目の色でルーツがわかるって本当?
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猫の特徴の一つとして、瞳の色がいろいろと違う、また変化するという点があります。みなさんも猫の目の美しさに見とれた経験があることでしょう。
猫の瞳はまるでビー玉や宝石みたいと言われるほどとてもキラキラしていて、そして吸い込まれるように美しいものです。そして、きっと子猫を飼ったことのある方はお気づきのように、子猫の時にはブルーだった瞳は大人になるにつれて少しづつ変化します。猫の目ってとても不思議ですよね。
不思議がいっぱいの猫の目ですが、じつは猫の瞳の色を見るとその猫のルーツが分かるといわれています。日本猫の目の色はカッパーと言われる銅色の瞳が多く、洋猫はブルーやグリーンなどの瞳の色を持つ猫が多いというイメージがあるかと思いますが、日本が原産国の猫に多い瞳の色と、海外にルーツを持つ猫の瞳の色って違いがあるんです。
人間も肌の色や目の色というのは、人種や住んできた環境によって違いがありますよね。それと同じように、猫の瞳の色もそれまでその猫種が生きてきた環境やルーツによって違いがあるというのは面白い点です。
では、猫の目の色ってそもそも何種類くらいあるのでしょうか?猫の瞳の色の違いが生まれる理由や、猫の目の色でどうしてその猫のルーツがわかるのか調べてみましょう!
猫の目の色は全部で何種類?
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みなさんは、猫の瞳の色って何種類くらいあるか知っていますか?猫好きの方であれば、いろいろな色の瞳の猫に出会い、そのどれもが美しく、魅力的であることに気づかれたことでしょう。じつは、猫の目の色は大きく分けると7種類ほどあると言われています。
まず一般的なものは、グリーン、ヘーゼル、アンバー、カッパーです。そしてその他に、ブルー、レッド、オッドアイという特殊なカラーがあります。でもどうして猫の目の色にはこれほどの違いがあるのでしょうか?
猫の目の色の違いの秘密とは?
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猫の目の色にはどうしてこんなにもいろいろなカラーバリエーションがあるのでしょうか?それにはメラニン色素というものが関係しています。
わたしたちが見ている猫の瞳の色というのは、じつは猫の目の中にある虹彩の色です。虹彩というのは目の中の角膜と水晶体の間にある膜の部分のことで、この組織は目の中に入る光の量を調節しています。
猫の目を観察していると、瞳孔が大きく開いたりあるいは細くなったりしますよね。これは、虹彩の筋肉が動いて瞳の中に入る光の量を調整しているからなんです。人間の瞳にも同じように虹彩があり、瞳孔が開いたり閉じたりしています。
人間の場合は、瞳孔は丸いまま大きくなったり小さくなったりしていますが、猫の場合は縦に長く細くなったり、開いたりします。暗いところにいると瞳孔が大きく開き、より多くの光を取り入れようとしますし、明るいところではその逆に瞳孔が閉じて細長くなります。
さて、この虹彩というのは人間の目で言えば黒目に当たる部分です。人間の場合、通常黒目と白目の両方が見えていますが、猫の場合は白目に当たる眼球結膜は見えていません。
それで、猫の目で私たちが見ている部分というのは虹彩がある部分、人間で言う黒目の部分なんです。ですからこの虹彩の色が、その猫の瞳の色になるというわけです。人間でも黒目の部分の色を、いわゆる”目の色”と言っていますよね。
では、ブルーの猫の目にはブルーの色素があり、グリーンの猫の目には緑の色素があるのかというと、そうではないんです。猫の瞳の色を決めるのは、虹彩にあるメラニン色素が少ないか多いかという事に関係しています。メラニン色素が少ないとブルーなどの薄い色になり、メラニン色素が多くなるとカッパーのような深い色になるのです。
メラニン色素が少ない順に並べるとこうなります。
ブルー
↓
グリーン
↓
ヘーゼル
↓
アンバー
↓
カッパー
ではそれぞれの目の色ごとに、特徴や特色を見ていくことにしましょう。
ブルーアイ
虹彩にメラニン色素が一番少ない、というよりほとんど持たない猫の目の色はブルーになります。ブルーの中にもサファイヤブルーやアクアといった種類があります。角度を変えてみた時にはパープルに見えることもあります。
このメラニン色素をほとんど持たないブルーの瞳ですが、本当のところはほとんど透明の目をしているようです。透明の瞳・・・なんとも神秘的な感じがしますね。でもどうして私たち人間の目にはブルーに見えるのでしょうか?
それは「レイリー散乱」という自然界の仕組みによってそう見えています。この「レイリー散乱」という現象によって見える色は、空にも見られています。空は日中は青く、夕方になると赤く見えます。これは、光の波長よりも小さい粒子の光の散乱で、波長の長い赤は吸収され、波長の短い青や緑が優先的に散乱されるという現象のようです。
猫の瞳の中でもこの「レイリー散乱」が見られるため、ブルーの瞳を持つ猫の場合は、虹彩にあるほんのわずかなメラニン色素が長い波長のオレンジや赤は吸収し、短い波長の青や緑といった色を優先的に散乱させることで、瞳の色がブルーに見えています。
ブルーの瞳をもつ猫というのは珍しいですが、メラニン色素をほとんど持たないという事と「レイリー散乱」という現象によって、私たちの目にはブルーに見えているということだったんですね。
グリーンアイ
ブルーと同じく、グリーンの瞳もメラニン色素がとても少ない猫に見られます。グリーンの瞳を持つ猫で有名なのはロシアンブルーです。エメラルドグリーンの大きな瞳を持ちます。
ヘーゼルアイ
ヘーゼルは、深いグリーンとブラウンのグラデーションになっている目の色です。ヘーゼルはメラニン色素が多いと思われていますが、グリーンよりもメラニン色素が多いといえ、全体の猫種の中では少ないほうです。
アンバーアイ
アンバーは琥珀色の瞳の色ことをいいます。ヘーゼルとの違いは単色であることです。ゴールドや濃いイエローの瞳です。ヘーゼルとアンバーは間違えられやすいですが、ヘーゼルはグラデーションになっていて、アンバーは単色であることが特徴です。メラニン色素は多めです。
カッパーアイ
カッパーは銅色の瞳の色です。角度によっては赤っぽく見えることもあります。猫の瞳の中で一番メラニン色素が多い目の色となります。メラニン色素が多くなるとは言っても、猫の瞳の色は黒にはならず、茶色や赤っぽい色になります。