膀胱の上にジャンプすることなかれ。
14.汝、家とは機会があれば逃げ出せる刑務所ではないことを悟るべし。
15.汝、人間の歩みがいかに遅くとも、つまずかせることなかれ。
16.汝、家にゲストがいるときはトイレのドアを押し開けることなかれ。
17.汝、汝は肉食動物であり、観葉植物は肉でないことを思い出すべし。
18.汝、叱られたときには後悔してみせるべし。
10以上の猫への心得がありますが、どれもクスッと笑ってしまうものばかりですね。
猫の気持ちを知る
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「猫が話せたらきっとこんなことを伝えているのかな」と思うことが猫目線の十戒に含まれていますが。とにかく猫と仲良くやっていくには、触れ合ってコミュニケーションを取っていくことが大事です。
1.鼻をツンツンしてコミュニケーションを図る
親しい猫同士のコミュニケーションで交わされた鼻ツンツン。鼻キスとも言われています。お互いの鼻と鼻をくっつけてキスをするような行動です。
愛猫から鼻をくっつけられたら愛情の証ということになります。猫とコミュニケーションを取るために飼い主さんから愛猫に鼻をツンツンしてあげたら、愛してるということが伝わるかもしれませんね。
2.なでなでしてコミュニケーションを図る
愛猫が顔を舐めてくれる、髪の毛を食べようとしてくることはありませんか?それは愛猫が飼い主さんに対して毛づくろいをしてくれようとしているのです。毛づくろいは家族の一員として認めた相手にしかしないコミュニケーションです。
愛情を伝えようとしてくれるときには、それに応じてあげることができるでしょう。さすがに毛づくろいをしてあげることができませんが、代わりに優しくなでなでしてあげてくださいね。
3.飼い主さんの足にスリスリしている時
飼い主さんが帰ってきたときに見られるこの行動、愛猫が自分の物だと主張しているときに見られる行動なのです。愛猫からコミュニケーションを取ろうとしているサインです。
4.甘えてくれているときは思いっきり甘えさせる
コミュニケーション術として有効なのが、猫の気持ちに寄り添って猫が求めている行為に答えてあげることです。というのも、猫は大変気分屋なので、つい数秒前まで甘えモードだったのに、急にツンツンとしたり、フイッとどこかに行ってしまったりすることもあります。
猫の十戒を見ても感じますが、自由気ままで気分屋な猫ちゃんとコミュニケーションを取るには、猫のペースに合わせてあげるしかありません。
猫の甘え行動としてもっとも有名なのが、喉をゴロゴロと鳴らしたり、フミフミしてくれたりする行動です。この行為をしているときは、甘えたいモードのときなので、ここぞとばかりに愛猫をなでてあげたり、優しく声をかけてあげてたくさん愛情を注いであげましょう。逆に、一人になりたい気分や誰にもかまって欲しくないときには近づいてこなかったり、人の手の届かない場所でくつろいでいたりしますので、そっとしておいてあげましょう。
5.遊んであげる
猫とのコミュニケーションを取るために忘れてはいけないのが、しっかりと遊んであげることです。猫は遊んでもらうことが大好きで、一緒に遊んでくれる人に信頼を寄せる傾向にあります。そのため、1日のうちで10分だけでもいいです。ぜひ愛猫と猫じゃらしなどのおもちゃを用いたりして遊んであげる時間を作ってあげましょう。
猫によっては激しく遊ぶのが好きな子、どちらかというと飼い主さんに寄り添いながらおとなしくじゃれて遊ぶことが好きな子と分かれますが、遊んであげることで仲がよりギュッと縮まるきっかけになります。おもちゃを使わずに追いかけっこやかくれんぼをしてあげてもいいでしょう。
愛猫の好みを知ってたくさん遊んであげることによって、コミュニケーションを取り親密な関係を築けようになっていくことでしょう。喜んでもらえるのが分かると飼い主さんとしても嬉しいですし、満たされた気持ちになるのではないでしょうか。